「技術要素」カテゴリーアーカイブ

ヒューマンインタフェース技術

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・インフォメーションアーキテクチャの考え方,目的を修得し,応用する。
・代表的なヒューマンインタフェース技術の種類,特徴を修得し,応用する。
・GUI の特徴,構成部品,GUI 画面設計の手順,留意事項を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・ヒューマンインタフェースの特徴を理解する。

(1)インフォメーションアーキテクチャ 基本情報 応用情報

インフォメーションアーキテクチャ(情報アーキテクチャ)の考え方,目的,情報の組織化(五十音,カテゴリなど),構造化(階層型,タグ付けなど)などを理解する。

用語例:ラベル,チャンク,ナビゲーション,LATCH(Location,Alphabet,Time,Category,Hierarchy)法,階層型,直線型,Web リンク型,フォークソノミー型,セマンティックWeb,メタデータ

(2)ヒューマンインタフェース ITパスポート 基本情報 応用情報

ヒューマンインタフェースを決定する要件,インタフェースを実現する技術の種類,特徴を理解する。

用語例:ユーザビリティ,アクセシビリティ,インタラクティブシステム,音声認識,画像認識,動画認識,特徴抽出,学習機能,選択的知覚,ユーザ操作の分析,身体的適合性,ノンバーバルインタフェース,マルチモーダルインタフェース,空間型インタフェース,自然言語インタフェース

(3)GUI ITパスポート 基本情報 応用情報

グラフィックスを用いた視覚的な表示,ポインティングデバイスなどによる直感的な操作などGUI の特徴,GUI で使われる構成部品の特徴と役割,GUI 画面設計やシナリオなどを使用した設計の手順と留意事項を理解する。

用語例:ウィンドウ,アイコン,ラジオボタン(ラジオボックス),チェックボックス,リストボックス,プルダウンメニュー,ポップアップメニュー,テキストボックス

 

インフォメーションアーキテクチャ

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

インフォメーションアーキテクチャ(情報アーキテクチャ)の考え方,目的,情報の組織化(五十音,カテゴリなど),構造化(階層型,タグ付けなど)などを理解する。

用語例:ラベル,チャンク,ナビゲーション,LATCH(Location,Alphabet,Time,Category,Hierarchy)法,階層型,直線型,Web リンク型,フォークソノミー型,セマンティックWeb,メタデータ

情報アーキテクチャ

情報アーキテクチャ(インフォメーションアーキテクチャ)とは、ユーザインタフェースの情報の構造です。建築になぞらえてアーキテクチャといいます。情報アーキテクチャの設計技法や定石を用いたり、設計基準を制定したりしつつ、アーキテクチャの設計・開発・検証をします。

情報アーキテクチャの考え方は、紙面のデザインを基盤にしていますし、一般的な情報の構造化はデータベースに技術が蓄積されています。

情報アーキテクチャの設計の目的は、ユーザのわかりやすさ、探しやすさ、操作のしやすさを向上させることです。

ユーザインタフェースの場合には、ディスプレイ上の2次元の広がりに加えて、階層という3次元目、そして対話型機能によるユーザの操作の流れという4次元目が加わります。また、ユーザが語句を入力する随時の検索も加わります。

情報アーキテクチャの設計には、次のようなことがあります。

  • 情報の組織化として、分類(カテゴリー)や五十音順などの整列の仕方を決定します。
  • 情報の表現の構造化として、階層型の画面やメニューの構成を決めたり、表現の性質を表すメタデータをタグ付けしたりすることがあります。
  • 複数の情報のチャンク(かたまり)を決めてラベルを付けることは、本質的情報の分類と表現上の配置の両方に関わります。
  • 情報間の移動の案内手段であるナビゲーションを設計します。

ナビゲーション

ユーザが情報の間をどのように移動するかを分析して、案内手段であるナビゲーションを設計します。次のようなナビゲーションを組み合わせます。

なお、以下の記述ではウェブサイトのデザインを前提に記載していますが、一般的なGUIアプリケーションでもこれらの観点は大事になってきます。

ページの位置関係によるリンク

ホームページリンク
ウェブページ群の起点のページへ戻るリンク
前ページリンク
現在のページの一つ前に戻るリンク
次ページリンク
現在のページの一つ先に進むリンク
ページトップ
現在のページ自身の先頭へ戻るリンク

先頭部および最後尾のナビゲーション

グローバルメニュー
同じウェブサイトのどのページを開いても、先頭部に表示される標準のメニュー
トピックパス(パンくずリスト)
「ホーム>製品情報>洗濯機」のように、ホームページから現在のページまでの分類体系の枝の連鎖を示す先頭部の表示。
フッターメニュー
同じウェブサイトのどのページを開いても、最後尾に表示される標準のメニュー。グローバルメニューを補助する。
コンテンツ内リンク
ページの内容から別の情報へ移動するリンク。例えば文章中のキーワードそのものにリンクを兼ねさせます。

先頭部・最後尾以外のナビゲーション

ページの先頭部・最後尾以外には、次のようなメニューを配置する定石があります。配置のルールをあらかじめ決めておくことが重要です。

  • 左側にいつも同じメニュー、右側に宣伝したい特別リンクを配置する。
  • その逆に、左側に特別リンク、右側にいつも同じメニューを配置する。
  • 先頭部のメニューのすぐ次に特別リンク、左側にいつも同じメニューを配置する。
  • それらのメニューは、グローバルメニューに比べて、写真やイラスト等の目を引くデザインにしたり、キャッチコピー等を補足したり、目次階層を示したりする。

カテゴリー別メニュー

カテゴリー別メニューは、前述のようなメニュー以外の任意の分類ごとのメニューです。分類の特徴に応じて設計します。

サイトマップ

ウェブサイトの全てのページ見出しを、分類体系の木構造として示す表示です。分類の枝をたどっても、目的のページが見つからない場合に使います。

 

ヒューマンインタフェース

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

ヒューマンインタフェースを決定する要件,インタフェースを実現する技術の種類,特徴を理解する。

用語例:ユーザビリティ,アクセシビリティ,インタラクティブシステム,音声認識,画像認識,動画認識,特徴抽出,学習機能,選択的知覚,ユーザ操作の分析,身体的適合性,ノンバーバルインタフェース,マルチモーダルインタフェース,空間型インタフェース,自然言語インタフェース

ヒューマンインタフェース

ヒューマンインタフェースとは、コンピュータと人間が遣り取りをする部分のことです。具体的には、人間がコンピュータへ指示を入力するキー操作の機能や、コンピュータから人間へ処理結果を返す画面表示や印刷などの機能を指します。ユーザインタフェースともいいます。

画面の表示形式や入力の方法、帳票のレイアウトなどのヒューマンインタフェースは、システムを使うユーザによっての使い方を大きく左右する部分です。

ヒューマンインタフェースの要件は次のように分類されます。

身体的適合性
人の身体と機器とが適合していること。手の大きさとマウスの大きさの適合などです。
頭脳的適合性
人の頭脳の情報処理と機器が適合していること。情報的適合性ともいいます。(例:上から下、左から右と言った情報の流れ)
時間的適合性
人の作業時間、休息時間、機械の応答待ち時間などが適合していること。人の疲労も関係します。
環境的適合性
照明、気温、騒音など、人の好む環境と適合していること。
運用的適合性
人が対話型システムを運用すること、および運用管理をすることに適合していること。

ヒューマンインタフェースを実現する技術には次のようなものがあります。

音声認識
人の話す音声言語を解析し、文字データとして取り出す。
画像認識
人の画像を解析して、それが何かを識別する。
動画解析
人の動画を解析して、それが何かを識別する。
非言語インタフェース
人の五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)のうち、言語以外の触覚などを機器との入力又は出力に使う。
自然言語インタフェース
機器特有のコマンドなどではなく、人が日常的に使っている言語をインタフェースにする。
特徴抽出
前述の各種の処理において、解析や識別に必要な特徴をまず抽出する。

入力機能の設計

入力機能の設計では、「ユーザにとって分かりやすく、入力しやすい」ことが最も大切です。

図書館の図書検索システムのような、コンピュータに不慣れな人が使うことが多いシステムの場合は、キーボードを使った文字入力をできるだけなくし、メニューから選ぶ形式や、タッチパネルを使用した入力にするなどの配慮が必要です。

一方、キーボードに慣れたユーザ向けの入力画面である場合は、キーボードとマウスの操作が混在すると操作性が落ちるので、マウスの仕様を減らし、番号を入力して選ぶメニュー形式にするなど、効率よく入力できる機能設計が望まれます。

インタラクティブシステム

インタラクティブシステム(対話型システム)は、ユーザとコンピュータ等の機械とが、対話しながら作業を進めていくシステムのことです。人の出力が機器の入力になり、機器の出力が人の入力になるという関係です。

人もシステムの構成要素として考えると、機器の性能や機能はシステムの属性の一部に過ぎず、人の機能や性能も含めて、能率的な作業ができることが大切です。

機器側だけをシステムとして考えると、人間中心設計という方針が必要です。また、対話型システムの開発には、ユーザ操作の分析が必要です。

ユーザ操作の分析
  • 要件分析段階には、ユーザの従来の作業を分析したり、対話型システムにおける人の作業の部分や条件を分析したりします。
  • 試験段階には、開発された機器を用いてユーザに作業してもらい、それを分析して使いやすさを改善します。ユーザビリティテストがその例です。
ユーザビリティ

ユーザビリティは、対話型システムの特性の一つであり、次の特性のまとまりです。

  • 効果: ユーザの作業の結果が効果的である。
  • 効率: ユーザが作業を進める過程が効率的である。
  • 満足度: ユーザがイライラしたりせずに、気持ちよく作業が出来る。
アクセシビリティ

対話型システムの特性の一つであり、多様な性質を持つ人々の誰でもが、利用しやすいという性質です。特に、障がい者や高齢者でも利用しやすいことが代表的です。例えば、老眼の人のために文字サイズを大きくすることが挙げられます。

人に特有な性質の一つに、選択的知覚があります。人は自分の興味や経験をベースにして、好みの物事を選択的に知覚し、好みでない物事は知覚しにくいという傾向があります。選択的知覚を利用するインタフェースや弱点を補強するインタフェースが望まれます。

音声認識

音声認識は、人の話す音声言語を解析し、文字データとして取り出すことです。メニューを選択すること無しに、人が音声で機器に指示を出すことが、倉庫の扉の開閉やカーナビゲーションなどに用いられます。音声による個人認証は、セキュリティのためのインタフェース技術ともいえます。

画像認識

画像認識は、人の画像を解析して、それが何かを識別することです。例えば、人の視線を解析してカーソルを移動したり、人の笑顔を解析してカメラのシャッターを押す代わりにしたりすることができます。顔認証、指紋認証、虹彩認証などは、セキュリティのためのインタフェース技術ともいえます。

動画認識

動画認識は、人の動画を解析して、それが何かを識別することです。人のジェスチャーによって、機器へ処理を指示することなのです。

特徴抽出

特徴抽出とは、音声認識、画像認識、動画認識、非言語インタフェース、自然言語インタフェースなどの解析処理や識別処理の前半に、解析や識別に必要な特徴をまず抽出することです。画像認識であれば、人の顔の輪郭を抽出するようなエッジ検出などがその例です。

ノンバーバルインタフェース(非言語インタフェース)

非言語インタフェース(ノンバーバルインタフェース)とは、人の五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)のうち、言語以外の触覚などを機器との入力または出力に使うことです。

例えば、医療教育用の端末は、人の手からの力をコンピュータへ入力したり、人体の反発を模擬した力をコンピュータから出力したりします。

自然言語インタフェース

自然言語インタフェースとは、機器特有のコマンドなどではなく、人が日常的に使っている言語をインタフェースにすることです。

例えば、音声認識において、「開け」等の操作用語に限定することなく、「ドアを開けてください」などの自由な文を許容したり、識別をすすめるためにコンピュータから日常語で質問したりするのが、自然言語インタフェースの例です。

 

GUI

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

グラフィックスを用いた視覚的な表示,ポインティングデバイスなどによる直感的な操作などGUI の特徴,GUI で使われる構成部品の特徴と役割,GUI 画面設計やシナリオなどを使用した設計の手順と留意事項を理解する。

用語例:ウィンドウ,アイコン,ラジオボタン(ラジオボックス),チェックボックス,リストボックス,プルダウンメニュー,ポップアップメニュー,テキストボックス

GUI(グラフィカルユーザインタフェース)

GUI(Graphical User Interface)とは、グラフィックを使って表された機能を、マウスで選んで操作できる視覚的なヒューマンインタフェースです。

機能が、直感的にわかりやすい「アイコン」などのシンボルを使って表示され、プログラムの起動などの基本的な操作をマウスを使ってできるので、キーボードに不慣れな初心者にも使いやすい操作環境です。

WindowsやMac OSなど、多くのOSがGUIを採用しています。

対して、キーボードでコマンドを入力しながら操作をするインタフェースのことをCUI(Character User Interface)といいます。

GUIの部品

GUIに対応するOSでは、ソフトウェアの画面設計に共通に利用できる、さまざまなGUI部品を提供しています。

チェックボックス
枠内にチェックを付けて選択肢を選ばせる部品です。同時に複数の選択肢を選ぶことができます。
ラジオボタン
円内に黒円をつけて選択肢を選ばせる部品です。複数の選択肢から一つだけを排他的に選ばせます。
リストボックス
リストとして表示される選択肢の一覧から選択できる部品です。
テキストボックス
自由記入形式でユーザがテキストを入力できる部品です。
プルダウンメニュー
メニューバーなどから選択肢のリストが垂れ下がるように表示されるメニューです。
ポップアップメニュー
右クリックなどで飛び出すように表示されるメニューです。

GUI画面設計の留意事項

GUI画面設計にあたっては、次のような点に留意します。

統一性
用語、マウスやキーボードの使い方、メッセージなどを統一する。画面レイアウトを画面間で統一する。
そのシステム内での統一性ももちろん、動作プラットフォームでの一般的な振る舞いに合わせるという意味での統一性も重要。
省力化
省略値(デフォルト値)や前回の選択肢の保存などにより、操作の手間を減らす工夫をする。入力時の適切な項目間のカーソル移動や日本語入力のON/OFFの自動化など。
ユーザの多様性
ユーザの多様性に対して、頻繁に行う操作には、マウスとキーボードの両方の手段を提供する。目の不自由な人や視力の弱い人にも配慮することや、特にWebページではPC以外からの閲覧も考慮するなど。
例外処理
途中での中断やご操作の際の取り消し(Undo機能)などの、よくある例外状況を許容する手段を提供する。
エラーメッセージはユーザを威嚇する表現を避けて、状況の説明、その原因、および次にすべき行為を案内するようにする。

ユーザの多様性を考慮すれば、キーボードの操作よりも、マウスによる操作が常に操作性が良いとは限りません。ユーザには個人差がありますし、同じユーザでもなれてくるとニーズが変わってくるものです。そのために、例えば使用頻度の高い操作に関しては、マウスとキーボードの両方のインタフェースを用意するようにします。

例えば、地図閲覧ソフトウェアを例にすると、特定の町の地図を表示する操作の場合、マウスだけを操作して、全国地図から出発し、近畿地方、京都府、京都市、中京区と絞り込んでいくのが典型的なGUIです。しかし、「住所欄」を設けてキーボードで「京都市中京区」と入力すると一回の操作で町の地図を表示できます。このような形でマウスとキーボード両方のインタフェースを用意すると良いでしょう。

 

インタフェース設計

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・画面設計,帳票設計,コード設計の考え方,手順,手法を修得し,応用する。
・ユニバーサルデザインの考え方を応用した望ましいインタフェースを修得し,応用する。

【ITパスポート】
・インタフェース設計の考え方を理解する。

(1)画面設計・帳票設計 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.画面設計

画面設計の考え方,手順,手法,代表的な入力チェックの方法を理解する。また,入出力項目とデータベースの対応,入出力項目の処理の対応を理解する。

用語例:画面構成,情報の検索,情報の関係性,利用者の用語,情報提示ストーリ,ストーリボード,部分送信,ニューメリックチェック,フォーマットチェック,リミットチェック,組合せチェック,照合チェック,バランスチェック,チェックキャラクタ,穴埋め方式,メニューインプット方式,フォーマットエラー,論理エラー,シーケンスエラー

2.帳票設計

帳票設計の考え方,手順,手法を理解する。また,プリンタの種類やコピー方法などの装置制約事項と帳票設計の関係,フォームオーバレイや専用の事前印刷用紙への出力,入出力項目とデータベースの対応,入出力項目と処理の対応を理解する。

用語例:出力特性,入力特性

(2)コード設計 基本情報 応用情報

コードの種類と特徴,利用目的や適用分野に合わせたコード設計の考え方,手順,手法を理解する。

用語例:順番コード,区分コード(分類コード),桁別コード,表意コード,合成コード

(3)Web デザイン ITパスポート 基本情報 応用情報

Web デザインにおけるユーザビリティの考え方,ユーザビリティを向上させるための手法,スタイルシートの利用によるデザイン全体の統一や,複数種類のWeb ブラウザ対応などを考慮してWeb デザインすることを理解する。また,ユーザビリティに関する国際規格が存在すること,ユーザビリティ評価手法,Web サイトのナビゲーションの手法を理解する。

用語例:フレーム,空間近接原理,アフォーダンス,サイト内検索機能,ISO 9241,サイトマップ,クロスブラウザ,プログレッシブエンハンスメント

(4)人間中心設計 基本情報 応用情報

ユーザビリティの向上を目的とした,人間中心設計の考え方,プロセスを理解する。

用語例:ISO 13407,使用状況の理解と明示,利用者と組織の要求事項の明示,設計による解決策の作成,要求事項に基づく設計の評価

(5)ユニバーサルデザイン ITパスポート 基本情報 応用情報

ユニバーサルデザインの7 原則の考え方を理解する。また,情報技術分野においても,イラストによる説明,音声読み上げ,Undo(取消)機能など,ユニバーサルデザインの考え方を応用したインタフェースのあり方,設計手法を理解する。

用語例:WAI(Web Accessibility Initiative),WCAG 1.0(Web Content Accessibility Guidelines 1.0)

(6)ユーザビリティ評価 基本情報 応用情報

ユーザビリティ評価の考え方と手法を理解する。

用語例:ヒューリスティック評価

 

画面設計・帳票設計

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • 画面設計の考え方,手順,手法,代表的な入力チェックの方法を理解する。また,入出力項目とデータベースの対応,入出力項目の処理の対応を理解する。
  • 帳票設計の考え方,手順,手法を理解する。また,プリンタの種類やコピー方法などの装置制約事項と帳票設計の関係,フォームオーバレイや専用の事前印刷用紙への出力,入出力項目とデータベースの対応,入出力項目と処理の対応を理解する。

用語例:画面構成,情報の検索,情報の関係性,利用者の用語,情報提示ストーリ,ストーリボード,部分送信,ニューメリックチェック,フォーマットチェック,リミットチェック,組合せチェック,照合チェック,バランスチェック,チェックキャラクタ,穴埋め方式,メニューインプット方式,フォーマットエラー,論理エラー,シーケンスエラー、出力特性,入力特性

画面設計

対話型システムの開発プロセスには、画面設計が加わります。また、画面設計より前の開発フェーズには、画面設計に必要な情報の提供が加わります。また、画面設計より後の開発フェーズには、画面に関わるレビュー、テストなどの作業項目やチェックリストが加わります。

画面設計は次の手順で進めます。

  1. 画面全体像の作成:画面群の漏れやダブリがないように、全体構成を描く。
  2. 画面設計の標準化:既存の標準を入手したり、社内や当該システムの標準を制定したりする。
  3. 画面フローの設計:ユーザの操作を考慮し、画面間の遷移を決定する。
  4. 表現方法の検討:GUI等の技術を適材適所で活用することを考慮して、表現方法や対話方法を検討する。
  5. 画面レイアウトの設計:標準に沿って、各画面のレイアウトを設計する。

画面や帳票のレイアウト

画面のレイアウト設計では、入力の順序が概ね画面の左上から右下へ流れていくように項目を配置すると入力の流れが自然になります。

帳票のレイアウト設計では、関連する項目同士を近くに配置する、余分な情報は省いて必要最小限の情報に絞り込むなどの工夫をすると、見やすいレイアウトになります。

画面や帳票類が複数あるときは、タイトルの位置やページ番号のデザインなどは統一します。

固定的な内容に限られる入力項目は、メニューからの選択形式にしておくと、入力の手間が省けると同時に、不足の入力値に対するエラーチェックの処理などが不要になるという、開発する上でのメリットもあります。

*例えば、日時を入力する欄があるとすれば、月は1~12しかありえないし、曜日も7パターン。それらをユーザの任意入力項目にするよりは、メニューからの選択としたほうが効率的です。

