この記事での学習内容 基本情報 応用情報
性能,設計効率,コストなどを考慮して,どの構成が最適であるのかを検討し,設計することを理解する。
用語例:回路設計,タイミング設計,同期式設計,非同期式設計,加法標準形,論理圧縮
論理回路
論理回路は、論理演算を行う電気回路です。電気信号は連続した信号値を扱うアナログ回路と、電圧の高低で0と1だけを扱うデジタル回路とに区分されます。
論理回路はデジタル回路の類似語であり、0と1のデジタル値について論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)などの論理演算を行うことを特徴に出した用語です。これらの論理演算の素子を回路として組み合わせて、加減乗除を含む高度な処理をします。
コンピュータを構成するCPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、ネットワーク装置のいずれにも、論理回路が用いられています。
論理設計
論理設計は、論理回路を設計することです。狭義には論理演算を組み合わせる部分を設計することを論理設計といいます。
講義の論理設計では、次のような性質を考慮します。
回路設計
回路設計とは、回路を設計することです。論理回路の場合には、狭義の論理設計をしたあとを受けて、狭義の回路設計として、トランジスタ、抵抗、コンデンサの電気的性質を考慮して設計するプロセスを意味します。
- システム設計:回路全体の構造
- アーキテクチャ設計:ソフト・ハードの切り分け
- 論理設計:回路で用いるCMOSの種類
- レイアウト設計:回路や配線の配置
- マスク設計:マスクパターンの設計
- デバイス設計:CMOSの構造、配線の種類等
論理設計上の考慮点
論理設計では、以下のような項目を考慮して設計を勧めますが、全てを満たせるとは限らないので、優先順位を明確にすることが重要です。
- 機能を高度にする。又は特殊な機能を追求する。
- 速度性能を速くする。
- サイズを小さくする。
- 価格を安くする。また、消費電力などの運用コストを安くする。
- 発熱量を減らす。
- 設計・製造の品質、費用、時間を改善する。
素子を小さくして、集積度を上げることは、機能、速度、サイズ、価格、消費電力、発熱などのすべての面で高影響をあたえることが多いです。ただし、対立する場合もあり、高性能製品と安価製品とに設計方針が別れたりします。
論理回路が複雑になると、その設計にはソフトウェア開発と似たような性質が見られ、人間の設計ミス(バグ)が問題になります。一方、設計作業にもデジタル処理という誤差のない情報処理を適用できるので、ハードウェア記述言語(HDL)、正当性の検証、シミュレーションなどによって、品質や生産性を向上させることができます。
HDL(Hardware Description Language)
HDLはハードウェアの動作を記述する言語です。プログラム言語と同じような記述で電子回路を自動設計できます。
- 回路の動作を文字で記述
- 論理シミュレーションで動作を確認
- 構成部品の接続関係を記述したファイル(ネットリスト)に変換