入力チェック

入力チェックとは、画面から入力されたデータが制約条件に合致しているかどうかをチェックすることです。

以下のような入力チェックの中から、設計フェーズにおいて適切なものを選択します。

照合チェック
データが所定の集合に存在するかをチェックする。
重複チェック
データの重複をチェックする。
ニューメリックチェック
データが数字であるかチェックする。複数桁の数字列という条件であれば、数字の並びになっているかどうかをチェックします。(例:商品の購入数)
フォーマットチェック
データの桁数や構文規則などの書式をチェックする。
例えば、メールアドレスの場合、使用できない特殊記号があるので、それが混入していないかどうかチェックします。
リミットチェック
限界値を超えていないかチェックする。
例えば、商品の購入数であれば、在庫数を超えていないかをチェックします。
レンジチェック
下限値から上限値までの範囲から外れていないかチェックする。
例えば、「月」を入力する場合、1~12の数値になっていることをチェックします。
カウントチェック
データ群の件数をチェックする。
シーケンスチェック
データ群が順番に並んでいるかをチェックする。
バランスチェック
データ群が所定のバランスを保っているかをチェックする。
例えば、仕訳データの借方と貸方のように最終的な合計が一致すべきデータを別々に集計して、両者が一致することをチェックします。

帳票設計

帳票設計は以下の手順で進めます。

  1. 全体像の設計:帳票群の漏れやダブリがないように全体構成を描く
  2. 設計の標準化:既存の標準を入手したり、社内や当該システムの標準を制定したりする。
  3. 媒体の設計:利用場面を考慮し、適切な媒体を選択する(紙なのか電子データなのか)
  4. 表現方法の検討:見やすさ、わかりやすさを考慮して、表現方法を検討する。
  5. レイアウトの設計:標準に沿って、各帳票のレイアウトを検討する。

帳票のレイアウト設計

帳票のレイアウト設計では、関連する項目同士を近くに配置する、余分な情報は省いて必要最小限の情報に絞り込むなどの工夫をすると、見やすいレイアウトになります。

帳票類が複数あるときは、タイトルの位置やページ番号のデザインなどは統一します。

コード設計

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

コードの種類と特徴,利用目的や適用分野に合わせたコード設計の考え方,手順,手法を理解する。

用語例:順番コード,区分コード(分類コード),桁別コード,表意コード,合成コード

コード番号

商品名のように、内容が固定的ではあるが、メニューにするには選択肢の数が多すぎる、という入力項目は、コード番号に置き換えるという方法があります。

例えば、都道府県名について、北海道が「01」~沖縄県が「47」といった番号を決めておけば、文字を入力する代わりに番号での入力が出来るようになります。

コード化するときには、選択肢の数に十分足るだけのコードの桁数を持たせて設計する必要があります。例えば都道府県なら全部で47通りであり、将来的に増えることがあったとしても、最大で99まで見ておけば十分、と判断するのであれば2桁のコードで事足ります。このように、コードの桁数は、現状の数だけでなく、将来増えるであろう数も見越して決定します。

チェックデジット

チェックデジットは数字コードの誤り検出法の一つで、コードの各桁の数字を使って一定の計算をし、1桁の数字を得てそれをコードの末尾に加える方法です。チェックデジットを用いるコードは、総桁数が本来の長さより1桁多くなります。

例えば、本来3桁の長さの数値コードに対し、コードの桁の先頭から順に1倍、2倍、3倍してその合計値を求め、合計値の1の位の数をチェックデジットとすることにします。
このとき「357」というコードであれば、3×1+5×2+7×3=34なので、チェックデジットは「4」であり、コードは「3574」となります。

コード入力時にも同じ計算を行い、入力されたチェックデジットの値が、前3桁の数から求めた計算結果と一致するかどうかを確認することで、入力ミスをある程度発見できます。

順番コード

順番コードは、項目が並んだ順序の番号を表すコードです。JIS(日本工業規格)の都道府県コードは北海道から沖縄県まで、ほぼ北から南へという位置の順番をそのままコードにしたものです。地図が苦手な人でも、順番をヒントにして、地図上の都道府県を探し当てやすいという特徴があります。

また、入力・作成・出力などの処理した順番のとおりに順番コードを付与する方式は、最近処理された項目が次に処理される確率が高い場合には、効率的なのが特徴です。

区分コード(分類コード)

区分コード(分類コード)は、項目の類似性に基づいた分類を区別するように付与したコードです。1000番台、2000番台というように、分類を数値で区別することもあります。またそれぞれの分類の中では順番コードを付加することがあります。

区分コードは、類似する項目が近くにあり、探し当てやすいことや、処理するプログラムや人の分業がしやすいという特徴があります。

桁別コード

桁別コードは、コードの桁ごとに意味をもたせたコードです。学生番号の例では、先頭4方が入学年度、次の1桁が学科、末尾4桁が学生の通し番号を表す、といった付与の仕方です。

桁別コードは、複数の欄は区切り記号を要することなく、一つのデータで複数種類の意味を扱えるのが特徴です。

表意コード

表意コードは、項目の意味を表すコードです。例えば国際標準化機構の定めるISO3166-1の3桁の国名コードでは、「JPN」は日本、「USA」が米国、「RUS」がロシアで、各国の英語表記を短縮したものになっています。

表意コードは専門家でなくても意味を理解しやすいことが特徴です。商品コードにも、商品種類名の略字による表意コードが用いられることが多いです。

合成コード

合成コードは、各種のコードを組み合わせたコードです。例えば、自動車登録番号は、地域を表す表意コード、普通乗用車や小型乗用車などの種類を表す区分コードなどを組み合わせた合成コードです。

Web デザイン

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

Web デザインにおけるユーザビリティの考え方,ユーザビリティを向上させるための手法,スタイルシートの利用によるデザイン全体の統一や,複数種類のWeb ブラウザ対応などを考慮してWeb デザインすることを理解する。また,ユーザビリティに関する国際規格が存在すること,ユーザビリティ評価手法,Web サイトのナビゲーションの手法を理解する。

用語例:フレーム,空間近接原理,アフォーダンス,サイト内検索機能,ISO 9241,サイトマップ,クロスブラウザ,プログレッシブエンハンスメント

Webデザイン

多くの企業や団体などが、Webサイトを構築し、インターネット上でWebページを公開しています。

Webページを公開すると、最新の情報を多くの人に発信することができますが、ページが適切にデザインされていなければ効果が上がりません。

インデックスの分類やメニュー
ユーザの見たい情報の在り処が、ひと目で分かるようにします。
サイト全体の内容を把握できるようなインデックスやメニューを用意し、トップページから見られるようにしておきます。
ページレイアウト、デザインの統一性
ユーザがどのページを見ても迷うことなく、どこに何があるか類推できるようにします。
項目のレイアウトやボタンなどのパーツの使い方を統一し、リンクの付け方などにも共通ルールを作っておきます。
画面の構成、画面遷移
ユーザが見たい情報まで素早くたどりつけるようにします。
クリックによる画面の切り替えやドラッグによる移動、前の画面に戻す操作がなるべく少なくて済むような画面遷移を用意します。
ユーザへの配慮
どんな環境からでも快適に利用できるようにします。
データ量は抑えて、動画再生などの使用は必要最小限にします。
また、色々なユーザに使ってもらうために、ユニバーサルデザインに配慮します。

スタイルシート

Webページを作成する時、スタイルシート(CSS:Cascading Style Sheets)を用意すると、レイアウトの指示をページ毎に記述しないで済むようになります。

CSSは、HTML文書の段落の配置や文字の色といったレイアウト情報だけをまとめてスタイルシートとして定義するファイルです。HTML文書とCSSファイルに関連付けておけば、Webページのレイアウトを統一できます。また、CSSを修正すれば、それを参照する全てのWebページのレイアウトが変更できます。

CSSの規格はW3Cで標準化されています。

画面遷移図

どの画面からどの画面へ移ることが出来るかという流れを、画面遷移といいます。

Webサイトなどを設計するときには、画面遷移図を作成して画面の遷移関係を整理します。

画面遷移図では、各画面を円や四角形、直線で表して画面名を記入し、その間を矢印で結んで、画面間の移動関係を図にします。

画面を円や四角形で表す場合、画面の数だけ円や四角形を描き、図形内に画面名を記入して、その間の移動の有無と方向を、図形を結ぶ矢印で示します。

画面を直線で表す場合には、画面の数だけ直線を引いて横に画面名を記入して、画面間の移動の有無や方向を。直線間を結ぶ矢印で示します。

円や四角形、直線のいずれを用いる場合でも、図中の1本の矢印は、画面操作上のクリックやキー入力といった一つのアクションを指しています。

人間中心設計

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ユーザビリティの向上を目的とした,人間中心設計の考え方,プロセスを理解する。

用語例:ISO 13407,使用状況の理解と明示,利用者と組織の要求事項の明示,設計による解決策の作成,要求事項に基づく設計の評価

ユーザビリティとアクセシビリティ

ユーザビリティとは、ユーザにとっての「使いやすさ」「自由度や柔軟性の高さ」のことです。

アクセシビリティとは「すべての人が同じように利用できる」ことです。

不特定多数のユーザ向けに作るWebサイトは、高齢者や障がい者、外国人など様々な立場の人が利用できるように配慮して設計する必要があります。

例えば、ブラウザの音声読み上げ機能を利用する人のためには、意味を色の区別だけで表現せず文字説明を添える、などが有効です。

*音声や手書き文字などの限られた手段でしか情報のやり取りができなくても、情報機器を活用できる環境のことを、情報バリアフリーといいます。

ISO 13407

ISO13407は、国際標準化機構のISOによって、1999年に制定された「Ergonomics-Human-centerd design processes for interactive systems」という規格です。
日本工業規格のJIS Z8530「人間工学-インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス」として和訳されました。

ISO13407はISO9241シリーズに統合されて、ISO9241-210として、2010年に制定されました。

 

ユニバーサルデザイン

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

ユニバーサルデザインの7 原則の考え方を理解する。また,情報技術分野においても,イラストによる説明,音声読み上げ,Undo(取消)機能など,ユニバーサルデザインの考え方を応用したインタフェースのあり方,設計手法を理解する。

用語例:WAI(Web Accessibility Initiative),WCAG 1.0(Web Content Accessibility Guidelines 1.0)

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは、製品や建物などを設計・計画する時に、多くの人が年齢や国籍、障がいの有無などの違いにかかわらず快適に使えるように最初からしておく、という考え方です。ユーザビリティとアクセシビリティを兼ね備えたデザインといえます。

配慮のないWebデザインだと、見たくても見られない人が出てきてしまいます。不特定多数の人がアクセスするWebのデザインにおいては、情報格差(デジタルデバイド)を無くすためにもユニバーサルデザインの考え方が重要です。

以下に、ユニバーサルデザインの7原則を示します。

  1. どんな人でも公平に使える
  2. 使う上で自由度が高い
  3. 使い方が簡単で、すぐに理解できる
  4. 必要な情報がすぐに分かる
  5. うっかりミスが事故や危険につながらない
  6. 身体への負担がかかりづらい(弱い力でも使える)
  7. 利用するのに十分な大きさと空間を確保する

WAI(Web Accessibility Initiative)

ワールドワイドウェブコンソーシアム(W3C)のWAIという組織は、ウェブのアクセシビリティを向上することを目的としている組織です。

WCAG 1.0(Web Content Accessibility Guidelines 1.0)

WCAG 1.0は、W3Cのウェブのアクセシビリティのガイドラインです。読者として、ウェブサイト設計者、ウェブコンテンツ制作者、およびオーサリングツールの開発者を想定しています。

 

ユーザビリティ評価

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ユーザビリティ評価の考え方と手法を理解する。

用語例:ヒューリスティック評価

ユーザビリティ評価

ユーザビリティとは、ユーザにとっての使いやすさの度合いです。「有効さ」「効率」「満足度」の3つの概念で表されます。

ユーザビリティを評価するための手法には、以下の様なものがあります。

ユーザビリティテスト
実際にユーザに使ってもらいながら、問題点を洗い出します。
ヒューリスティック評価
ユーザビリティの専門家が、これまでの経験に基づいて評価を行います。
チェックリスト評価
ユーザビリティ基準表を使用し、基準を満たしているかどうかをチェックしていきます。

 

マルチメディア技術

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・コンピュータにおける文字,音声,画像などの仕組み,特徴,それらを統合して取り扱うマルチメディアの考え方,必要な資源,機能を修得し,応用する。
・情報の圧縮,伸張の目的,特徴,仕組みを修得し,応用する。
・マルチメディアシステムの特徴,マルチメディア応用の例を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・音声や画像の符号化の種類と特徴を理解する。
・情報の圧縮と伸張の特徴を理解する。
・マルチメディア技術の応用目的や特徴を理解する。

(1)マルチメディア ITパスポート 基本情報 応用情報

情報のディジタル化,文字,音声,画像などの複数のメディアの統合,インタラクティブ性などマルチメディアの特徴を理解する。また,複数のメディアを編集,統合するオーサリングなど,マルチメディア処理の考え方,必要な資源,機能を理解する。

用語例:Web コンテンツ,ハイパメディア,ストリーミング,オーサリング環境,メディア統合,PDF,DTP

(2)音声処理 ITパスポート 基本情報 応用情報

音声データのディジタル化の原理,音声ファイルの仕組み,代表的な音声ファイル形式の特徴を理解する。

用語例:PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調),MIDI,WAV(Waveform Audio Format),AU(Audio or mu-law),AIFF(Audio Interchange File Format),MP3,標本化周波数,量子化ビット数,MIDI 音源,サンプリング

(3)静止画処理 ITパスポート 基本情報 応用情報

光の3 原色(Red,Green,Blue)と色の3 原色(Cyan,Magenta,Yellow),画素(ピクセル),解像度,階調など,コンピュータにおける画像表現の仕組み,代表的な静止画ファイル形式の特徴を理解する。

用語例:JPEG,GIF,PNG,BMP,TIFF,Exif(Exchangeable Image File Format),ディザリング,ルックアップテーブル,レイヤ,トリミング

(4)動画処理 ITパスポート 基本情報 応用情報

フレーム,フレームレートなど,コンピュータにおける動画表現の仕組み,代表的な動画ファイル形式の特徴,動画編集の基本的な手法を理解する。

MPEG,QuickTime,AVI,Motion JPEG,インタレース方式,プログレッシブ方式,リニア編集,ノンリニア編集

(5)情報の圧縮・伸張 ITパスポート 基本情報 応用情報

メディアの種類に応じた圧縮・伸張方法が利用されること,圧縮・伸張の目的,代表的な方式の特徴,仕組み,用途に応じて適切な圧縮方式を選択し,活用することを理解する。

用語例:JPEG,MPEG,ZIP,LZH,圧縮率,可逆圧縮,非可逆圧縮,ランレングス,MH(Modified Huffman),MR(Modified READ),MMR(Modified Modified READ),MP3,効率の良いデータ保存,ネットワーク負荷軽減

(6)マルチメディア応用 ITパスポート 基本情報 応用情報

マルチメディアシステムの特徴,VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ),インターネット放送,ノンリニア画像編集システムなどのマルチメディア応用の例を理解する。

用語例:CG,CAD,シミュレータ,テレビゲーム,AR(Augmented Reality:拡張現実感),マルチメディアデータ合成処理,ビデオオンデマンド,DSP(Digital Signal Processor),ディジタル放送,3 次元映像,モーションキャプチャ,バーチャルサラウンド

マルチメディア

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

情報のディジタル化,文字,音声,画像などの複数のメディアの統合,インタラクティブ性などマルチメディアの特徴を理解する。また,複数のメディアを編集,統合するオーサリングなど,マルチメディア処理の考え方,必要な資源,機能を理解する。

用語例:Web コンテンツ,ハイパメディア,ストリーミング,オーサリング環境,メディア統合,PDF,DTP

マルチメディア

マルチメディアとは、文字情報に加えて、画像、音声などの様々な情報を二進値に変換してデジタル化し、コンピュータを使って統合的に扱うことです。

情報のデジタル化、文字、音声、画像などの複数のメディアの統合、インタラクティブ性などの特徴があります。インタラクティブ性とは対話性や双方向性のことです。マルチメディアを活用することで、使いやすく、わかりやすいユーザインタフェースが実現します。

ハイパメディア

ハイパメディアはリンク構造を持つ文書であるハイパテキストの拡張です。文字、音声、画像などの複数のメディアを関連付け(リンク)する技術・概念で、様々な利用、アクセスが可能になります。

Webページはハイパテキストの応用であり、Webコンテンツはこれを構成する要素・メディアのことです。

ストリーミング

ストリーミングは、インターネットの動画配信などに用いられている技術です。ストリーミングは、動画や音声などのファイルを再生と同時にダウンロードするという特徴があります。そのためダウンロードが完了するまで待つ必要がありません。一方で配信中にダウンロードが間に合わず、画面が停止するといった状況も起こります。

オーサリングソフト

オーサリングとは「著作」という意味の言葉です。オーサリングソフトは、文字やグラフィックス、音声などの素材を組み合わせて作品を執筆する(*)のに使用するソフトウェアです。

*この作業のことを「オーサリング」という。

代表的な製品に旧マクロメディア社のDirectorやFlash、Adobe社のDreamweaverなどがあります。

なお、オーサリングソフトといっても、音楽(DTM)系、出版(DTP)系、Web系など多くのジャンルのものがあります。

PDF(Portable Document Format)

PDFは電子出版向けの文書ファイル形式です。ソフトウェアパッケージごとに異なるファイル形式を使うという不便を解消するため、米アドビシステムズ社が提唱した印刷物頒布用のファイル形式です。

ワープロソフトなどで作成した文書をPDFファイルに変換すると、フォントの種類や大きさ、画像のレイアウト情報などが保存され、異なる環境でも常に同じ印刷結果が得られます。

PDFが必要とされる背景として、ソフトウェアパッケージは、各々独自のファイル形式を使うものが多いので、違う製品同士ではほとんどデータの互換性がありません。その為、同じワープロソフトでも、製品やバージョンが違うとデータを利用できない場合があり、そういった不便を解消するために、文書の回覧時にはPDFが積極的に用いられています。

音声処理

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

音声データのディジタル化の原理,音声ファイルの仕組み,代表的な音声ファイル形式の特徴を理解する。

用語例:PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調),MIDI,WAV(Waveform Audio Format),AU(Audio or mu-law),AIFF(Audio Interchange File Format),MP3,標本化周波数,量子化ビット数,MIDI 音源,サンプリング

音声のデジタル化

アナログ信号である音声データをデジタル化する方法に、パルス符号化方式(PCM:Pulse Code Modulation)があります。

標本化・量子化・符号化の3段階の手順で行います。

1.標本化(サンプリング)
音声を一定周期(一定時間ごと)で測定して標本化する。
2.量子化
測定値をある程度の粗さの目盛りに当てはめて数値化する。
3.符号化(エンコーディング)
数値を2進数に置き換えて符号化する。

一例として、音楽CDの場合、下記の手順でデジタル化が行われています。

  1.  44kHzの周期でサンプリング
  2.  16ビットで量子化(216=65536段階で数値化)
  3.  量子化した値を2進数で符号化

標本化の間隔が短いほど、また量子化の段階数が多いほど、元のアナログ音声に近いものになります。

音声のファイル形式

主な音声データ形式には次のようなものがあります。

型式名特徴
MP3形式MPEG規格の一つで、音声の圧縮形式。
音声データをCD並の高音質のまま、従来の10分の1以下のサイズに圧縮できるため、
音声ファイルの転送に広く用いられる。
MIDI形式電子楽器とパソコンを接続して楽曲データを交換するための規格。
音色や音程などのデータをやり取りする手順が定められている。
WAVE/AIFF形式前者がwindowsの標準音声形式で、後者がMacOS向けのもの。
基本的に非圧縮で、1分で約10MB。音質は音楽CDとほぼ同等。
AAC形式
(Advanced Audio Coding)
Apple社のiPodなどでよく利用されている方式で、MPEG2、MPEG4のオーディオ圧縮技術を利用したもの。
技術的にはMP3にあたる。Apple社のiPodシリーズの他、携帯電話の着うたやWeb上での音楽配信などで利用されている。
WMA形式
(Windows Media Audio)
音楽CD並の音質を保ちながら、容量を22分の1まで圧縮可能な形式。
こちらも音楽配信などで利用されている。

 

静止画処理

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

光の3 原色(Red,Green,Blue)と色の3 原色(Cyan,Magenta,Yellow),画素(ピクセル),解像度,階調など,コンピュータにおける画像表現の仕組み,代表的な静止画ファイル形式の特徴を理解する。

用語例:JPEG,GIF,PNG,BMP,TIFF,Exif(Exchangeable Image File Format),ディザリング,ルックアップテーブル,レイヤ,トリミング

解像度

画像の精細さは画素の密度で決まります。画素の密度を解像度といい、dpi(dots per inch)という単位で表します。dpiは1インチの範囲に並ぶドットの数を表し、この値が大きいほど高密度で高い画質が得られます。

なお、プリンタの印字品質も同じdpiで表されます。この値が大きいほど、きめ細やかで高品質な印刷ができます。

色の3属性

画面表示や印刷の重要なポイントに「色」があります。色は「色相」「明度」「彩度」によって表現されます。

色相(色み)
「赤」「緑」「青」などそれぞれの色
明度(明るさ)
「明るい赤」~「暗い赤」など
最も明度の高いのは「白」で低いのは「黒」
彩度(鮮やかさ)
「鮮やかな赤」~「くすんだ赤」など

発光体であるディスプレイの場合には、色の表現に光の三原色であるRGB方式を使い、色を加えるほど明るくなる加法混色という方法を使います。

対して、印刷をするプリンタの場合は、印刷の三原色であるCYMK方式を使い、インクを重ね塗りするほど暗くする現方混色という方法を使います。

RGB方式

RGB方式は、光の三原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を段階的に混色する方式です。3色の光を均等に最も強く出したときが「白」となり、3色全てを出さない時に「黒」となります。

RGBの指定方法

HTML文書などで表示色の指定をする場合、6桁の16進数を使って色を決めます。赤・緑・青の順でそれぞれの強さを2桁の「00」~「FF」という16進表示で表します。「00」が最も弱く、「FF」が最も強い指定で、画面にはこの3色が混ざった色が表示されます。「000000」が黒を意味し、「FFFFFF」が白を意味します。

CYMK方式

CYMK方式は、印刷の三原色であるシアン(Cyan:青)・マゼンタ(Magenta:赤)・イエロー(Yellow:黄)に黒を加えた4色のインクを使う方式です。

C/Y/Mのインクを均等に混ぜると、理論上は黒が出来るのですが、よりクリアな黒を発色するために、黒インクを別にしています。

なお、CYMKのKは「Key plate」のKで、KuroのKではありません。キープレートとは、印刷において、画像の輪郭など細部を示すために用いられた印刷板のことを指す用語で、これに通常黒が使われることから「K=黒」とされています。

グラフィックスソフトウェア

グラフィックスソフトウェアとは、図形やイラストを作成するソフトウェアです。ペイント系ソフトウェアとドロー系ソフトウェアに分けられます。

分類特徴代表的なソフトウェア
ペイント系ソフト画像をビットマップ(ラスタデータ)として扱う。
写真などの色調の変化や加工を行ったりするのに向いている。
Adobe Photoshop等のフォトレタッチソフト
ドロー系ソフト図形を輪郭のベクトル(ベクタデータ)として扱う。
実態に近いなめらかな曲線を描くのに向いており、新たにイラストを起こしたり、ロゴを作成したり、という用途に向いている。
Adobe Illustrator等のドローソフト、CADソフト

静止画のファイル形式

主な静止画像のデータ形式には、次のようなものがあります

名称特徴
JPEGJoint Photograph Experts Groupの略。スマートフォンやデジタルカメラで主流の画像ファイル形式。
24ビットフルカラー(約1,677万色)の静止画像が扱える静止画像の圧縮形式。
圧縮率が高く画像サイズを小さくでき、色数や階調表現の多いカラー写真画像などの保存に使われる。
一般に、元のデータを完全には復元できない非可逆圧縮方式が用いられる。
GIFカラー静止画像の圧縮形式。
色数が256色と少ないので、イラストなどの保存に適している。
元のデータを復元できる可逆圧縮形式のランレングス法を用いている。
BMPドットイメージとして静止画像を保存する形式。
圧縮はされていないので、保存時の容量が大きくなる。
PNG48ビットフルカラーの静止画像が扱える圧縮形式。透過属性を設定できる。
圧縮率が高く画像サイズを小さくでき、可逆圧縮形式のため画像が劣化しないが、JPEGほどの圧縮率はない。

動画処理

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

フレーム,フレームレートなど,コンピュータにおける動画表現の仕組み,代表的な動画ファイル形式の特徴,動画編集の基本的な手法を理解する。

MPEG,QuickTime,AVI,Motion JPEG,インタレース方式,プログレッシブ方式,リニア編集,ノンリニア編集

フレーム

動画像とは、映画やアニメのような動く画像のことです。コンピュータで動画像を扱うには、その仕組の理解が必要となります。

同画像を構成する画像がフレームです。フレームを連続して表示することで、人間の目には残像が残り、これにより動画に見えます。

フレームレート

同画像の品質を表す単位にフレームレートがあります。フレームレートとは、1秒あたりのフレームの数で、fps(フレーム/秒)で表します。

値が大きいほど動画像がなめらかになりますが、データ量が増えるので圧縮が必要になります。

動画ファイルの形式

テレビやビデオなどの動画の圧縮符号化方式にはMPEGが使われます。ISOにより設置された専門家組織の名称がそのまま使われました。(Moving Picture Experts Group)

以下の表のように細分化されています。

名称特徴
MPEG-1CD-ROMなどの再生に使われる符号化方式。
処理は単純でソフトウェアのみで行えるが、やや画質が劣る。
音声を含んだ圧縮になっている。
転送速度は1.5Mbps。
MPEG-2DVDやハイビジョンの映像などに使われる、MPEG-1よりも高品質な符号化方式。
ハードウェアでの処理が必要。
動画の圧縮とリアルタイム再生が可能。
転送速度は数M~数十Mbps。
MPEG-4携帯電話などの低速な移動体通信での利用を対象にした符号化方式。
転送速度が数k~数十kbps。

AVI(Audio Video Interleaving)形式

Microsoft社が開発した、Windows上で音声つきの動画を扱うためのフォーマットです。Windows上でマルチメディアデータを格納する際に用いられる RIFF というフォーマットを応用し、画像データと音声データを交互に織り交ぜた構造となっていることから、この名前がつけられています。

*RIFF:Resource Interchange File Format
Microsoft社によって策定された、画像や音声などの様々な形式のデータを一つのファイルに格納するための共通フォーマット。
WAVファイルやAVIファイルもRIFF形式のファイルの一つ。

Quick Time

Apple社の開発した、パソコンで動画や音声を扱うためのソフトウェアです。当初は同社のMac OS用でしたが、現在ではWindows環境でも広く使われています。

1998年2月には国際標準化機構(ISO)によって、動画フォーマットの国際基準MPEG-4のファイルフォーマットとして、QuickTimeが採用されました。

1998年5月に登場したQuickTime 3.0ではWindows標準の動画・音声フォーマットであるAVI形式やWAV形式の再生もサポートされたので、広く利用されるようになりました。

その後、インターネット対応を強化し、ストリーミング機能のサポートや、Java版クライアントの追加などが行われています。

 

情報の圧縮・伸張

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

メディアの種類に応じた圧縮・伸張方法が利用されること,圧縮・伸張の目的,代表的な方式の特徴,仕組み,用途に応じて適切な圧縮方式を選択し,活用することを理解する。

用語例:JPEG,MPEG,ZIP,LZH,圧縮率,可逆圧縮,非可逆圧縮,ランレングス,MH(Modified Huffman),MR(Modified READ),MMR(Modified Modified READ),MP3,効率の良いデータ保存,ネットワーク負荷軽減

圧縮と伸張

圧縮とはファイルサイズを小さくするための技術です。伸張とは圧縮したデータを元の状態に復元する技術、あるいはその処理そのもののことをいいます。

マルチメディアデータはファイルの容量が大きくなりがちなため、ファイル形式そのものに圧縮技術を使っているものが多く、これらはその形式で保存するだけで容量が小さくなります。

可逆圧縮と非可逆圧縮

圧縮方法には可逆圧縮と非可逆圧縮があります。可逆圧縮方式は、圧縮した情報を元に戻すと完全に元の情報と同じものになります。

一方、非可逆圧縮方式は、伸張した時に完全な形では元の情報に戻りません。そのかわり、高い圧縮率が可能になりますので、画像や音声に用いられています。

例えば、画像の非可逆圧縮方式であるJPEGでは、伸張した時に完全な形で元の画像には戻りませんが、この画質の劣化が人間の目では分からない程度になるように工夫されています。

圧縮ファイル

文書ファイルやワークシートなどの容量を小さくして保存するには、圧縮プログラムを使って圧縮ファイル形式に変換します。

多くの圧縮プログラムには、複数のファイルを一つの圧縮ファイルにまとめる書庫(アーカイブ)機能もあります。

圧縮ファイルはそのままでは使えないので、利用時に伸張する必要があります。

主な圧縮ファイル形式には、ZIP形式やLZH形式があります。

なお、マルチメディアデータとは異なり、圧縮ファイルの形式には可逆圧縮方式を使う必要があり、先述のZIP形式やLZH形式は可逆圧縮方式となっています。

マルチメディア応用

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

マルチメディアシステムの特徴,VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ),インターネット放送,ノンリニア画像編集システムなどのマルチメディア応用の例を理解する。

用語例:CG,CAD,シミュレータ,テレビゲーム,AR(Augmented Reality:拡張現実感),マルチメディアデータ合成処理,ビデオオンデマンド,DSP(Digital Signal Processor),ディジタル放送,3 次元映像,モーションキャプチャ,バーチャルサラウンド

マルチメディアシステムの特徴

マルチメディアは、シングルメディアや従来の報道と比べると、次の特徴があります。

  • 表現の種類が、文章だけでなく、図、画像、動画、音声などと多彩である。動画にはアニメーションや3次元物体像を多様な角度から眺めることを含む。また、触覚などの非言語インタフェースも含む。
  • 対話型操作が出来る。コンテンツの構成順序に従うだけでなく、ユーザが状況に応じて選択したり、手順を変えたりすることが出来る。
  • コンピュータのデジタル処理の特徴が加味される。
  • ネットワークの特徴が加味される。

VR(Virtual Reality)

VR(仮想現実感)とは、マルチメディア応用システムとして、模擬的に実現した現実的な感覚です。

コンピュータグラフィックスや音響効果を組み合わせて、人工的に現実感を作り出す手法です。人工的な現実感という意味では、例えば小説や映画などのメディア表現も含まれますが、VRでは以下の要素が条件とされます。

  • 人が移動可能な仮想空間(virtual world)
  • 人の五感の多くを併用して受け取る没入感(immersion)
  • 人の位置や動作を察知して反応する感覚フィードバック(sensory feedback)
  • 人が働きかけることのできる対話性(intetactivity)

インターネット放送

インターネット放送はマルチメディア応用の典型です。ラジオ番組やテレビ番組をインターネット経由で放送することです。

従来の放送と異なり、インターネットを検索して視聴したい番組を選ぶことができます。また、放送局でなくても、誰でも不特定多数の人へ番組を放送することができます。

ノンリニア編集システム

ノンリニア編集システムは、直接アクセス方式を活かして音声や映像を編集するコンピュータシステムです。

2台の再生用デッキから出力用デッキへ直線的(リニア)にコピーしながら、記録係の記録や時刻情報だけを手がかりに編集する編集機器と比べて、ショット(場面)の名称付与、修正、順序変更、削除、追加などが容易です。また、元の音声、映像の他に字幕追加、アフターレコーディング、アニメーション、コンピュータグラフィックス(CG)の追加などが容易です。

シミュレータ

シミュレータは『模擬体験実験システム』のことで、現実では実験・体験の難しい物を仮想空間上で行うものです。

マルチメディア応用システム、あるいは仮想現実間のシミュレータには以下のような多様なシミュレータがあります。

自動車シミュレータ、電車シミュレータ、船舶シミュレータ、航空機シミュレータ、発電所シミュレータ、医療シミュレータ、火災シミュレータ、地震シミュレータなどがあり、職員の教育や見学者の模擬体験などに使われます。

AR(Augmented Reality)

AR(拡張現実感)とは、現実に対してコンピュータが付加した感覚を合わせて得られる感覚です。例えば、透過型ディスプレイをメガネとして装着して、現実に見ている視界に対して、コンピュータの生成した情報を付加します。

提示される環境の主体が現実環境であることから、現実環境における作業支援がその応用分野として期待されています。

例えば、道案内情報の提供、航空機やコピー機のメンテナンスを行う技術者に対する技術情報提供、医療分野における手術支援に向けた情報提示などの応用研究が行われています。

VOD(Video On Demand)

ユーザが見たいと思った時に見られる、プル型のコンテンツ配信サービスです。時と場所を選ばずに利用することができます。

PCやスマートフォン、タブレットによる受信が可能ですが、セットトップボックスという機器を用いて、テレビ受像機で視聴するができるサービスもあります。

*プッシュとプル
データ配信サービスには、プッシュ型とプル型があります。
プッシュ型では、既存の放送のように、情報を提供する側に主導権があり、放送時間などが決まっています。
一方、プル型では、VODのように情報をリクエストする側に主導権があります。見たいものを見たい時間に自らリクエストすることができます。

 

データベース方式

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・データベースの種類,特徴,データベースのモデル,3 層スキーマの考え方を修得し,応用する。
・データベース管理システムの目的,機能を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・データベース及びデータベース管理システム(DBMS:Database Management System)の意義,目的,考え方を理解する。

(1)データベース ITパスポート 基本情報 応用情報

1.データベースの種類と特徴

代表的なデータベースの種類,データの表現構造,レコード間の関連付けの方法など種類ごとの特徴,与えられた要件に応じて最適なデータベースを選択し,設計に活用することを理解する。

用語例:関係データベース,構造型データベース,HDB(Hierarchical Database:階層型データベース), NDB ( Network Database : 網型データベース), CODASYL( Conference on Data Systems Languages ) 型データベース, OODB ( Object Oriented Database:オブジェクト指向データベース),オブジェクト関係データベース,ハイパテキストデータベース,マルチメディアデータベース,XML データベース

2.データベースのモデル

データベースでは,システムの利用者やプログラムから見たデータの定義,論理的なデータ構造,物理的なデータ構造の3 層を区別することでデータの独立性を高めていること,データモデルの種類,特徴,利点,各スキーマの表現方法,表現できる内容,特徴を理解する。

用語例:概念データモデル,論理データモデル(外部モデル),関係モデル,階層モデル,ネットワークモデル,物理データモデル(内部モデル),概念スキーマ,外部スキーマ(副スキーマ),内部スキーマ(記憶スキーマ)

3.関係データモデル

関係データモデルにおいて,データがどのように表されるのか,表の構成,考え方,複数の表の関係付けを理解する。また,与えられた要件に応じて,規定の表記法を使用してデータモデルを表現することを理解する。

用語例:関係(リレーション),タプル(行,組),属性(列,フィールド),実現値,定義域(ドメイン),E-R 図

(2)データベース管理システム ITパスポート 基本情報 応用情報

1.データベース管理システムの目的

DBMS の目的,代表的な機能とともに,DBMS にも階層型,網型,関係型があること,DBMS のマネジメント機能をデータベース開発や保守に利用することを理解する。

用語例:データベース定義機能,データベース操作機能,データベース制御機能,保全機能,データ機密保護機能

2.排他制御

複数の応用プログラムが一つのデータベースに同時にアクセスするときに必要な制御方法を理解する。

3.障害回復

データベースに障害が発生した場合の障害回復機能と回復手順を理解する。

4.データセキュリティ

データを共有する際に重要となるセキュリティ確保のための方法を理解する。

用語例:トランザクション,ロック,デッドロック,ACID 特性,データ辞書

データベース

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • 代表的なデータベースの種類,データの表現構造,レコード間の関連付けの方法など種類ごとの特徴,与えられた要件に応じて最適なデータベースを選択し,設計に活用することを理解する。
  • データベースでは,システムの利用者やプログラムから見たデータの定義,論理的なデータ構造,物理的なデータ構造の3 層を区別することでデータの独立性を高めていること,データモデルの種類,特徴,利点,各スキーマの表現方法,表現できる内容,特徴を理解する。
  • 関係データモデルにおいて,データがどのように表されるのか,表の構成,考え方,複数の表の関係付けを理解する。また,与えられた要件に応じて,規定の表記法を使用してデータモデルを表現することを理解する。

用語例:関係データベース,構造型データベース,HDB(Hierarchical Database:階層型データベース), NDB ( Network Database : 網型データベース), CODASYL( Conference on Data Systems Languages ) 型データベース, OODB ( Object Oriented Database:オブジェクト指向データベース),オブジェクト関係データベース,ハイパテキストデータベース,マルチメディアデータベース,XML データベース、概念データモデル,論理データモデル(外部モデル),関係モデル,階層モデル,ネットワークモデル,物理データモデル(内部モデル),概念スキーマ,外部スキーマ(副スキーマ),内部スキーマ(記憶スキーマ)、関係(リレーション),タプル(行,組),属性(列,フィールド),実現値,定義域(ドメイン),E-R 図

 データベースの種類と特徴

データベース

データベースとは、大量のデータをコンピュータで処理できるようにまとめて蓄積したものです。データは処理しやすい形に整理され、格納されています。

データベースには、次のような機能があります。

  • アプリケーションから独立している・・・色々なプログラムから参照できる。
  • データが統合されて一元的に管理される・・・データにムダ(冗長性)がない。
  • 排他制御の機能がある・・・複数の利用者が共有利用しても矛盾が起きない。
  • 障害時の復旧機能がある・・・データの信頼性が高い。

階層型データベース

階層型データベース(Hierarchical Database:HDB)は、外部スキーマとしては階層的な分類体系とみなすデータベースです。「構造型データベース」の一種とされています。

概念スキーマとしては、データ群を木構造で表します。順編成ファイルでは扱いにくかった分類体系を扱うことが容易です。アルゴリズムが基本的には簡潔で、かつ豊富に蓄積されているのが特徴です。

しかし、複数の分類の間の共通部分をまとめにくいという性質があります。また、一つのデータを探す手順は1通りしか存在しません。

ネットワーク型データベース

ネットワーク型データベース(Network Database:NDB)は、外部スキーマとして、階層的な分類体系において、異なる分類の間の共通の下位の分類や項目を持てるようにしたデータベースです。「構造型データベース」の一種とされています。

概念スキーマとしては、典型的には格子状のネットワーク構造になります。複数の分類の間の共通部分をまとめることが出来るのが特徴です。

しかし、自由度は高いが設計が複雑で利用効率が低くなりやすい面があります。

関係データベース

関係データベース(Relational Database:RDB)は、外部スキーマとしては、任意の関係を持つデータ群のデータベースです。

概念スキーマとしては行×列で構成される表(テーブル)が、外部キーによって相互連結されるという形で管理されます。処理は関係演算を基盤にすることによって、簡潔に指定されます。階層やネットワークなどの構造に制約されずに、様々な観点で扱うことが出来るため、利用者の視点で設計でき、構造が理解しやすいのが特徴です。

内部スキーマの処理は効率的とはいえませんが、コンピュータの性能が向上したので、関係データベースが主流になっています。

テーブルには、データがレコード単位に格納されます。各レコードは、いくつかのフィールドから構成されています。下図の例では、商品名や仕入先を関係演算用のキーにして、別の観点の表をユーザへ見せることができます。

オブジェクト指向データベース

オブジェクト指向データベース(Object Orientated Database:OODB)は、「データとそれらの処理方法を一つのオブジェクト」として捉えるデータベースです。

オブジェクト指向データベースは、テキストだけではなく、処理が複雑な画像、音声、動画などのマルチメディアの管理に向いています。

最近では、オブジェクト関係データベースというものも出てきています。

データベースのモデル

データモデルとは

データモデルとは、データベースの設計の各段階における設計の結果のことで、データの構造を表現したものです。

  • 概念データモデル:データベースの概要を設計したもの
  • 論理データモデル:概念データモデルを詳細化したもの
  • 物理データモデル:データモデルの実際の構造を設計したもの

スキーマ

スキーマとは、データベースの定義情報であり、データの枠組みに当たります。

データの項目、設計上の構造、見かけ上の構造、実際の物理的な構造などの情報群を指します。

3層スキーマ

3層スキーマは、データベースの様々なデータモデルを、3つの階層に分類したもので、以下のように分類されます。

外部スキーマ(副スキーマ)
利用者にとってのデータ群の構造。ユーザの見方で設計する。
概念スキーマの一部+利用者側の定義情報。
概念スキーマ(スキーマ)
設計上のデータ群の構造。データベース設計者の見方で設計したもの。
内部スキーマ(記憶スキーマ)
OSやハードウェア、DBMSなど、コンピュータ側から見たデータ群の構造。 実際にデータを格納するための、物理的な構造情報の定義。

3層スキーマの利点

3層スキーマを採用することで、以下のような利点があります。

  • データベースの定義の変更を局所化出来る。
  • 異なるDBMSや異なるOS上の同一DBMSへの移行が容易になる。
  • 階層的に捉えることで、ユーザに取っての外部スキーマを変えずに、異なるコンピュータに移行する際の手間を最小限にすることが出来る。

 

データベース管理システム

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • DBMS の目的,代表的な機能とともに,DBMS にも階層型,網型,関係型があること,DBMS のマネジメント機能をデータベース開発や保守に利用することを理解する。
  • 複数の応用プログラムが一つのデータベースに同時にアクセスするときに必要な制御方法を理解する。
  • データベースに障害が発生した場合の障害回復機能と回復手順を理解する。
  • データを共有する際に重要となるセキュリティ確保のための方法を理解する。

用語例:データベース定義機能,データベース操作機能,データベース制御機能,保全機能,データ機密保護機能、トランザクション,ロック,デッドロック,ACID 特性,データ辞書

データベース管理システム(DBMS)

データベースの操作や保管を行うためのソフトウェアを、データベース管理システム(DBMS:Database Management System)といいます。

DBMSには、データベースの定義機能や、データの検索、更新、削除などの操作、運用管理を行う機能があり、データベースを参照するアプリケーションソフトとデータベースの間を取り持ちます。

アプリケーションソフトは、必要なデータをDBMSを介して受け取ることが出来るので、アプリケーションソフト側でデータベースの構造に合わせた処理をする必要はありません。

また、DBMSは同時に複数のアクセスを受けた時の優先度を管理し、データの矛盾が起きないようにするので、複数の利用者がデータベースを共有利用することができます。

データベース定義機能

データベース定義機能は、データ群の構造であるスキーマを定義するためのDBMSの機能です。

ユーザはデータ定義言語(DDL:Data Definition Language)でスキーマを定義します。データベースの利用の準備作業に相当します。

データベース定義機能は、DDLの文を解釈して、データベース内部のスキーマを構築します。

データベース操作機能

データベース操作機能は、データベースの検索や更新をするためのDBMSの機能です。

ユーザはデータ操作言語(DML:Data Manipulation Language)の文で、個々の検索や更新を指定します。これは日常的な業務の作業に相当します。

データ操作機能はDMLの文を解釈して、データベースを検索して検索結果を表示したり、データベースを更新したりします。

データベース制御機能

データベース制御機能は、データのアクセス制御をするためのDBMSの機能です。データベース制御機能には、データ保全やデータ機密保護などが含まれます。

ユーザはデータ制御言語(DCL:Data Control Language)の文で、データのアクセス制御を指定します。

データ制御機能はDCLの文を解釈して、アクセス制御の方法を指定して、運用中に制御を続けます。

保全機能

DBMSの保全機能は、同時更新や障害に対してデータベースを保全するための排他制御や障害管理などの機能です。

データの正しさ(整合性)を保証するための機能で、版数管理や排他制御などがあります。

同時更新によるデータの矛盾

データベースを複数のユーザが共有利用する場合、同一ファイルの同一レコードに対する更新処理を、複数のユーザに同時に許可してしまうと、データベースの更新結果に矛盾が起きてしまう場合があります。

例えば、値が「200」であるデータをユーザAとユーザBが同時に読み取ったとします。
それぞれが、「読み取った値に対して100加算」という演算処理を行い、結果「300」を書き戻すと、遅いほうが速い方の結果を上書きしてしまい、本来「400」となるべきところが「300」となってしまいます。

排他制御

先述のような問題を防止するための機能が排他制御です。排他制御を行いたい場合、データを更新する前にそのデータをロックして、他のユーザがデータを読み書き出来なくします。そして、データを更新する際には、他のユーザがデータをロックしていないか確認して、ロックされている場合は、その処理が終わるまで待ってから処理を始めます。

デッドロック

排他制御を行っている場合、データを読み書きする順番によって、お互いがお互いのロック解除待ちになって、どちらも処理が継続できない現象が起こります。

これを回避するには、データを読み書きする順番を揃えるなどの工夫が必要となります。

 

データ機密保護

DBMSのデータ機密保護機能は、ユーザの認証・確認やアクセスの許可を行います。

障害回復

システムやプログラムの障害に対して、データベースを復旧するための機能です。出来る限り自動で復旧します。

データベース設計

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報】
・データの分析の考え方を修得し,応用する。
・データベースの設計の考え方,手順,手法を修得し,応用する。
・データの正規化の目的,手順を修得し,応用する。
・データベース作成の手順,評価方法を修得し,応用する。
・オブジェクト指向データベースの考え方を修得し,応用する。

【基本情報】
・データの分析,データベースの設計の考え方を理解し,担当する事項に適用する。
・データの正規化の目的,手順を理解し,担当する事項に適用する。
・データベースの物理設計における留意事項を理解し,担当する事項に適用する。

【ITパスポート】
・データの分析・設計の考え方を理解する。

(1)データ分析 ITパスポート 基本情報 応用情報

対象業務にとって必要なデータは何か,各データがどのような意味と関連をもっているかなどの分析と整理,異音同義語,同音異義語の発生を抑えるデータ項目の標準化など,データ分析を行う際の考え方を理解する。また,データモデルの作成手法であるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチを理解する。

用語例:データ重複の排除,メタデータ,データディクショナリ

(2)データベースの設計 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.データベース開発工程

開発計画立案,外部設計,内部設計,プログラム作成,テスト,移行に至るまでのデータベース開発の工程と手順,手法を理解する。

用語例:システム分析,要求定義,企業データモデル,データモデル,概念データモデル,論理データモデル,物理データモデル,副次索引,分割法,DOA(Data Oriented Approach:データ中心アプローチ)

2.データベースの概念設計

概念設計では,要求定義で定義されたデータ項目と,システム機能設計の際に発生したデータ項目をまとめ,データ項目全体を設計することを理解する。また,DBMS に依存しないデータの関連を表現する手法として,E-R 図を使用した構成要素,属性,関連の表し方,特徴,カーディナリティ(1 対1,1 対多,多対多)などを理解する。

用語例:バックマン線図,エンティティ,アトリビュート,リレーションシップ

3.データベースの論理設計

データの重複や矛盾が発生しないテーブル(表)設計の考え方,主キー,外部キーなどの概念,参照制約,一貫性制約などの制約を理解する。また,ユーザビューの機能と定義を理解する。

用語例:配置モード,親子集合順序,親子集合,索引,フィールド(項目),レコード,ファイル,NULL,一意性制約

(3)データの正規化 ITパスポート 基本情報 応用情報

正規化の目的と手順,第1 正規化,第2 正規化,第3 正規化などを理解する。また,正規化の考え方に従った,具体的な設計案に対して更新容易性や性能面などから評価し,最適な設計を行うことを理解する。

用語例:完全関数従属,部分関数従属,推移関数従属

(4)データベースのパフォーマンス設計 応用情報

処理の高速化のためにあえて正規化を行わず,表の結合にかかる時間を短縮するなど,パフォーマンスを考慮したデータベース設計の考え方を理解する。

用語例:非正規化

(5)データベースの物理設計 基本情報 応用情報

データベースの物理設計では,アクセス効率,記憶効率の側面からデータベースの最適化を図ることを理解する。また,磁気ディスク上に記憶される形式や論理データ構造の物理データ構造へのマッピングなど,データベースの物理的構造を設計する際の留意事項を理解する。

用語例:ディスク容量見積り,論理データ構造のマッピング,ファイル編成,最適ブロック設計,物理入出力,性能評価,コンプレッション,デコンプレッション,性能改善ポイント

(6)データベースの作成手順 応用情報

データベース環境の準備,入力データの準備,データベースの定義,データの登録,データベースの検証などの一連のデータベースの作成手順を理解する。

用語例:データベース定義情報,レコード形式,親子関係,キー順,存在制約,インバーテッドファイル

(7)データベースの評価・運用 応用情報

データベースの性能評価方法を理解し,評価結果によってはチューニングや再編成などの対応策が必要であることを理解する。

用語例:データベースの運用・保守

(8)オブジェクト指向データベース 応用情報

オブジェクト指向データベースが開発された背景を理解し,複雑なデータ構造をもつデータの保存などに利用されていることを理解する。

用語例:オブジェクト指向データモデル,複合オブジェクト,XML データベース,オブジェクト識別性,O/R マッピング

 

 

データ分析

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

対象業務にとって必要なデータは何か,各データがどのような意味と関連をもっているかなどの分析と整理,異音同義語,同音異義語の発生を抑えるデータ項目の標準化など,データ分析を行う際の考え方を理解する。また,データモデルの作成手法であるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチを理解する。

用語例:データ重複の排除,メタデータ,データディクショナリ

データ分析

データ分析とは、対象業務にとって必要なデータは何か、各データがどのような意味と関連を持っているかなどの分析と整理、異音同義語、同音異義語などの発生を抑えるデータ項目の標準化など、データの名称や意味を標準化することをいいます。

データ分析は以下のような手順で行われます。

  1. 対象業務で用いている伝票を収集し、伝票の利用目的、伝票名、伝票に記入している項目などを洗い出す。
  2. 各データがどのような意味と関連を持っているかを調べる。
  3. 異音同義語、同音異義語の発生を抑えるようにデータ項目を標準化する。
  4. データの重複を排除する。
  5. メタデータ(データに関するデータ)をまとめ、データ・ディクショナリ(メタデータの辞書)に格納する。

データの標準化

データの標準化とは、データの名称や意味を標準化することです。多くのデータを扱う場合の基本として大切です。

例えば、名称が同じで意味が異なる同音異義語や名称が異なって意味が同じ異音同義語の発生を抑えます。

異音同義語の例:部門、部署
同音異義語の例:保証、保障

データの標準化をしないと、例えば同じ種類の伝票データが「部門」と「部署」という表に分かれてしまい、合計値を求めることができません。また、同音異義語があると、口頭での指示で誤解が生じたり、PC上での漢字変換ミスによるトラブルを誘発したりします。

データ重複の排除

データ重複の排除とは、一つであるべきデータが複数存在したり、内容が似た表が複数存在したりすることを排除することです。それによって、ミスの防止、処理効率の向上、記憶スペースの削減などをはかります。

例えば、顧客名簿のデータが重複すると、顧客数のカウントミスや、宣伝メールを複数送信するミスが起きます。

メタデータ

メタデータとは、データのためのデータという意味です。特にデータベースにおいては、データの属性や定義情報を表すデータのことをさして、メタデータと呼んでいます。

例えば、顧客の方には「顧客名簿」という名称が付与されます。表の中には、会社、部門、肩書、姓名、住所などの列があります。これらの名称は顧客の名刺には記載されていないメタデータです。

*表のメタデータ:別名、主キーの列名など
*列のメタデータ:データ型、長さ、制約条件など

データディクショナリ

データディクショナリ(データ辞書)は、データの名称や意味などのメタデータを登録した表のことです。データベース全体に存在する名称をデータディクショナリとして集中管理し、名称や意味を標準化すると、データベース全体の整合性や簡潔性を保つのに役立ちます。データディクショナリは、データベース管理システムの機能によって、作成・更新します。

 

データベースの設計

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • 開発計画立案,外部設計,内部設計,プログラム作成,テスト,移行に至るまでのデータベース開発の工程と手順,手法を理解する。
  • 概念設計では,要求定義で定義されたデータ項目と,システム機能設計の際に発生したデータ項目をまとめ,データ項目全体を設計することを理解する。また,DBMS に依存しないデータの関連を表現する手法として,E-R 図を使用した構成要素,属性,関連の表し方,特徴,カーディナリティ(1 対1,1 対多,多対多)などを理解する。
  • データの重複や矛盾が発生しないテーブル(表)設計の考え方,主キー,外部キーなどの概念,参照制約,一貫性制約などの制約を理解する。また,ユーザビューの機能と定義を理解する。

用語例:システム分析,要求定義,企業データモデル,データモデル,概念データモデル,論理データモデル,物理データモデル,副次索引,分割法,DOA(Data Oriented Approach:データ中心アプローチ)、バックマン線図,エンティティ,アトリビュート,リレーションシップ、配置モード,親子集合順序,親子集合,索引,フィールド(項目),レコード,ファイル,NULL,一意性制約

データベースの概念設計

データベースの概念設計(外部スキーマの設計)では、DBMSに依存しないデータの関連を表現するのが望ましい形です。そのような方法の一つにE-R図があります。

E-R図(Entity Relationship図)

E-R図(E-Rモデル)は構造化分析の技法の一つで、データの関連を図で表現することができます。データベース設計の時に、ユーザの味方(ビュー)を定義するのに用いられます。

実体(エンティティ)

E-R図は対象データを実体(エンティティ)として四角形で表し、実体と実体の結びつきを関係(関連、リレーションシップ)として矢印(又はひし形付きの線)で表します。

*E-R図に描く実体は「社員」や「製品」といった実在するものでも、「注文」などの概念的なものでも構いません。

アトリビュート

属性(アトリビュート)とは、実体に付随する性質、例えば「社員」に付随する「社員番号」や「氏名」のことです。

実体(エンティティ)がデータベースの表に相当し、アトリビュートは表の項目(列)になります。

関係(リレーションシップ)

関係とは、実体と実体の結びつきのことです。それに名前をつけても付けなくても構いません。関係に対して、カーディナリティを付与して、関係性を示します。

カーディナリティ

カーディナリティとは、集合論の基数あるいは濃度という意味の用語です。データベースの場合には、関係(リレーションシップ)における、「1対1」、「1対多」、「多対多」という関係を指します。

関係性を線で表す場合は、「多」を矢じりで示します。データベースを設計する作業の中には、カーディナリティを定める作業があります。

  • 1:1 ・・・ 一つの実体に対して、一つの実体しか結びつかない。
  • 1:n ・・・ 一つの実体に対して、複数の実体が結びつく。
  • m:n ・・・ 複数の実体に対して、複数の実体が結びつく。

データベースの論理設計

データベースの論理設計では、データの重複や矛盾が発生しないテーブル(表)設計の考え方が必要となります。

主キー、外部キーの設定や、参照制約、一意性制約などの制約を用いてそれらの問題を回避します。

主キー

スキーマを定義する時、表の主キーとなる列を決めます。

主キーとは、各行を識別するために使うキー項目です。表を構成する列のうち、同じ内容が重複して入ることがなく、その内容によって必ず特定の1行を選び出せるような列をその表の主キーに指定します。

主キーの列の値をNULL(空値)とすることは認められません。

また、ある一つの列の内容だけでは行を特定できない場合、複数の列を組み合わせて主キーとすることがあります。これを複合キーといいます。

外部キー

関連する表同士を結びつけるための外部キーを指定します。

外部キーとは、一方の表から他表を参照するためのキー項目です。主キーと違い、一つの表に複数外部キーを設定でき、キーの内容に重複やNULLがあっても構いません。ただし、参照される側は主キーであることが望ましいとされています。

参照する側の表に、参照される表の主キーと同じ内容が登録される列を、外部キーとして持たせておきます。そうすると、外部キーを手がかりに相手の表の主キーと内容が一致する行を探し出し、一つの行として結びつけることができます。

制約

制約とは、データベースに作りこまれたルールのことです。データの正しさ、整合性を保つために設定されます。

表定義の際のDDLで定義できる他、DBMSによっては、運用中に後から制約を追加したり、on/offの切り替えができたりするものもあります。

外部キー制約(参照制約)

互いに参照関係のある表同士は、データの整合性を保つ必要があります。そのため、DBMSは以下を制約によって禁止することができます。

  • 他表から参照されている表の削除
  • 他表から参照されている行の削除
  • 他表から参照されている値の変更
  • 参照先の列にない値を持つ行の挿入
一意性制約

一意性制約とは、表のすべての行において、同じ値が同じ列にあってはならない、という制約のことです。データベースの設計において、必要に応じて一意性制約を指定します。(主キーに関しては、自動的に一意性制約がつくDBMSもあります。)

例えば、商品コードで商品を特定したい場合、商品コードを主キーにし、商品名に一意性制約をつけます。これによって、異なる商品コードであるのに同じ商品名の商品が存在する、といった事態を避けることができます。

 

データの正規化

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

正規化の目的と手順,第1 正規化,第2 正規化,第3 正規化などを理解する。また,正規化の考え方に従った,具体的な設計案に対して更新容易性や性能面などから評価し,最適な設計を行うことを理解する。

用語例:完全関数従属,部分関数従属,推移関数従属

正規化

正規化とは、『一事実一箇所を目指して、テーブルの整合性を保ったまま、テーブルの冗長性を排除してデータを管理できるようにすること』です。具体的には、データベースを設計する際に、各項目の意味や関連性を保ちながら、表ができるだけ簡潔な形になるように分割していく作業を指します。

正規化を行うことで、検索の効率が良くなり、データベースの保守作業がしやすくなるなどの長所があります。

一方で、表の数が増え、管理の手間がかかる点、一連のまとまった情報を得るために複数の表をたどる必要があり、負荷がかかるといった短所もあります。

例えば、学生の科目履修に関する「学生コード、学生名、科目コード、科目名、履修年度、成績」という情報を、一つの表に記録したとします。

このままでは、同じ内容が繰り返し格納されてしまうので、格納効率の悪い、使いにくいデータベースになってしまいます。

このデータベースを整理して、より効率的で使いやすいものにするためには、正規化を行い、共通の主キーに従属する列ごとに幾つかの表に分割します。

一つの表を複数に分けるときは、列同士の関連性を失わせないために、参照される表の主キーをもう一方の表に外部キーとして持たせておきます。

正規化の手順

正規化を徹底する手順は、以下のような3つのステップへ区分されます。

第一正規化
繰り返される部分を別の表として分割する。
第二正規化
キーの一部に従属する部分を別の表として分割する。部分関数従属という状態をなくす処理。
第三正規化
キーに間接的に従属する部分を別の表として分割する。推移関数従属という状態をなくす処理。
関数従属

「属性集合Aが属性集合Bに関数従属する」とは、「属性集合Bの値を決めると属性集合Aの値が一意に決まる」という意味です。これを「B→A」と表します。関数従属は、表を分割する正規化の手順を進める判断材料です。

完全関数従属

完全関数従属とは、表を分解する必要のない状態であり、キーでない属性がキーに関数従属して、部分関数従属はないということです。

部分関数従属

部分関数従属とは、キーでない属性が一部のキーにも関数従属することです。この状態であれば、第二正規化をする余地があります。

先述の「科目履修」の例であれば、「科目履修」の主キーは「学生コード」と「科目コード」ですが、「学生名」は「学生コード」に従属し、「科目名」は「科目コード」に従属しています。それぞれ、主キーの一部に関数従属しているので、部分関数従属となっています。

推移関数従属

推移関数従属とは、「AがBに従属して、BがCに従属するので、AはCに間接的に従属する」「C→B→A」という状態です。「B→A」の部分を分解するように第三正規化をする余地があります。

正規化の手順(具体例)

具体的な例として、オンラインショップの商品購入履歴を表にしたものを正規化していきます。

1.非正規形

まずは、伝票のたぐいをそのまま表にした状態のものを作ります。この時点では、繰返し項目や導出項目(*)を表の中に含みます。

*導出項目
合計値や評価など、他の項目から計算や関数によって導き出せる項目のことで、基本的にデータベースに格納する必要はない項目。

2.第一正規化

第一正規化では、『繰返し項目の分離』、『導出項目の削除』という作業を行います。

繰返し項目は、『商品ID~金額』のフィールドであり、これらのフィールドを『注文明細』テーブルとして分割します。

さらに、『金額』、『合計金額』、『消費税』については、『単価』、『数量』をもとに算出できるので、削除します。

第一正規化を行った後の表は、以下のようになります。

3.第二正規化

第二正規化では、「部分関数従属」を別表に移す作業を行います。

『注文明細』テーブルのうち、『商品名』、『分類』、『単価』は、『商品ID』によって一意に決まるので、分割できます。

第二正規化を行った後の表は、下のようになります。

4.第三正規化

 第三正規化では、『推移関数従属』を別表に移す作業を行います。

『注文』テーブルのうち、『名前』、『住所』、『電話番号』、は、『顧客ID』によって一意に決まるので、分割できます。『顧客ID』は、『注文』テーブルの主キーではないため、このようなパターンを『推移関数従属』といいます。

第三正規化を行った後の表は、下のようになる。

 

データベースの物理設計

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データベースの物理設計では,アクセス効率,記憶効率の側面からデータベースの最適化を図ることを理解する。また,磁気ディスク上に記憶される形式や論理データ構造の物理データ構造へのマッピングなど,データベースの物理的構造を設計する際の留意事項を理解する。

用語例:ディスク容量見積り,論理データ構造のマッピング,ファイル編成,最適ブロック設計,物理入出力,性能評価,コンプレッション,デコンプレッション,性能改善ポイント

データベースの物理的構造

データベースの物理的構造はディスク上に記憶される形式のことです。論理データ構造を、物理データ構造にマッピング(対応付けて当てはめる)します。

データベースの物理設計においては、データベースの構成要素(特に表・索引・一時作業域など)の容量を積算して、余裕を加味した上で、磁気ディスクなどの使用料を見積もる必要があります。

その上で、運用と保守の効率を考えて物理的構造を設計し、性能を評価して、構造を改善します。

データ操作

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・関係データベースのデータの操作を修得し,応用する。
・データベース言語の種類,SQL 文を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・データの抽出などの操作を理解する。

(1)データベースの操作 ITパスポート 基本情報 応用情報

関係データベースのデータの操作として,集合演算(和,差,積,直積),関係演算(選択,射影,結合,商)などを理解する。

用語例:関係代数

(2)データベース言語 基本情報 応用情報

1.データベース言語の種類

データベース言語は,DDL(Data Definition Language:データ定義言語)とDML(Data Manipulation Language:データ操作言語)などに大別されること,また,これらにはSQLを単独で使用する独立言語方式と,他のプログラム言語から使用する親言語方式があることを理解する。

用語例:会話型SQL,埋込型SQL,モジュール言語,コマンド方式,フォーム,クエリ

2.データベース言語(SQL)

a.データ定義言語

スキーマ,テーブル,ビュー,処理権限を定義するSQL 文を理解する。また,データ型,列制約,表制約の定義方法,ビューの更新(更新可能なビューと更新不可能なビュー)を理解する。

用語例:実表,ビュー表,文字型,数値型,日付型,一意性制約,参照制約,検査制約,非NULL 制約,アクセス権

b.データ操作言語(SELECT 文)

要求されるデータを選択するために,SELECT 文による問合せの方法,条件を指定した特定行や列の選択,表の結合,BETWEEN やIN などの述語指定,集合関数,グループ化,並べ替えなどを理解する。

用語例:集約関数,パターン文字,相関名,副問合せ,相関副問合せ

c.その他のデータ操作言語

INSERT 文,UPDATE 文,DELETE 文などのSQL 文を理解する。

d.埋込型SQL

カーソル操作,非カーソル操作,親言語との接続など,埋込型SQL によるデータ操作の仕組み,利点,利用法を理解する。また,カーソル操作において,カーソルの宣言,操作の開始,終了,読み込みを行うなどのSQL 文を理解する。

用語例:カーソル

データベースの操作(1)

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

関係データベースのデータの操作として,集合演算(和,差,積,直積),関係演算(選択,射影,結合,商)などを理解する。

用語例:関係代数

データベースの操作

関係データベースにおけるデータ操作には、検索系のデータ操作と更新系のデータ操作があります。

データベースの関係演算

関係データベースにおける主な操作には、選択、射影、結合があり、これらを関係演算といいます。

選択

選択とは、評価ら行を抽出する操作です。すべての行のうち、ある条件に当てはまるものだけを選び出します。多くのレコードから必要なレコードだけに絞り込むための操作です。

選択の条件

選択は、「商品名=ジュース」のように、一つだけの条件で選ぶ以外に、複数の条件をANDまたはORで組み合わせて使うことができます。

例えば、単価が150で、かつ仕入先がB飲料である行を選択する場合、「単価=150  AND  仕入先=B飲料」という、二つの条件をANDで結ぶ論理積の関係になります。

また、仕入先がA食品の行とB飲料である行の両方を選択する場合、「仕入先=A食品  OR  仕入先=B飲料」という、二つの条件をORで結ぶ、論理和の関係になります。

仕入先がA食品以外の行を選択する場合は、「仕入先≠A食品」という否定の関係となります。

ワイルドカード

選択の条件文に、「%」や「_」といったワイルドカードを文字の代わりに用いて、列の内容の一部を使った選択ができます。

  • %: 任意の文字列を表します。文字数は0文字以上で何文字でも構いません。
  • _: 任意の1文字を表します。

上の表の場合、ワイルドカードを用いて以下のように選択できます。

  • 「商品名=%パン」:「クリームパン」「あんパン」「チョコパン」を選択。
  • 「商品名=_ _パン」:「あんパン」を選択。

射影

射影とは、表から列を抽出する操作です。幾つかの列からなる表のうち、必要な列のみを表示し、他を非表示にできます。

結合

結合とは、複数の表を一つに結合して表示する操作です。

別々の表にある共通の項目を結合キーとして表同士を結びつけ、それぞれの表に含まれる列からなる一つの表として表示することができます。

表の結合の際、”のりしろ”となる項目を結合キーといいます。結合キーには同じデータ型、同じ桁数の列同士を使います。
上の例の場合、それぞれの「商品番号」が結合キーとなっています。

二つの表で一方の表と同じ項目を含むレコードを、もうひとつの表から取り出し、その後結果からその項目を削除する。

ビュー表

選択や射影、結合などの結果表示される表のことをビュー表といいます。これに対し、実際に保存されている表のことを実表といいます。

選択も射影も結合も、データベースのスキーマとして作られている表(実表)から、DBMSが必要な部分を読み込んで表示した結果です。実表そのものを変えてしまう操作ではありません。

例えば、結合の操作をすると今までなかった列の組み合わせを持つ表を表示できますが、これによってスキーマに新しい表が追加されるというわけではありません。

きちんと正規化されたスキーマは、選択や射影といった操作でデータを抽出したり組合せたりし易いだけではなく、演算した結果を表示することも可能で、いろいろな用途に利用できます。(正規化のプロセスで導出項目を削除するのは、関係演算の実行時に演算できるため)

データベースの操作(2)

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

関係データベースのデータの操作として,集合演算(和,差,積,直積),関係演算(選択,射影,結合,商)などを理解する。

用語例:関係代数

 

データベースの集合演算

集合演算は、集合同士の演算であり、関係演算よりも基本的な演算として使われます。

和集合演算

和集合演算は、表Aと表Bのすべての行を合わせた表を作る演算です。同じ行は一つで済ませます。

差集合演算

差集合演算は、表Aのうち、表Bと同じ行を取り除いた表を作る演算です。

 

積集合演算

積集合演算は、表Aと表Bの両方にある行だけの表を作る演算です。同じ行は一つで済ませます。

直積集合演算

直積集合演算は、表Aの行と表Bの行のすべてを組み合わせた行で構成される表を作る演算です。列の数や属性はAとBの間で異なっていても構いません。

更新系のデータ操作

更新系のデータ操作には、挿入、更新、削除があります。

  • 挿入: 表に新しいレコードを挿入する。
  • 更新: 表の指定した項目を更新する。
  • 削除: 表から指定したレコードを削除する。

 

 

 

データベース言語

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データベース言語は,DDL(Data Definition Language:データ定義言語)とDML(Data Manipulation Language:データ操作言語)などに大別されること,また,これらにはSQLを単独で使用する独立言語方式と,他のプログラム言語から使用する親言語方式があることを理解する。

用語例:会話型SQL,埋込型SQL,モジュール言語,コマンド方式,フォーム,クエリ

データベース言語

データベース管理システムへのユーザからの指示は、データベース言語で表現します。データベース定義言語には以下の様なものがあります。

  • データ定義言語(DDL)
  • データ操作言語(DML)
  • データ制御言語(DCL)

データ定義言語

データ定義言語(Data Definition Language:DDL)は、データベースを使う準備として、データ群の構造であるスキーマを定義するための言語です。

機能
CREATE DATABASE
又は CREATE SCHEMA
データベース名を定義する
CREATE TABLE表を定義する
CREATE VIEWビュー表を定義する
GRANTアクセス権を定義する

データ操作言語

データ操作言語(Data Manipulation Language:DML)は、日常的にデータベースの検索や更新をするための言語です。DMLには以下の4種類があります。

独立言語方式
プログラムを作成する際に利用するプログラム言語とは別に用意された言語です。会話形でコマンドを入力して結果が出てくる形で利用します。特にこのように利用される言語を会話形SQL(Structure Query Language)と呼んでいます。クエリーとは問合せという意味で、データベースに問合せていろいろな操作(更新、検索、削除、追加等)をするという意味になります。
親言語方式
高水準言語(COBOL、FORTRAN、Cなど)にDMLを組み込んで利用する方式です。高水準言語を親言語と呼びます。親言語方式には組み込み方の違いにより2種類あります。
モジュール方式
プログラム内からDML部分をサブルーチンとして呼びだす方式です。
埋め込み方式
プログラム内にDMLを直接書き込んでしまう(埋め込む)方式です。

データ制御言語

データ制御言語(Data Control Language:DCL)は、コミットやロールバックといった、トランザクションの制御などを行います。

 

トランザクション処理

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・データベースの排他制御,障害回復の考え方,仕組みを修得し,応用する。
・トランザクション管理,アクセス効率向上のための考え方を修得し,応用する。
・データに対するアクセス制御の必要性,代表的なアクセス権限を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・データベースの処理方法を理解する。

(1)排他制御 ITパスポート 基本情報 応用情報

データの整合性を保つために,複数のトランザクションが同時にデータベースのデータを更新することが起こらないようにする排他制御の考え方を理解する。また,ロック方式,セマフォ方式,コミット制御の仕組みを理解する。

用語例:専有ロック,共有ロック,ロック粒度,デッドロック,1 相コミットメント,2相コミットメント

(2)障害回復 ITパスポート 基本情報 応用情報

障害に備えたバックアップの方式,世代管理の考え方,障害発生直前の状態まで回復を図るリカバリ処理の仕組み,データベースの利用環境の準備,アクセス効率の向上のための再編成などの考え方,仕組みを理解する。

用語例:フルバックアップ,差分バックアップ,増分バックアップ,ダンプファイル,リストア,データディレクトリ,ジャーナルファイル(ログファイル),チェックポイント,ロールフォワード,ロールバック,ウォームスタート,コールドスタート

(3)トランザクション管理 基本情報 応用情報

データベースは複数の利用者が同時にアクセスするので,トランザクション処理にはACID特性が求められること,四つの特性の意味を理解する。

(4)データベースの性能向上 基本情報 応用情報

データベースへのアクセス効率向上のために,インデックスを有効に活用する考え方を理解する。

用語例:インデックス数,負荷,ユニークインデックス,クラスタ化インデックス

(5)データ制御 基本情報 応用情報

利用者ごとに,データに対するアクセス制御を行う必要性があること,アクセス権限としてはデータベースに接続する権限,データを検索する権限,データを新規登録する権限,データを更新する権限などがあることを理解する。

用語例:参照権限,挿入権限,削除権限

 

排他制御

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

データの整合性を保つために,複数のトランザクションが同時にデータベースのデータを更新することが起こらないようにする排他制御の考え方を理解する。また,ロック方式,セマフォ方式,コミット制御の仕組みを理解する。

用語例:専有ロック,共有ロック,ロック粒度,デッドロック,1 相コミットメント,2相コミットメント

排他制御

DBMSはデータの矛盾を防止するため、排他制御によるアクセスタイミングのコントロールを行います。一つのファイルに対して、一つのトランザクション(取引単位)による更新処理中に、別のトランザクションが更新を行うことを禁止し、先の更新処理が完了しなければ、次の更新処理ができないようにします。

占有ロック

占有ロックとは、一つのファイルへのアクセスを一つのトランザクションだけに専有させて、他のトランザクションのアクセスを禁止することです。つまり、データの更新に対しても、参照に対してもロックを掛けます。先に占有ロックがかかっていた場合、後から占有ロックを掛けることができません。

共有ロック

共有ロックは、一つのファイルへのアクセスを複数のトランザクションに許可して、占有ロックを禁止することです。共有ロックは、共通の参照ファイルなどに用います。

先に占有ロックがかかっていた場合、後から共有ロックはかけることができませんが、先に共有ロックがかかっていた場合、後から共有ロックをかけることはできます。

ロック粒度

ロック粒度とは、ロックで保護するデータの細かさの度合いです。

粒度が粗いということは、保護するデータの単位が大きいということです。ロックのオーバーヘッドは減るという特徴がある一方で、アクセスを禁止される確率が高くなり、アクセス可能になるまで待つことから、性能が低下しがちです。

粒度が細かいということは、保護するデータの単位が小さいということです。アクセスを禁止される確率が低いので、性能が高いのが特徴ですが、ロックのための処理の回数が増えてオーバーヘッドが増えます。

デッドロック

デッドロックとは、複数のプロセスが相手が専有している資源の解放を待って、どちらの処理も停止してしまうことです。

対処法としては、以下の方法があります。

  • 更新プロセスの開始時に、表単位でロックをかける。
  • 更新プロセス開始時に、更新対象の全レコードにロックをかける。
  • 全てのプロセスで、更新処理を行う順序を合わせる。

コミットメント

あらゆる事態に対応するために、DBの更新は”仮”の状態で行われ、いつでももとに戻せるようにしておくのが一般的です。
*元に戻すことをロールバックという。

また、仮の更新結果は他のトランザクションからは見えません。

コミットメント(コミット)は、仮の更新を確定させる処理のことを指します。コミットが完了してはじめて、他のトランザクションからも更新後の値が参照できるようになります。

1相コミットメント

1相コミットメントとは、1回の処理でデータベースの更新が確定(コミット)する方式です。単相コミットメントとも呼ばれます。

単一のデータベースだけで運用されている場合に利用されたりしますが、データベースが複数関係し分散された環境で運用される場合、1相コミットメント方式では、データベース間に矛盾が生じるリスクがあるため、後述の2相コミットメント方式が採用されています。

2相コミットメント

2相コミットメント方式では、データベースの更新を「更新準備」と「更新」の2回のフェーズに分けて処理します。この方式は、ネットワークなどを利用し、分散されたデータベースが複数ある場合、1相コミットメント方式では複数のデータベースの更新が正常に終了できない場合があります。

確実に全てのデータベースの更新を行うには、分散されたデータベースの更新準備が全て整ってから更新を行えば、すべてのデータベースの更新が行えることになります。このように、更新準備フェーズと更新フェーズの2相にする方式を、2相コミットメントと呼んでいます。

もし、更新準備は終わり、更新フェーズに入ってから何らかの障害にて更新が行えなかった場合は、ロールバック処理を全てのデータベースに対して行うことで、更新前の状態にデータベースを戻すことができます。

障害回復

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

障害に備えたバックアップの方式,世代管理の考え方,障害発生直前の状態まで回復を図るリカバリ処理の仕組み,データベースの利用環境の準備,アクセス効率の向上のための再編成などの考え方,仕組みを理解する。

用語例:フルバックアップ,差分バックアップ,増分バックアップ,ダンプファイル,リストア,データディレクトリ,ジャーナルファイル(ログファイル),チェックポイント,ロールフォワード,ロールバック,ウォームスタート,コールドスタート

リカバリ機能

データベースの障害回復処理には、ロールフォワードとロールバックがあります。

ロールフォワード

最新のバックアップファイルを書き戻した後、ジャーナルファイルの更新後の情報を用いて、バックアップ時点から障害直前の状態まで更新を進める方法です。

ディスクの破損など、大きな障害が置きた場合に行います。

  1. ディスク障害などでデータベースが停止
  2. 障害が発生したディスクなどの媒体を復旧する
  3. バックアップファイルを元にデータを書き戻す
  4. ジャーナルファイルで、バックアップファイル取得後の更新情報を反映する

ロールバック

ジャーナルファイルを使って、障害が発生する前の状態に戻す復旧方法です。

  1. 更新前のレコード内容をジャーナルファイルに保存し、レコードの内容を書き換えます。
  2. 書き換えが完了したら、更新後の状態をジャーナルファイルに保存して、更新処理を終了します。
  3. 障害により更新処理が中断された場合には、更新前のデータを元にレコードを更新前の状態に戻し、更新処理を終了します。
ジャーナルファイル

ジャーナルファイルとは、更新前ジャーナル、更新後ジャーナル、更新時刻、トランザクション識別子などを記録する、データベースの更新履歴です。

チェックポイント

チェックポイントとは、障害に備えて障害回復に必要な情報をジャーナルファイルに記録するというバックアップの時点です。チェックポイントを頻繁に設けると障害回復は正確に近くなりますが、ジャーナルファイルに記録するオーバーヘッドが増えます。

ウォームスタート方式

ウォームスタート方式は、チェックポイントまで戻って、更新情報の記録を用いてデータベースを回復します。

  1. ジャーナルファイルを用いて、最新のチェックポイントの状態に戻す。
  2. チェックポイント以降のトランザクションのうち、障害発生前にコミットした分をロールフォワードして、更新を反映。
  3. 障害発生前にコミットしていない分はロールバックして整合性を確保した後でトランザクションを再実行。

ウォームスタート方式は、例えば通信障害などでロランザクションが寸断されたケースなどから復旧する場合に用います。

コールドスタート方式

コールドスタート方式とは、データベースの状態をすべてクリアして、データベース全体のバックアップファイルを用いて、データベースを回復します。

バックアップファイルの作成や回復に時間がかかるため、もとに戻る時点を頻繁には設けられません。

  1. ハードウェアを交換する。
  2. バックアップを用いて、データベースをバックアップ時点の状態の戻す。ジャーナルファイルが破損している場合は、バックアップを元にジャーナルファイルも復旧させる。
  3. データベースのバックアップ以降にコミットしたトランザクションのうち、ジャーナルファイルに更新後情報がある分をロールフォワードして更新を反映する。

コールドスタート方式は、ディスクの故障などハードウェアに障害が発生した場合などに用います。

 

トランザクション管理

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データベースは複数の利用者が同時にアクセスするので,トランザクション処理にはACID特性が求められること,四つの特性の意味を理解する。

ACID特性

ACID特性とは、トランザクション処理に対して、データベースに求められる4つの特性のことです。データベースには複数のユーザが同時にアクセスするので、注意が必要になります。

  • Atomicity: 原始性
  • Consistency: 一貫性
  • Isolation: 分離性
  • Durability: 耐久性
原始性(Atomicity)
一つのトランザクション処理が完全に実行されるか、そうでなければ元の状態に戻るという性質。これがないとデータベースが回復困難な状態になります。
一貫性(Consistency)
矛盾のない条件で表されるデータベースの整合性が、一つのトランザクション処理の前でも後でも保たれているという性質。
独立性(Isolation)
一つのトランザクション処理が、他のトランザクション処理に影響されないこと。
耐久性(Durability)
一つのトランザクション処理が完了したら、その結果は記録されること。これが保証されないと、障害発生時にデータベースが回復困難な状態になります。

 

 

データベースの性能向上

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データベースへのアクセス効率向上のために,インデックスを有効に活用する考え方を理解する。

用語例:インデックス数,負荷,ユニークインデックス,クラスタ化インデックス

インデックスの活用

データベースのインデックス(索引)は、本体となるデータ群の他に、検索を早めるために設けられたデータ群です。

インデックスは、キーとその存在1の一覧であり、本体となるデータ群の配置順をたどる必要が無いので、データベースの性能を向上させます。

インデックスを活用すると高速になるのは、インデックス表作成時にハッシュ表やB木など、高速に探索できるためのデータ構造をDBMS側で作成しているため、インデックスを活用すると高速に検索が出来るようになります。

複合インデックス

複数の項目の値を条件に検索するようなデータ操作をしばしば行う場合に、複数の項目に対して一つのインデックスを設定することです。

インデックス作成時の注意事項

インデックス作成時には、以下のような点に注意が必要です。

  • 絞込効果が小さい項目に設定すると効果が薄い。(例えば、名簿における性別や血液型)
  • データを更新すると、インデックスも更新されるので、更新頻度が多い表にインデックスを作成すると更新速度が低下する。
  • 絞込の効果が高く、検索キーとして使われる項目に対して、インデックスを作成するのが望ましい。

 

 

データ制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

利用者ごとに,データに対するアクセス制御を行う必要性があること,アクセス権限としてはデータベースに接続する権限,データを検索する権限,データを新規登録する権限,データを更新する権限などがあることを理解する。

用語例:参照権限,挿入権限,削除権限

アクセス権限

アクセス制御とは、どのユーザがどのデータにアクセスできるかという権限(アクセス権限)を決めることです。

以下のような種類のアクセス権限があり、データ制御言語を用いることで設定されたり、チェックされたりします。

  • 接続権限: データベース又はスキーマに接続する権限
  • 検索権限: データを検索する権限
  • 登録権限: データを新たに追加する権限
  • 更新権限: 既存のデータを変更する権限
  • 削除権限: 既存のデータを削除する権限
  • 使用権限: スキーマや関数などのオブジェクトを使用する権限

 

 

データベース応用

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報】
・データベースの応用対象,応用方法を修得し,応用する。
・分散データベースの特徴,機能を修得し,応用する。
・データ資源管理の仕組みとして,リポジトリ,データディクショナリを修得し,応用する。

【基本情報】
・データ分析,業務システム,ソフトウェア開発と保守などに,データベースがどのように応用されているかを理解する。
・分散データベースの特徴,利点,留意事項,データ同期の仕組みを理解する。
・データ資源管理のあらましを理解する。

(1)データベースの応用 基本情報 応用情報

データウェアハウス,データマート,OLAP(Online Analytical Processing),データマイニングなど,データを分析して有効活用する技術の特徴,これらの技術が企業会計システム,在庫管理システムなどで使われていること,その応用方法を理解する。

用語例:OLTP(Online Transaction Processing),ETL(Extract/Transform/Load),データクレンジング,ビッグデータ,文書管理システム,営業支援システム

(2)分散データベース 基本情報 応用情報

複数のサイトに配置された分散データベースの特徴,利点,取り扱う上での留意事項,サイト間でのデータ同期の仕組み,関連する機能,集中型データベースとの違いを理解する。

透過性,クライアントキャッシュ,コミットメント制御,2 相コミットメント,コミットシーケンス,同時実行制御,レプリケーション,水平分散,垂直分散,表の分散(水平,垂直),分散問合せ,結合演算,分散トランザクション,OSIRDA(Open Systems Interconnection-Remote Database Access:開放型システム間相互接続-遠隔データベースアクセス)プロトコル

(3)データ資源管理 基本情報 応用情報

データの属性,意味内容,格納場所など,データを管理するための情報(メタデータ)を収集,管理したデータディクショナリや,ソフトウェア開発と保守における様々な情報を一元的に管理するリポジトリを理解する。

IRDS(Information Resource Dictionary System:情報資源辞書システム),ファクトデータベース,リファレンスデータベース,データベースサービス

 

データベースの応用

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データウェアハウス,データマート,OLAP(Online Analytical Processing),データマイニングなど,データを分析して有効活用する技術の特徴,これらの技術が企業会計システム,在庫管理システムなどで使われていること,その応用方法を理解する。

用語例:OLTP(Online Transaction Processing),ETL(Extract/Transform/Load),データクレンジング,ビッグデータ,文書管理システム,営業支援システム

データウェアハウス

データウェアハウスとは、トランザクション(取引)などの時系列データを、長期的に大量に蓄積したデータベースの一種です。通常のデータベースと異なり、過去の取引データを消去することなく、時系列的な分析に用いるのが特徴です。

例えば、商品ごとの売上高と気象とに因果関係がある場合には、長年の取引データを保管して、気象データと照合して分析することによって、今後の購買管理、製造管理、在庫管理、あるいは販売管理などの精度を上げることができます。

ウェアハウス(倉庫)という言葉が用いられているように、データウェアハウスは、通常のデータベースに比べて、データの更新や検索の回数は比較的少ない代わりに、膨大な記憶容量を必要とします。

データマート

データマートとは、データウェアハウスの中から、特定の目的に合う部分を抽出して、通常は部門や個人のデータベースに格納したものです。蓄積されたデータを分析する時の処理効率を良くするのが目的です。

OLAP

オンライン分析処理(Online Analytical Processing:OLAP)とは、データウェアハウスやデータマートを使い、複雑な分析を短い応答時間で処理することです。市場分析、予算作成、経営報告、財務諸表作成など膨大なデータの分析作業を支援します。

関係データベースが共通データを一元的に保管するのに比べて、商品別、地域別、月別などの多次元的な観点で傾向を発見したり、整理したりするという特徴があります。

汎用的な統計ソフトウェアを用いるのと比べると、分析や報告を繰り返しながら、作業の改善や自動化を継続していくという傾向があります。

データマイニング

データマイニングとは、統計的手法などを活用して、膨大なデータを分析して、発見的に新たなノウハウを発掘する作業のことです。

発見的分析を助けるコンピュータグラフィックスなどの具体的な技術を指すこともありますが、確たる技法や技術が揃っているわけではなく、ナノテクノロジのような包括的なキャッチフレーズのような位置づけです。

 

データウェアハウスやデータマート、OLAP、データマイニングなどのデータベースの応用技術は、企業会計システム、在庫管理システム、文書管理システム、営業支援システムなどを高度化するために用いられています。

分散データベース

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

複数のサイトに配置された分散データベースの特徴,利点,取り扱う上での留意事項,サイト間でのデータ同期の仕組み,関連する機能,集中型データベースとの違いを理解する。

透過性,クライアントキャッシュ,コミットメント制御,2 相コミットメント,コミットシーケンス,同時実行制御,レプリケーション,水平分散,垂直分散,表の分散(水平,垂直),分散問合せ,結合演算,分散トランザクション,OSIRDA(Open Systems Interconnection-Remote Database Access:開放型システム間相互接続-遠隔データベースアクセス)プロトコル

分散データベースの特徴、利点、留意事項

分散データベース(Distributed Database)とは、複数の場所に分散されたデータベース群が、一つのものであるかのように扱えるデータベースです。場所は一つのコンピュータの複数の記憶装置である場合、局所ネットワークのサーバである場合、あるいはインターネットで結ばれている場合などがあります。

集中データベースと比べると、分散データベースは以下のような特徴や目的を持っています。

性能の向上
拠点と各地とで検索・更新が分散している場合、よく検索・更新するデータは、地域に分散したほうが応答時間や通信費用が改善される。
構造の多様性
データベースの定義を拠点で標準化するのに対して、地域に権限を移譲したり、合併した企業の独自性を尊重したりして、柔軟性を重視しつつ緩やかに連携する。
段階的な増強
一度に情報システムを拠点に完成してしまうのではなく、時間とともに段階的なサーバなどを追加したり、リプレースしたりしていく方式。コンピュータ、記憶装置、および通信回線の価格低下と性能向上を見越したり、ユーザ側のニーズの変化を見越したりして取られる方式である。
障害対策
大きな災害に備えて、データを分散したり、複製を別の地域においたりして、被害の最小化や回復容易性を狙う。

分散データベースの利用にあたっては、以下のような点に留意する必要があります。

  • 変更の同期: コミットメント制御などにより、障害が発生したときにもデータの一貫性が保たれるようにする。(2相コミットメントなど)
  • 透過性: 分散データベース特有のデータの存在場所などをユーザに意識させず、ユーザには集中データベースと同じようにみえること。
  • オープン性: DBMSと多様なハードウェア、オペレーティングシステム、応用ソフトウェアとの連携を受け入れる性質。分散すると関連する要素が増えるので特に重要である。
  • アクセスの節減: データベースの設計、レプリケーション、およびユーザの問合せ分の注意によって、遠隔地への問合せや更新の頻度を減らす。

透過性

透過性とは、分散データベース特有のデータの存在場所などをユーザに意識させず、ユーザからは集中データベースと同じようにみえるという性質です。

以下のような特性で構成されます。

  • 位置透過性: データの存在場所を意識せずに利用できる性質。
  • 移動透過性: データの存在場所が変更されても、影響なく利用できる性質。
  • 重複透過性: 一つの表が複数の存在場所に重複して存在しても、意識せずに利用できる性質。
  • 分割透過性: 一つの表が複数の場所に分割されて存在しても、意識せずに利用できる性質。
  • 障害透過性: ある場所に障害が発生しても、代替場所が代替することによって、利用し続けることが出来る性質。
  • データモデル透過性: 各場所のデータモデルが階層型データベース、関係データベースなどと異なっても、意識せずに利用できる性質。

サイト間でのデータ同期の仕組み

データ更新の際、サイトごとのデータベースと同時に更新する方法と、一台の管理サーバ(マスタサーバ)が更新処理を受け付けて、その後スレーブサーバを更新する方法の2種類があります。

前者を同期マルチマスタ方式、後者を非同期マスタスレーブ方式と呼んでいます。

レプリケーション

レプリケーションとは、データの複製を別の場所にも作成し。常に内容が一致するように更新することです。負荷分散や障害対応を目的としています。

レプリケーションは、障害透過性を向上させることができます。また、データを重複させても、重複透過性が保たれることが必要です。

 

 

データ資源管理

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データの属性,意味内容,格納場所など,データを管理するための情報(メタデータ)を収集,管理したデータディクショナリや,ソフトウェア開発と保守における様々な情報を一元的に管理するリポジトリを理解する。

IRDS(Information Resource Dictionary System:情報資源辞書システム),ファクトデータベース,リファレンスデータベース,データベースサービス

データディクショナリ

データ項目の名称や意味を登録した辞書のことです。「データ辞書」と呼ぶこともあります。

企業情報システムにおけるデータディクショナリは、データの整合性を保つためのデータ定義を標準化する役割を果たします。

データベースの重複や、同じ意味を持つデータの呼び方が複数存在したり、逆に同じ名称のデータが異なる意味を持ったりして、システムが肥大化することを防ぎます。

リポジトリ

リポジトリはデータベースの類似語であり、様々な意味で使われます。小さなデータベース、簡易なデータベース、検索機能のある文書ライブラリ、あるいはユーザが意識しないシステム内部の共通データやメタデータのファイルなどの意味で使われます。全体として、「小さめの」や「共有資産」のようなニュアンスがあります。

特に文書・プログラムのバージョン管理システムではリポジトリという用語が使われることが多くあります。

IRDS(情報資源辞書システム)

情報資源辞書システム(Information Resource Dictionary System:IRDS)とは、データベースのデータ辞書にとどまらず、情報資源全体の辞書システムです。

全社情報システムの辞書、ソフトウェア開発支援システムの辞書、およびデータベース設計の時に必要な辞書を、標準化して統合管理するシステムです。

 

 

ネットワーク方式

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・LAN とWAN の仕組み,特徴,電気通信事業者が提供するサービスの種類,特徴を修得し,応用する。
・有線LAN と無線LAN,交換方式の仕組み,特徴を修得し,応用する。
・回線速度,データ量,転送時間の関係を修得し,応用する。
・インターネット技術の必要性,特徴を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・ネットワークに関するLAN とWAN という分類を理解する。
・ネットワークを構築するための接続装置の役割を理解する。

(1)通信ネットワークの役割 応用情報

通信ネットワークが果たす役割と効果,ネットワーク障害が発生した場合の社会的影響の大きさを理解する。

用語例:ネットワーク社会,ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術),u-Japan 構想

(2)ネットワークの種類と特徴 ITパスポート 基本情報 応用情報

LAN とWAN の仕組み,特徴,構成要素,運用費用を理解する。また,WAN を構成する場合に利用する電気通信事業者から提供されているサービスの種類と特徴を理解する。

用語例:インターネットサービスプロバイダ, 従量制, 月額固定料金, IDF(Intermediate Distribution Frame),MDF(Main Distribution Frame),パケット交換網,回線交換網,フレームリレーサービス,ATM サービス,センサネットワーク

(3)有線LAN 基本情報 応用情報

有線LAN の仕組み,構成要素,特徴を理解する。

用語例:同軸ケーブル,より対線,光ファイバケーブル

(4)無線LAN 基本情報 応用情報

無線LAN の仕組み,構成要素,特徴を理解する。

用語例:電波,赤外線,無線LAN アクセスポイント,インフラストラクチャモード,アドホックモード

(5)交換方式 基本情報 応用情報

回線交換とパケット交換の仕組み,特徴を理解する。

用語例:パケット,VoIP(Voice over Internet Protocol)

(6)回線に関する計算 基本情報 応用情報

回線速度,データ量,転送時間の関係を理解し,与えられた回線速度,データ量,回線利用率からの転送時間の算出方法を理解する。また,発生するトラフィック量から必要な回線速度を算出する方法を理解する。

用語例:転送速度(伝送速度),bps(bit per second:ビット/秒),回線容量,ビット誤り率,トラフィック理論,呼量,呼損率,アーランB 式(アーランの損失式),アーラン,待ち行列理論,M/M/1,ケンドール記号,トラフィック設計,性能評価

(7)インターネット技術 基本情報 応用情報

ノードには,世界で一意となるIP アドレスが割り当てられることによって,相互通信が可能となっていること,アドレスを構成するネットワークアドレスとホストアドレスの役割,IP パケットのルーティングの動作,IPv6 の必要性と特徴を理解する。

用語例:IPv4,IPv6,アドレスクラス,グローバルIP アドレス,プライベートIP アドレス,IP マスカレード,NAT,オーバレイネットワーク,DNS,ドメイン,TLD,Proxy サーバ,QoS(Quality of Service:サービス品質),ユビキタス,パーベイシブ,セキュリティプロトコル,ファイアウォール,RADIUS

 

ネットワークの種類と特徴

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

LAN とWAN の仕組み,特徴,構成要素,運用費用を理解する。また,WAN を構成する場合に利用する電気通信事業者から提供されているサービスの種類と特徴を理解する。

用語例:インターネットサービスプロバイダ, 従量制, 月額固定料金, IDF(Intermediate Distribution Frame),MDF(Main Distribution Frame),パケット交換網,回線交換網,フレームリレーサービス,ATM サービス,センサネットワーク

ネットワークとは

ネットワークとは、コンピュータ、携帯電話、モバイル機器などを繋いでデータ通信を行う網状の通信回線です。通信経路が1本だけの通信回線に対比されるものです。その規模や接続形態などによって様々な種類があります。

LAN(Local Area Network)

外部とつながっていない、独立した構内ネットワークのことをLAN(Local Area Network)といいます。

ここでいう構内とは、同じ建物や敷地内を指し、LANとはフロア内や建物内にあるコンピュータ同士を接続した小規模なネットワークのことです。

現在では、外部接続の有無を問わず、無線も含めて利用者が私設できる通信網を指してLANと呼ぶ場合もある。

WAN(Wide Area Network)

都市間など、広い地域にまたがって構築されるネットワークをWAN(Wide Area Network)といいます。

WANとLANが大きく異なる点は、間に電話線などの公衆回線を使う部分があることで、広域通信網とも呼ばれます。

WANの最も大規模なものが、世界規模にまたがる「インターネット」です。

現在では、データ通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)が提供し、利用者が利用・共用できる通信網を指してWANと呼ぶ場合もある。

WANの通信回線

WANで用いる通信回線には、専用回線と交換回線があります。

通信先との間を電気通信事業者から専用の通信回線を借りて接続する形態を専用回線といいます。専用回線は安定性が高いですが、借上げる分のコストがかかります。

対して、複数の通信で回線を共用する形態を交換回線といいます。交換回線では回線の接続点に交換旗があり、送信データの宛先を読み取って宛先に通じる経路を選択し、データを転送しますあ。このため、専用回線より回線コストや通信設備を節約できます。

回線交換網

回線交換網とは、通信回線の帯域幅を複数の一まとまりのデータ列(呼)に割り振るデータ通信網です。

交換機は、帯域の空き具合と料金等によるクラスの違いを考慮して、転送する経路を選択します。

回線交換網は、混んでいる場合には送信要求が断られて、再申し込みが必要ですが。回線を専有できるので交換のための遅延時間が少なく、電話やテレビ会議に向きます。

パケット交換網

パケット交換網とは、一まとまりのデータの列を小さなパケットに分割して、パケットの単位で送受信するデータ通信網です。

交換機は、混んでいる回線や停止している経路を避けて、稼働していて混んでいない経路を選択してパケットを転送します。

パケット交換網は、交換のための遅延時間が発生しますが、通信網の利用効率向上、混んでいる時の送信要求の再申し込みが不要、障害に対する安全性の向上などが特徴です。端末の間で複数の経路を使えることを活用したネットワークです。

フレームリレーサービス

フレームリレーサービスとは、ネットワークの7層モデルの下から2番目のデータリンク層で、フレームというデータのまとまりの通信を中心に考えた簡略なパケット交換方式です。

3層目のネットワーク層を中心に考える通常のパケット交換ほどきめ細かい特徴は出ませんが、オーバーヘッドを減らして性能を向上させることができます。

ATMサービス

非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode:ATM)サービスとは、固定長のデータ(53バイト)を単位として、一つの通信回線を複数の論理チャネル(仮想回線)として利用する通信方式です。

固定長なので処理が単純である上に、通信回線の容量が大きければ、大量のデータを同時並行して送信できるので高速通信が可能です。

ここでいう非同期とは、回線交換網が同期的に作動することに対する特徴を表しているものです。

プロバイダ

インターネットの各種サービスを利用するには、インターネットに接続しているネットワークのユーザになる必要があります。

インターネットに直接接続する環境を持たない一般家庭などの場合は、インターネットへの接続サービスを提供するプロバイダ(ISP)と呼ばれる業者と契約し、電話回線やCATV回線、光ファイバなどを経由してインターネットを利用します。

ダイアルアップIP接続

コンピュータを電話回線経由でプロバイダのネットワークに接続し、必要なときだけインターネットを利用する形態をダイアルアップIP接続といいます。

通常は、プロバイダが、ユーザがインターネットに接続するたびにJPNICから予め割り振られているグローバルIPアドレスの中から秋アドレスを割り当てるので、ユーザはグローバルIPアドレスの取得を申請する必要はありません。プロバイダのネットワークと専用回線で常時接続する場合には、ユーザがグローバルIPアドレスを申請して固定アドレスを取得することもあります。

IDF(Intermediate Distribution Frame)

主配電盤から、フロアごとに中継するための配電盤。オフィスや集合住宅で、主にフロア単位に設置する、通信回線用の配線盤のこと。

主配線盤と各部屋の間に設置され、主配線盤と中間配線盤を多芯ケーブルでつなぐことにより、主配線盤が大きくなるのを避けられる。

 

有線LAN

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

有線LAN の仕組み,構成要素,特徴を理解する。

用語例:同軸ケーブル,より対線,光ファイバケーブル

LANの種類

LANの種類には、有線LANと無線LANがあります。

有線LANとは、LANケーブルを使用してコンピュータをネットワークに接続する方法のことです。

無線LANとは、LANケーブルの代わりに電波や赤外線などを使用してコンピュータをネットワークに接続する方法のことです。

有線LANは無線と比べると、高速でセキュリティは保持しやすいですが、どうしても敷設の手間がかかります。

有線LANの構成要素

有線LANはLANケーブル、LANカード(LANボード)、集線装置(ハブ、ルータなど)によって構成されます。

LANケーブルはコンピュータをネットワークに接続するためのケーブルでいくつかの種類があります。

LANカードはLANケーブルをコンピュータに差し込むための拡張カードです。現在ではあらかじめ内蔵しているPCがほとんどです。

集線装置とは、複数のLANケーブルを接続する装置で、ハブ、スイッチ、ルータ、ゲートウェイなどがあります。

イーサネット

イーサネットは、現在のLANの主流となっている伝送路規格です。10BASE-T、10BASE2、10BASE5などの企画があり、規格ごとにケーブルの種類や接続形態、伝送速度が異なります。

LAN規格伝送媒体最大転送速度最大伝送距離
10BASE2同軸ケーブル10Mbps185m
10BASE5同軸ケーブル10Mbps500m
10BASE-Tツイストペアケーブル10Mbps100m
100BASE-TXツイストペアケーブル100Mbps100m
100BASE-FX光ファイバ100Mbps2000m
1000BASE-Tツイストペアケーブル1000Mbps100m
同軸ケーブル

1本の芯を皮膜した構造で、細い10BASE2ケーブル(Thinケーブル)と、太い10BASE5ケーブル(Thickケーブル)があります。

同軸ケーブルは、低速ですが太いケーブルを使用しており、長距離の伝送に使用できます。(数百メートル単位)

ツイストペアケーブル(より対線)

2本の線を撚り合わせた構造で、細く曲げやすいため、現在では最も広く利用されています。8芯のカテゴリ5というケーブルが100BASE-Tなどに使われます。伝送距離が短く、中継しなければ長距離伝送することはできません。

光ファイバケーブル

動線に光ファイバケーブルを用いるもので、100BASE-FXなどがあります。

光ファイバケーブルは、光によって情報を伝達するため、電気信号を光信号に変換する機構が必要となるなど、コストがかかります。しかし、金属ケーブルに比べると外部からの電磁波に強く、超高速で伝送距離の長いLANを構築できるのが特徴です。

無線LAN

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

無線LAN の仕組み,構成要素,特徴を理解する。

用語例:電波,赤外線,無線LAN アクセスポイント,インフラストラクチャモード,アドホックモード

無線LAN

無線LANは、ケーブルを使わず電波で通信する規格です。

無線通信のみでLANを構築することも、有線LANと組み合わせて利用することもできます。

無線LANは、アクセスポイントからの無線が届く範囲の自由な位置に端末を設置できるのがメリットです。また、電波を用いる場合、間仕切り程度の壁なら通信の障害にならないのもポイントです。

但し、接続台数が無制限に出来たり、通信の衝突が起こらなかったり、というわけではない上、外部からの侵入や電波の傍受に留意して使う必要があります。

無線LANの構成要素

無線LANは、無線LANカード、無線LANアクセスポイントによって構成されます。

無線LANカードは、通信機能のある拡張カードで、無線LANアクセスポイントを介してネットワークに接続します。

無線LANアクセスポイントは、無線LANカード同士のデータのやり取りを仲介したり、有線LANへの接続を提供したりします。

IEEE802.11

無線LANの規格はIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. :米国電気電子学会)が定めています。

IEEE 802.11b
周波数が2.4GHz帯を利用する、最大伝送速度11Mbpsの方式です。安定型で、障害に強いのが特徴です。
IEEE 802.11a
周波数が5GHz帯を利用する、最大伝送速度54Mbpsの方式です。障害物に強いのが特徴です。
IEEE 802.11g
周波数が2.4GHz帯を利用する、最大伝送速度54Mbpsの方式で、802.11bの上位互換です。高速かつ安定しているのが特徴です。
IEEE 802.11n
周波数が2.4GHz/5GHz帯を利用する、最大伝送速度600Mbpsの方式です。複数のアンテナで送受信する技術(MIMO)や、複数のチャネルを組み合わせて通信するチャネルボンディングによって、2010年時点での理論値では300Mbpsとなっています。

これらの無線LAN規格で使用する周波数帯域のうち、IEEE 802.11aや802.11nで使用する5GHz体は電波法によって医療が制限されており、許可なく屋外で使うことはできません。

一方、2.4GHz体は自由に利用できる帯域ですが、電子レンジやアマチュア無線機などの子の周波数帯域を使用していることから、これらの電波干渉を受けやすく、機器同士を近くに置くと通信速度が下がることがあります。

無線LAN利用時の留意点

無線LANには、電波を第三者に勝手に傍受されるという危険性があるため、セキュリティ対策がより重要となります。

電波はある程度の厚さであれば壁を通しても届くため、無線信号が届く範囲内の自由な位置に端末を配置することができ、有線LANのような配線の煩わしさがありません。

ただし、電波の頭頂を防ぐために、無線LANカードのMACアドレスをアクセスポイントに登録し、LANにアクセスできるパソコンを制限する方法や、WPAやTKIP、AESなどの無線暗号化技術を使って暗号化通信を行う、などのセキュリティ対策を講じる必要があります。

交換方式

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

回線交換とパケット交換の仕組み,特徴を理解する。

用語例:パケット,VoIP(Voice over Internet Protocol)

回線交換方式

回線交換方式は、電話のように、一旦相手と接続したら切断するまでその回線を専用回線と同じように専有する方式です。

伝送の遅延が少なく、データをまとめてやり取りするのに向いています。

パケット交換

送出されたデータを一旦交換機内に蓄積しておき、交換機が相手を呼び出してデータを伝送する方式を蓄積交換といいます。代表的なものがパケット交換です。

パケット交換は、データを一定の長さの単位(パケット)に分割し、1本の回線に複数の相手先へのパケットを混在して同時に流す方式です。それぞれのパケットには、発信元情報と宛先情報、パケットの順番などの「荷札」に当たる情報をつけます。子の部分をパケットヘッダといいます。

パケット交換の特徴

パケット交換には次のような特徴があります。

  • 異なる宛先のパケットを同時に1本の回線に混在させて送信(多重化)出来るので、回線の利用効率がよい。
  • ある回線が故障しても、別の回線を迂回させてパケットを届けることが出来るので、障害に強い。
  • 蓄積交換であることから、通信手段や通信速度が異なる宛先にも同じ回線を利用して通信できる。
  • パケットの損失や遅延が起こることがあり、信頼性は回線交換方式より低い。
  • データのパケット化、データの再構成のオーバーヘッドがかかる。

VoIP

パケット交換による音声通話システムのことで、Voice over Internet Protocolの略です。

通信規約としてインターネットプロトコル(IP)を用います。

回線を専有することなく音声通話が可能ですが、遅延やパケット損失の影響を免れません。

 

回線に関する計算

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

回線速度,データ量,転送時間の関係を理解し,与えられた回線速度,データ量,回線利用率からの転送時間の算出方法を理解する。また,発生するトラフィック量から必要な回線速度を算出する方法を理解する。

用語例:転送速度(伝送速度),bps(bit per second:ビット/秒),回線容量,ビット誤り率,トラフィック理論,呼量,呼損率,アーランB 式(アーランの損失式),アーラン,待ち行列理論,M/M/1,ケンドール記号,トラフィック設計,性能評価

回線速度

回線速度とは利用する回線の速度で、1秒間に何ビット転送できるかを表すbps(bits per second:ビット/秒)の単位で表されます。転送速度や伝送速度といわれることもあります。

データ量

転送するデータの総容量をデータ量(転送データ量)といいます。ビット(b)、バイト(B)やキロバイト(KB)、メガバイト(MB)、ギガバイト(GB)などの単位です。

データ転送時間

データ転送にかかる時間は、転送データ量 ÷ 転送速度として求めます。

1Mバイト(8,000,000ビット)のデータ量を64kbps(64,000bps)の速度で転送するのにかかる時間は、8,000,000ビット ÷ 64,000bps = 125秒 となります。

回線利用率

データ転送に使用される回線は、常時データが転送されているわけではなく転送されたり、されなかったりします。したがってデータ転送にかかる時間は回線が100%利用されている場合と50%の場合であれば50%のほうが時間がかかることになります。この回線の使用されている割合の平均を回線利用率といいます。

ビット誤り率

データ伝送を行う場合、回線の品質が悪いと転送中にデータが間違ってしまう場合があります。これは、内部のデータがお互いに影響をおよぼす場合もあれば、外部からのノイズによる場合もあります。

ビット誤り率が 10-3 の場合、1000分の1なので1000ビット送って1ビットの誤りがあることになります。

呼量

電話をかけてきるまでの処理を呼(こ)といいます。このこの延べ利用時間が単位時間あたりにどれくらいあるかを表したものが呼量(こりょう)といいます。単位はアーラン(ERL)です。

例えば、1時間に30回の呼があり、一回の呼が平均2分間だとすると呼量は以下のように求められます。

  • 呼の延べ利用時間(秒): 30回 × 2分 × 60 =3,600秒
  • 1秒あたりの呼量: 3,600秒 ÷ ( 60分 × 60秒 ) = 1 ERL

 

インターネット技術

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ノードには,世界で一意となるIP アドレスが割り当てられることによって,相互通信が可能となっていること,アドレスを構成するネットワークアドレスとホストアドレスの役割,IP パケットのルーティングの動作,IPv6 の必要性と特徴を理解する。

用語例:IPv4,IPv6,アドレスクラス,グローバルIP アドレス,プライベートIP アドレス,IP マスカレード,NAT,オーバレイネットワーク,DNS,ドメイン,TLD,Proxy サーバ,QoS(Quality of Service:サービス品質),ユビキタス,パーベイシブ,セキュリティプロトコル,ファイアウォール,RADIUS

インターネット

インターネットは、世界中に散在するサーバコンピュータが相互に接続するLANやWANの集合体として成立した、分散型の大規模ネットワークです。同じルールを用いることで、オープン性を実現しています。

インターネット上で提供されるサービスやアプリケーションは、その殆どがTCP/IPを利用しており、個々のネットワークが用いる機種やプラットフォームの違いを越えて、インターネットを介した通信を行うことができます。

グローバルIPアドレス

インターネット上のコンピュータを特定するIPアドレスをグローバルIPアドレスといいます。グローバルIPアドレスは世界で唯一の番号です。

コンピュータをインターネットに公開するには、JPNICの指定する事業者から、グローバルIPアドレスの割当を受ける必要があります。

グローバルIPアドレスに重複がないようにするには、IPアドレスを世界規模で一元管理する必要があります。これを世界的に調整を行っている組織がICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)です。日本国内ではJPNIC(Japan Network Information Center)がICANNと連携してIPアドレスの管理を行っています。

プライベートIPアドレス

インターネット外部から接続されない社内LANのコンピュータなどでは、基本的にネットワーク管理者が自由にIPアドレスを割り当てます。

このようなLAN内のみで使用する申請不要のIPアドレスをプライベートIPアドレスと呼んで、グローバルIPアドレスと区別しています。

なお、自由に割り当てられるといっても、慣例としてグローバルIPでは用いられない範囲のIPアドレスが決まっているので、その範囲の中でLAN用のプライベートIPアドレスを割り振るのが一般的となっています。

ドメイン名の取得

TCP/IPネットワークでコンピュータの識別に用いるIPアドレスは数字の羅列であり、人間にとっては見づらく、長くて覚えにくいものです。そこで、IPアドレスに「example.co.jp」などの名前(ドメイン名)をつけて利用しています。

ドメイン名を利用するには、IPアドレスとドメイン名のどちらでも、そのコンピュータにアクセスできるような仕組みが必要です。これをDNS(Domain Name System)といいます。

なお、ドメイン名とIPアドレスは対応付けられるので、インターネット上で使われるドメイン名は、グローバルIPアドレスと同様に、登録機関に申請して取得する必要があります。また、他と重複したドメイン名は使えません。

ドメイン名の構造

ドメイン名の基本構造は「組織名+組織種別+国名」です。組織名は、他と重複しない範囲で、利用者自身が決めて良い部分です。

組織種別は管轄の国ごとに異なりますが、日本では企業を表す「co」、学校法人を表す「ac」などがあります。

国名には、日本を表す「jp」などがあります。

また国名を省略した「com」や「net」などのように、もともとインターネット発祥の地である米国向けにあった組織種別で、国名を省略して世界共通で使えるようになったものもあります。

DNSサーバ

コンピュータに割り当てられているIPアドレスと、それに対応するドメイン名(又はホスト名)との相互変換を行うサーバをDNSサーバといいます。

DNSサーバは自身にIPアドレスとドメイン名の対応表を保持している他、インターネット上の他のDNSサーバと連携して自身の知らないドメイン名とIPアドレスについても情報を取得できるような仕組みになっています。

Proxyサーバ

Proxyは「代理」という意味です。本来はクライアントからサーバに対して直接通信が行われますが、Proxyサーバを利用すると、クライアントと目的のサーバとはProxyサーバを経由してやり取りする形となります。

Proxyサーバには以下のような特徴があります。

  • 外部からはProxyサーバだけが見えている状態で、クライアントの存在を隠すことが出来る。
  • Proxyには一度通過した外部サーバのコンテンツをキャッシュとして、一時保存しておく機能があるため、同じコンテンツを参照しにいった際にそのキャッシュを利用することで、通信量を減らすことが出来る。
  • Proxyを経由することで、アクセス制限を掛けたり、アクセスログの監視を行うことで、社内からのインターネット利用の適切化を図ることが出来る。

 

データ通信と制御

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・ネットワークアーキテクチャの考え方,重要性,効果を修得し,応用する。
・伝送方式と回線の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワーク接続装置の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワークにおける代表的な制御機能の仕組み,特徴を修得し,応用する。

 

(1)ネットワークアーキテクチャ 基本情報 応用情報

1.ネットワークトポロジ

代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。

用語例:ポイントツーポイント(2 地点間接続),ツリー型,バス型,スター型,リング型

2.OSI 基本参照モデル

ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャであるOSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。

用語例:物理層,データリンク層,ネットワーク層,トランスポート層,セション層,プレゼンテーション層,アプリケーション層

3.標準化の実例

WAN における通信プロトコルの標準化がITU-T において策定されていることを理解する。

用語例:X シリーズ,V シリーズ,I シリーズ

(2)伝送方式と回線 基本情報 応用情報

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

用語例:単方向,半二重,全二重,WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重),回線交換,パケット交換,ATM 交換,フレームリレー,セルリレー,公衆回線,専用線,電力線通信(PLC)

(3)ネットワーク接続 基本情報 応用情報

LAN 内接続,LAN 間接続,LAN-WAN 接続の装置の種類,特徴,各装置の機能が,OSI 基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する。

用語例:リピータ,ハブ,カスケード接続,スイッチングハブ,ルータ,回線接続装置,レイヤ2(L2)スイッチ,レイヤ3(L3)スイッチ,ブリッジ,ゲートウェイ,プロキシサーバ,スパニングツリー

(4)伝送制御 基本情報 応用情報

送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能である伝送制御の仕組み,特徴を理解する。

用語例:データリンク制御,ルーティング制御,フロー制御,ベーシック手順,コンテンション方式,ポーリング/セレクティング方式,HDLC,マルチリンク手順,相手固定,交換方式,コネクション方式,コネクションレス方式,パリティチェック,CRC,ハミング符号,ビット誤り率,SYN 同期,フラグ同期,フレーム同期

(5)メディアアクセス制御 基本情報 応用情報

データの送受信方法や誤り検出方法などを規定するMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)の仕組みと特徴を理解する。また,アクセス制御の目的,アクセス制御手法の代表的な種類と仕組みを理解する。

用語例:TDMA,CSMA/CD,CSMA/CA,トークンパッシング,衝突

ネットワークアーキテクチャ

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

  • 代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。
  • ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャであるOSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。
  • WAN における通信プロトコルの標準化がITU-T において策定されていることを理解する。

用語例:ポイントツーポイント(2 地点間接続),ツリー型,バス型,スター型,リング型、物理層,データリンク層,ネットワーク層,トランスポート層,セション層,プレゼンテーション層,アプリケーション層、X シリーズ,V シリーズ,I シリーズ

LANのトポロジー

コンピュータやプリンタなど、ネットワークを構成する要素をつなぐ形態をトポロジーといいます。

LANの代表的なトポロジーには、バス型、スター型、リング型があります。

バス型
1本の伝送路を幹線として、端末を接続する形態です。各端末から送出されたデータは同じバスに接続されたすべての端末に届けられるので、各端末はそれが自分宛てのデータであれば処理をし、自分宛てのデータでなければ破棄します。
スター型
中央の集線装置に端末を接続した形態です。端末1台に障害が発生しても他の端末には影響しませんが、集線装置が故障すると、それにつながる端末全体が通信できなくなります。
リング型
複数の端末をケーブルで円形に接続する形態です。信号が流れる経路がリング型になっていて、信号は接続された順に機器間を周回します。

WANのトポロジー

WANの代表的なトポロジーには、ポイントツーポイント型とツリー型があります。

ポイントツーポイント型

2地点間接続ともいいます。1対1で2つの地点を接続する形態で、接続には専用線を用います。

ツリー型

1つの地点を元に、木の枝が分かれるようにLAN間を接続する形態です。

OSI参照モデル

ネットワークアーキテクチャの国際標準で、ISOが策定した7層からなるアーキテクチャです。

OSI参照モデルを用いることで、以下のような利点があります。

  • 大量かつ複雑な通信プロトコルを階層的に整理できる。
  • 各層には明確な役割分担があり、上から下へ(下から上へ)通信データを引き渡していくので、ある層のシステム構成を変更しても、他の層に影響しない。
  • ネットワークの特性や目的に応じて、層ごとに最適な通信プロトコルを選択することが出来る。

それぞれの層には以下のような特徴があります。

物理層

電気信号を扱う層で、データとビットの相互変換を行う。最もハードウェアに近い規約の集合であり、ケーブルやコネクタの形状や特性を定義する。

例:RS-232、電話線、ハブ、リピータ、光ケーブルなど

データリンク層

LANの内側を扱う層で、隣接するコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。データを扱う単位はフレームである。(フレーム:パケットにMACアドレス情報などを付加したモノ)

例:イーサネット、トークンリング、PPP、フレームリレー、ブリッジ(スイッチングHUB)など

ネットワーク層

LANとLANの接続を扱う層で、複数のネットワークをまたがったコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。経路選択(ルーティング)を行う。データを扱う単位はパケットである。

例:IP、ARP、ICMP、ルータなど

トランスポート層

通信の信頼性を扱う層で、通信による誤りが発生した場合の処置内容などを定義する。データを扱う単位はセグメント(パケットのもとになるデータ)である。

例:TCP、UDPなど

セッション層

データ転送のやりかたを規定するためのプロトコルです。コンピュータ間のコネクションや切断などについて規定します。

例:RPCなど

プレゼンテーション層

データの表現方式や形式の変換を扱う層で、圧縮方式や文字コードなどといった、データ表現について規定します。文字や画像、音声、動画などのデータ形式の定義も含まれます。

例:MIME、SSLなど

アプリケーション層

データ通信アプリケーションや通信サービスを扱う層で、最も人間(利用者)に近い規約の集合です。

例:HTTP、DHCP、SMTP、FTPなど

伝送方式と回線

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

用語例:単方向,半二重,全二重,WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重),回線交換,パケット交換,ATM 交換,フレームリレー,セルリレー,公衆回線,専用線,電力線通信(PLC)

伝送方式

データを転送する際の通信方式には、通信方向による違いと転送方式による違いにより分類されます。

通信方法による違いでは、単方向と双方向の2種類にわけられます。

  • 単方向: 一方通行の通信で送信側は送信だけ、受信側は受信だけの通信です。
  • 双方向: 送信も受信も両方向の通信ができます。

双方向はさらに、以下の二種類にわけられます。

  • 半二重: 送信している際に、同時に受信はできません。トランシーバのようなイメージです。一般的に2線式の配線を利用します。
  • 全二重: 送信も受信も同時にできます。電話のようなイメージです。一般的に4線式が利用されています。(受信・送信それぞれに2線ずつ)

転送方式による違いでは、シリアル(直列)とパラレル(並列)の2種類にわけられます。

  • シリアル転送方式:1本の線を利用して1ビットずつ順次転送していきます。USB、シリアルATA、SAS(Serial Attached SCSI)、IEEE1394などに利用されています。
  • パラレル転送方式:複数の線を利用して、同時に複数ビット転送していきます。プリンタ、IDEなどに利用されています。

旧来はシリアル転送方式が低速で、パラレル転送方式が高速でイたが、近年はパラレル転送方式の場合、高速にすればするほど隣接する線からのノイズが問題となり高速転送に支障が出るため、シリアル転送のほうが速度面でも優位となり、現在では高速なシリアル転送方式が多数実用化されています。

多重化方式

1本の線を使った通信は通常1対1ですが、同時に複数の相手との伝送を行う場合に多重化という技術を使います。

多重化方式には、主に以下の様なものがあります。

周波数分割多重化(FDM:Frequency Division Multiplexing)
アナログ回線で周波数を細かく分割して、分割された周波数を1対1に割り当てて複数の相手と通信をします。ADSLの基本技術となっています。
時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)
1本のデジタル回線を細かい時間で切り替えて複数の相手と通信します。
波長分割多重化(WDM:Wavelength Division Multiplexing)
光ファイバを多重化する際に、光の波長を変えて同時に送信することによって、複数の相手と同時に通信できます。

 

 

ネットワーク接続

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

LAN 内接続,LAN 間接続,LAN-WAN 接続の装置の種類,特徴,各装置の機能が,OSI 基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する。

用語例:リピータ,ハブ,カスケード接続,スイッチングハブ,ルータ,回線接続装置,レイヤ2(L2)スイッチ,レイヤ3(L3)スイッチ,ブリッジ,ゲートウェイ,プロキシサーバ,スパニングツリー

LAN間接続装置

ネットワークを接続するための装置は以下のように分類されます。

LAN内接続装置
リピータ、ハブ、ブリッジ、L2スイッチ
LAN間接続装置
ルータ、L3スイッチ
LAN-WAN接続装置
ゲートウェイ

また、これらの接続装置はOSI参照モデルの各層に対応しています。

  • 物理層:リピータ、ハブ(リピータハブ)
  • データリンク層:スイッチングハブ、ブリッジ、L2スイッチ
  • ネットワーク層:ルータ、L3スイッチ
  • トランスポート層~アプリケーション層:ゲートウェイ

LAN接続に使われる機器

リピータ

ケーブルとケーブルを接続し、伝送距離を延長するための装置です。減衰した信号を増幅し、信号を整形し送り出します。

ハブ(HUB)

パソコンなどの機器をスター形に接続する集線装置です。数個から数十個のポート(接続口)に各機器からのケーブルを接続し、相互に通信できるようにします。

受信データをすべての接続ポートに転送するリピータハブと、MACアドレスを判断し宛先の接続ポートにだけ送るスイッチングハブがあります。

ハブとハブを段階的に繋いで接続台数を増やすことをカスケード接続といいます。10BASEハブは4段まで、100BASEハブは2段まで可能です。

スター型のトポロジーを取っていることから、通信がハブに集中し、衝突が発生しやすくなっています。

MACアドレス

MACアドレス(Media Access Control Address)はNIC(Network Interface Card)の出荷時に一枚ごとにつけられる固有のID番号です。IEEE(米国電気電子技術者協会)が管理する製造メーカーコード+各メーカーが割り振る製造番号という、世界で唯一の番号なので、MACアドレスによって個々のNICを識別することができます。

MACアドレスは、IPアドレスのようにネットワークアドレスなどは含まないので、ネットワーク層より下のデータリンク層で利用されます。

なお、MACアドレスは48ビット長の16進数12桁で表現され、通常は16進数2桁ごとにハイフンで区切って表現されます。子のうち、上位6桁がIEEEが管理する製造メーカーコード、下位6桁が各メーカーが割り振る製造番号となっています。

例:00-12-34-AB-CD-EF

カスケード接続

カスケード接続とは、ハブやスイッチングハブの多段接続のことをいいます。

ハブでは接続段数に上限があり、10Mbpsタイプでは4段、100Mbpsタイプでは2段です。L2スイッチでは接続段数の制限は理論上ありません。

ブリッジ

同じプロトコルのLAN同士を接続する装置です。LANを流れてきたパケットのMACアドレスを読取り、LAN外に通過させるパケットかどうかを判別します。この機能をフィルタリングといいます。

データは『フレーム』という単位で扱われます。フレームが無限ループすることを防ぐための、スパニングツリーという機能を持っています。

レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)

レイヤ2スイッチは、スイッチやスイッチングハブと呼ばれています。ハブは入ってきたフレーム(パケット)をすべてのポートに転送してしまいますが、L2スイッチはブリッジと同様に、フレームの中にある宛先MACアドレスを判断して、宛先のMACアドレスの接続されたポートにのみ転送します。(ブリッジには一般的に2つのポートしかありませんが、L2スイッチには複数のポートがあります。)

このため、他のポートが空いているので同時に通信でき、全体の処理能力(スループット)が向上します。また、必要なポートにのみフレーム(パケット)を流すので、他のポートからはデータを見ることができないので、セキュリティの向上も可能です。

ブリッジとの違いは、ブリッジがソフトウェアを使って転送処理を行うところを、L2スイッチは専用のIC(ASIC)を使ってハードウェアで処理を行う部分です。そのため高速に動作できます。

なお、L2スイッチという名称は、後述するL3スイッチとの区別のために名づけられたもので、一般的にはスイッチングハブと呼ばれる機器のことをL2スイッチといいます。(スイッチという名称は、CISCO社製品の名称)

なお、L2スイッチには、カスケード接続の段数制限はありません。

ルータ

プロトコルやネットワークアドレスの異なるLAN同士を接続する装置です。受け取ったパケットのIPアドレスを読取り、宛先への最適な経路を選択して、宛先のネットワークへの中継を行います。この機能をルーティングといいます。

レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)

L3スイッチは、ルータと同じ機能を持っています。ルータはCPUやOSを使って動作していて、ルーティング処理をソフトウェアによって行っています。

これに対してL3スイッチは、ルーティング処理を専用のIC(ASIC)によって処理を行うため、高速にルーティングできることになります。(ただし、ルータも高速なCPUを使うなどして高速化出来るため、L3スイッチが必ずしもルータより高速とは限りません)

ルータと比べて、ポートの数が多数あるのも特徴です。

一般的に、ルータとL3スイッチは下表のような違いがあるとされていますが、それぞれの機能向上によって差異が少なくなっています。

ルータL3スイッチ
ソフトウェア処理が主体ハードウェア処理が主体
それほど高速な処理はできない高速処理
マルチプロトコル対応TCP/IPのみ
WANインタフェースを持つLANインタフェースのみ
ソフトウェアのバージョンアップによって機能追加が容易機能追加は難しい

ゲートウェイ

汎用コンピュータとTCP/IPで接続されたネットワークなど、性質やプロトコルの異なるネットワーク間を接続してデータのやり取りをする装置です。プロトコル変換機能をもち、通信媒体や伝送方式の違いを吸収することができます。

 

伝送制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能である伝送制御の仕組み,特徴を理解する。

用語例:データリンク制御,ルーティング制御,フロー制御,ベーシック手順,コンテンション方式,ポーリング/セレクティング方式,HDLC,マルチリンク手順,相手固定,交換方式,コネクション方式,コネクションレス方式,パリティチェック,CRC,ハミング符号,ビット誤り率,SYN 同期,フラグ同期,フレーム同期

伝送制御

伝送制御とは、データを確実に伝送するためのルールです。送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能で、回線の接続から通信が終了し回線を切断するまでを対象とします。

データリンク制御

相手とのデータを伝送する通信路の確立を行います。この通信路の確立を行うための手順をデータリンク制御と呼んでいます。(データリンク=論理的な伝送路)

ルーティング制御

通信相手との経路が複数ある場合、どの経路を通るか決めることをルーティング制御と呼んでいます。

フロー制御

データ通信において、データを高速に大量に受信相手に送ると、データの取りこぼしが発生する場合があります。これは、受信側が大量のデータを受け取れないことや、途中の経路でデータを転送する機器が受け取れない場合などがあります。この取りこぼしを防ぐようにする制御をフロー制御と呼んでいます。

通信誤りの検出方式

パリティチェック
通信誤り検出用のビットを付加する方式。1ビットの誤りならば検出できる。
CRC
Cyclic Redundancy Check(巡回冗長検査)の略。多項式による計算で求めたビット列を付加する方式。複数ビットの誤りを検出できる。

データリンクの確立方式

データリンクの確立方式とは、送信権の決定方式のことであり、データリンクの確立形態は1対1の接続方式(=ポイント・ツー・ポイント)と、分岐回線方式(マルチ・ドロップ)があり、それぞれ、送信権の決定には、別の方式が採用されています。

コンテンション方式

ポイント・ツー・ポイント方式で採用されていて、送信側が送信要求を出して相手側が送信権を得てデータ転送を行う方式。

ポーリング・セレクティング方式

マルチドロップ方式で採用されていて、全体の制御を行う1次局が、接続されている端末(2次局・従属局)に対して、順番に送信要求を確認していき、2次局が送信データを持っていれば、1次は2次局から送信データを受け取ります。この手続のことをポーリングといい、2次局側が送信を行う場合に行われます。

1次局から2次局にデータを送信する場合に行われるのが、セレクティングという手順で、1次局から送信対象の2次局に受信準備を依頼し、2次局が受信準備を完了したことが通知されると、1次局は2次局に対してデータを送信する。

同期方式

データの送信と受信において、タイミングを合わせるための方式。信号同期ともいい、データの開始位置と終了位置を判別することで正しく送受信するための方式。

調歩同期方式

一文字のデータを伝送するために、開始位置を示すためのスタートビットと、終了位置をしめすためのストップブットを付加する方式です。通信量の20%が同期のためのビットとして使われることになり、効率は良くない方式です。低速な文字データの伝送の場合に使用されます。

キャラクタ同期(SYN同期)方式

通信したい文字列の前後に同期用の文字符号を付加して、同期を行う方式です。この動機方式が用いられるベーシック手順という伝送制御手順の場合、同期用の文字符号をSYN符号と呼ぶため、SYN同期方式とも呼ばれます。文字列の伝送にしか使えず、低速~中速の伝送に使用されます。

*SYN符号以外には、テキスト開始のSTX符号、テキスト終了のETX符号などの基本型伝送制御符号というものが定義されている。

フラグ同期方式

文字列ではない、汎用的なビットパターンを通信する場合に用いられる方式です。フラグシーケンスと呼ばれる、特殊なビットパターンをデータの前後に付加することで、同期を行います。

基本的に、高速な常時接続の回線で用いられることが多く、その場合は通信するデータがない場合は、常時フラグシーケンスが伝送されていることになります。(フラグシーケンスではないビットパターンが来た、というのを同期のタイミングとして使う方式)

主な伝送制御手順

無手順

同期方式には、調歩同期方式を用い、誤り制御は備えていない手順。

ベーシック手順(基本データ伝送制御手順)

テキストデータを確実に伝送するための伝送手順で、同期方式にはキャラクタ同期方式を、誤り制御にはパリティチェック方式を用いる伝送手順です。

HDLC(High-Level Deta Link Control)手順

任意のビットパターンを高速に伝送するための伝送手順で、マルチリンク制御など、複数のデータリンクをまとめて扱えるのも特徴。同期方式にはフラグ同期方式を、誤り制御にはCRC方式を用いる伝送手順です。

パリティチェック方式

パリティチェック方式とは、通信誤り検出用のビットを付加する方式です。

送信するデータを8ビットで区切り、データの中にある1の数をカウントして偶数個なら0(又は1)、奇数個なら1(又は0)をデータの区切りの最後に付加します。この付加した1ビットをパリティビットといいます。

パリティビットの付け方には2種類あり、偶数パリティチェック方式では、パリティビットを含んだデータの1の個数が偶数個になるようにします。奇数パリティチェック方式の場合は、1の個数が奇数になるようにします。

受信側は、転送データが正しいかどうかのチェックに、送られてきたデータの区切り毎にデータ内の1の個数をカウントしてパリティを算出し、付加されているパリティビットと比較して同じかどうかをチェックします。

転送中にデータが誤った場合、付加されたパリティビットと受信側で計算したパリティが違うので、データの誤りを見つけることができます。

1ビットの誤りは検出できますが、複数ビットの誤りは検出することが出来ません。また訂正することも出来ません。

パラレル転送方式の場合に、縦方向(垂直方向)と横方向(水平方向)の両方でパリティを付加することが出来ます。(下図は偶数パリティの場合)


この垂直パリティと水平パリティを使うと、1ビットの誤り検出と訂正ができ、複数ビットの誤りも検出できます。

コネクション方式

通信相手ときちんと手続きを踏んで、通信路の確立を行ってから通信する方式です。

確実にデータをもれなく抜けなく送りたい場合に使用します。

コネクションレス方式

相手との通信路の確立を行わないで、送信側側が勝手にデータを送りつける方式です。データが多少ロスしようと、高速に伝送したい場合に利用されます。

マルチリンク手順

マルチリンク手順とは、複数の回線を束ねて相手と高速に通信をする技術です。例えば、ISDNの2本の64kbpsのデータ用チャネル(Bチャネル)を束ねて128kbpsで通信できます。

伝送制御手順同期方式誤り制御通信速度通信路の確立
無手順調歩同期方式なし低速コネクションレス方式
ベーシック手順キャラクタ同期方式パリティチェック低~中速コネクション方式
HDLC手順フラグ同期方式CRC高速コネクション方式

メディアアクセス制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データの送受信方法や誤り検出方法などを規定するMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)の仕組みと特徴を理解する。また,アクセス制御の目的,アクセス制御手法の代表的な種類と仕組みを理解する。

用語例:TDMA,CSMA/CD,CSMA/CA,トークンパッシング,衝突

MAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)

複数のコンピュータがネットワークに接続されていてデータを転送する際に、データが正しく送れるようにデータ伝送路を正しく利用する手順が必要になります。この制御方式をメディアアクセス制御といいます。

データの送受信方法や、誤り検出方法を規定したもので、OSI参照モデルのデータリンク層に対応し、MACアドレスという、ネットワーク接続機器に一意に割り振られたアドレスで通信相手を認識します。

TMDA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)

無線通信において、複数の利用者で回線を共有する方式です。携帯電話などで利用されていた通信方式で、一つの周波数を短時間ずつ複数の通信者で共有して利用する形態です。

近年の携帯電話(第三世代以降)は、符号化の方式を工夫して多重化する方式の、CDMA方式(Code Division Multiple Access)が用いられています。

CSMA/CD(搬送波感知多重アクセス/衝突検出)

シンプルで高速な制御手順で、バス型・スター型のLANで用いられる方式で、イーサネット(Ethernet)が採用しているメディアアクセス制御方式です。

CSMAは一つの伝送路で複数のノード(端末)のアクセスを可能とするために、送信したいノードは他のノードが伝送路を使っていないかどうか、伝送路を確認します。もし使っていれば伝送路にデータが流れているのでしばらく待ってから、もう一度確認して使っていなければデータを送信します。

もしこの時、他のノードも同時に送信すると衝突してしまって、データが重なって壊れてしまい、使えなくなってしまいます。子の衝突を検出することで、送りたいデータを再送信します。

  • CS(=Carrier Sense):搬送波感知。通信前に、一度受信し、通信中のホスト型にあるか確認。
  • MA(=Multiple Access):多重アクセス。複数のクライアントは同じ回線を共用し、他社が通信していなければ、自分の通信を開始する。
  • CD(Collision Detection):衝突を検知し、再送信する。なお、待ち時間はランダムに取られる。

*CSMA/CD方式は、通信量が多いと、待ちや再送信が多発し、効率が非常に悪くなる。

CSMA/CA(搬送波感知多重アクセス/衝突回避)

『衝突』の検知を行うことが物理的に不可能な、無線接続において使用される方式で、CSMAの部分は、CSMA/CDと同じ。

CA(=Collision Avoidance):衝突回避。搬送波感知を行った段階で、通信中のホストを検出した場合、待ち時間の間隔を徐々に短くしながら、待って再送信を行う方式。

トークンパッシング

トークンリング方式やFDDI(Fiber-Distributed Data Interface)が利用しているメディアアクセス制御方式です。

トークンと呼ばれる送信権がネットワークを流れていて、このトークンを取り込んだノードがデータを送信できる方式です。データを送信すると、送信したノードは、ネットワークにトークンを流します。これで、誤って同時にデータを送信してしまう衝突を防ぐことが出来ます。

通信プロトコル

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・代表的なプロトコルであるTCP/IP がOSI 基本参照モデルのどの階層の機能を実現しているか,その役割は何かを修得し,応用する。

【ITパスポート】
・通信プロトコルの必要性を理解する。
・身近で利用されている代表的なプロトコルの役割を理解する。

(1)プロトコルとインタフェース ITパスポート 基本情報 応用情報

1.TCP/IP

TCP/IP をOSI 基本参照モデルの7 階層と対比させながら,各層が果たす役割,提供しているインタフェースを理解する。また,代表的なサービスのポート番号(ウェルノウンポート)などを理解する。

用語例:パケット,ヘッダ

2.データリンク層のプロトコル

ARP など,TCP/IP ネットワークにおいて使用されるデータリンク層レベルのプロトコルの役割,機能を理解する。

用語例:RARP(Reverse Address Resolution Protocol:逆アドレス解決プロトコル),PPP,PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet),VLAN

3.ネットワーク層のプロトコル

IP の役割,機能を理解する。

用語例:IP アドレス,サブネットアドレス,サブネットマスク,物理アドレス,ルーティング,ユニキャスト,ブロードキャスト,マルチキャスト,ICMP(Internet Control Message Protocol),CIDR(Classless Inter Domain Routing),IPv6

4.トランスポート層のプロトコル

TCP とUDP の役割,機能を理解する。

用語例:ポート番号

5.アプリケーション層のプロトコル

HTTP,SMTP,POP,FTP,DNS などの役割,機能を理解する。

用語例:TELNET,DHCP,IMAP,NTP,SOAP(Simple Object Access Protocol)

6.LAN とWAN のインタフェース

イーサネット,無線LAN,ISDN,PRI(Primary Rate Interface:1 次群インタフェース),ATM など,LAN とWAN で使用される代表的なインタフェースの役割,機能を理解する。

用語例:10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,IEEE802.11a/b/g/n/ac

7.CORBA

CORBA はプログラム言語やネットワークプロトコルに依存せず,異機種分散環境におけるシステム統合の基盤の考え方として利用できることを理解する。

用語例:分散オブジェクト技術,クライアント,オブジェクトサービス,リクエストアプリケーションオブジェクト

TCP/IP

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

TCP/IP をOSI 基本参照モデルの7 階層と対比させながら,各層が果たす役割,提供しているインタフェースを理解する。また,代表的なサービスのポート番号(ウェルノウンポート)などを理解する。

用語例:パケット,ヘッダ

プロトコル

コンピュータ間でデータ通信をするには、お互いがデータを間違いなく受け渡しするためのさまざまな規約(約束事)が必要です。このデータ通信に必要な規約をプロトコルといいます。

代表的なプロトコルにTCP/IPがあります。

TCP/IP

インターネットやLANで利用される、TCP/IPは多くのネットワークで利用されているプロトコルです。TCPとIPの2つのプロトコルから構成されています。

TCP(Transmission Control Protocol)
トランスポート層(第4層)のプロトコル。パケットを確実に送受信する役割を持ち、パケットの到着確認や送受信に失敗したときの再送制御などを行います。
IP(Internet Protocol)
ネットワーク層(第3層)のプロトコル。パケットに、宛先のコンピュータを示すIPアドレスを付けて送信します。また、受信したパケットの送信元IPアドレスを元に返送先を判断します。

OSI基本参照モデル

ISO(国際標準化機構)が策定した通信プロトコルの標準モデルを、OSI基本参照モデルといいます。多くのプロトコルがこのモデルに準拠しています。

OSI基本参照モデルは、上位層に人間の操作に近い機能、下位層に物理的な機能を位置づけてモデル化している。

OSI基本参照モデルの角層は、役割分担しながら通信データを引き渡していきます。このため、ある層のシステム構成を変更しても、他の層に影響しないようになっています。

 

データリンク層のプロトコル

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ARP など,TCP/IP ネットワークにおいて使用されるデータリンク層レベルのプロトコルの役割,機能を理解する。

用語例:RARP(Reverse Address Resolution Protocol:逆アドレス解決プロトコル),PPP,PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet),VLAN

PPPとPPPoE

PPP(Point to Point Protocol)は、ダイアルアップ接続などに用いられる2点間接続のプロトコルです。

PPPoE(PPP on Ethernet)とは、イーサネットLANでのPPPプロトコルです。

ARPとRARP

MACアドレスとIPアドレスの変換プロトコルです。

ARP:Address Resolution Protocol(アドレス解決プロトコル)
IPアドレス宛の送信を行う場合に必要なMACアドレスを提供します。
RARP:Reverse ARP
MACアドレスからIPアドレスを得ます。

 

 

ネットワーク層のプロトコル

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

IP の役割,機能を理解する。

用語例:IP アドレス,サブネットアドレス,サブネットマスク,物理アドレス,ルーティング,ユニキャスト,ブロードキャスト,マルチキャスト,ICMP(Internet Control Message Protocol),CIDR(Classless Inter Domain Routing),IPv6

TCP/IPインターネット層のプロトコル

IP:インターネットプロトコル。ネットワークとネットワークにおけるコンピュータや機器を識別するためのプロトコル。

他には、ネットワーク管理用のメッセージを返すプロトコルのICMPや、下位層と連携するARPやRARPなどがあります。

*ARPやRARPのように、複数の層にまたがるプロトコルもあります。

IPアドレス(IPアドレスv4)

TCP/IPを用いるネットワークでは、コンピュータやネットワークを識別するための番号であるIPアドレスを、各端末に重複しないように割り当てます。

IPアドレスは32ビットからなる識別番号です。通常は、わかりやすいように4つの10進数にします。32ビットの2進数を8ビットずつの4つのブロックに分け、ブロックごとに10進数に直し、ピリオドで区切って「192.168.10.1」のように表記します。

ネットワーク部とホスト部

IPアドレスは、32ビットを任意の位置で前後に区切り、前半部分をネットワーク部、後半部分をホスト部として使います。

ネットワーク部とは、ネットワークを識別するための番号です。ネットワーク部分の番号が同じIPアドレスは、同じネットワークに属する端末と見なされます。

ホスト部とは、ネットワーク内で端末(ホスト)を識別するための番号です。

ネットワーク部とホスト部を何ビットずつとするかは、ネットワークの規模によって変わります。ネットワーク部が長いほうが多くのネットワークを相互接続できます。一つのネットワークに多くの端末を接続する場合には、ホスト部のビット数を長く取ります。

なお、制約として、ネットワーク部がすべて1、またはすべて0になるアドレス、ホスト部がすべて1になる、またはすべて0になるアドレスは、別途用途が定められているため、使用できません。(例としては、下記のものなどがある。)

・サブネットマスク:ネットワーク部がすべて1かつホスト部がすべて0のアドレス
・ブロードキャスト:対象となるネットワークのホスト部をすべて1にしたアドレス

アドレスクラス

アドレスクラスは、IPアドレスを規模などに応じてA~Eに分割したものです。

クラスA:大規模ネットワーク用
先頭1ビットが0であるアドレス。(1.0.0.0~126.255.255.255)
第1オクテットがネットワーク部、第2~4オクテットがホスト部なので、大量のホストを含むネットワークを登録可能。
クラスB:中規模ネットワーク用
先頭2ビットが「10」であるアドレス。(128.0.0.0~191.255.255.255)
第1~2オクテットがネットワーク部、第3~4オクテットがホスト部なので、ネットワーク数もホスト数も多くを登録可能。
クラスC:小規模ネットワーク用
先頭3ビットが「110」であるアドレス。(192.0.0.0~223.255.255.255)
第1~3オクテットがネットワーク部、第4オクテットがホスト部なので、ホスト数の少ないネットワークを大量に登録可能。
クラスD:マルチキャスト用(特殊用途)
先頭4ビットが「1110」であるアドレス。
クラスE:実験用(特殊用途)
先頭4ビットが「1111」であるアドレス。

なお、クラスD、Eのアドレス(224.0.0.0以降)はコンピュータや機器に設定してはならないとされています。

サブネットアドレス

サブネットアドレスは、1つのネットワークを内部で分割して利用する仕組みです。クラスCでも1ネットワークにつき1~254の254アドレスあり、小規模ネットワークでは無駄な空きアドレスが多くなります。

そこでネットワークを柔軟に変更したい場合、ホスト部の上位ビットを用いて、ネットワークをさらに分割したのがサブネットです。

例えば、下図のようにクラスCのホスト部8ビットのうち、前半分の4ビットをサブネット部とすると、各14個のアドレスを持つ、14個のサブネットに分割ができる。(サブネット部も全1、全0の設定は不可)

サブネットマスク

サブネットマスクとは、ネットワーク部+サブネット部の長さを示すビット列です。

アドレスクラスは戦闘のビットで決まるので、ネットワーク部の長さは判別できます。しかし、サブネット部の長さがわからないので、そのために用いる情報です。

サブネットアドレスのネットワーク部+サブネット部を1で、ホスト部を0で示します。この方法をCIDR(Classless Inter Domain Routing)といいます。

ユニキャスト

単一のIPアドレス宛の通信

マルチキャスト

グループ化した複数のIPアドレス宛の通信で、クラスDのIPアドレスを用いる。

ブロードキャスト

ネットワーク内の全ての相手への通信で、IPアドレスを指定しない。

ICMP(Internet Control Message Protocol)

ICMPとは、ネットワーク管理用のメッセージを返すプロトコルです。パケットを用いて通信状況を調査し、結果をメッセージで返します。

ICMPにより動作するプログラムには以下のようなものがあります。

  • ping:指定したIPアドレスへの導通可否と応答所要時間を表示する。
  • traceroute:指定したIPアドレスへの通信経路を擬似的に表示する。

IPv6

従来から使われているIPアドレスはIPv4(バージョン4)ですが、インターネットの普及につれ、IPアドレスの数が不足するようになり、また、動画などの高速配信サービスなどが増え、より高品質な通信技術が必要になりました。このため、次世代IP技術として、IPv6が策定され、実用化が進められてきました。

32ビット長であるIPv4のIPアドレス数は約43億個ですが、IPv6のIPアドレスは128ビット長で、3.4×1038個という膨大な数のアドレスが利用できます。

また、IPv6にはパケットのヘッダ情報の中に認証機能を追加でき、暗号化機能を標準で備えているなど、優れたセキュリティ機能があります。

 

トランスポート層のプロトコル

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

TCP とUDP の役割,機能を理解する。

用語例:ポート番号

TCP/IPトランスポート層のプロトコル

TCP/IPトランスポート層はOSI基本参照モデルのトランスポート層に相当します。

TCP/IPトランスポート層に位置づけられているプロトコルには、TCP、UDPなどがあります。

TCP:Transmission Control Protocol
通信の信頼性を確保する代わりに低速。電子メールやWWWなどが用いる。
UDP:User Datagram Protocol
通信の信頼性よりも速度を優先する。ストリーミングやDNSなどが用いる。

ポート番号

ポート番号とは、パケットを渡すべきアプリケーションを区別する番号です。

例えば、Webサーバとメールサーバの両方が稼働しているパソコンに届いたパケットが電子メールデータなら、メールサーバに引き渡す必要があります。

このため、Webサーバは80番、メールサーバは25番など、アプリケーションを区別するためのポート番号がパケットヘッダに記載されています。

特にWebサーバの80番といった、多くのサーバで共通して用いられているポート番号をウェルノウンポート番号といいます。

以下の表は、代表的なウェルノウンポート番号です。

ポート番号プロトコルアプリケーション
20,21ftpファイル転送
23telnet遠隔操作
25smtpメール転送・送信
53dnsDNS
80httpWWW
110pop3メール一括受信
143imapメール受信・操作
443httpsセキュアWWW

TCPはパケットを送信する時に、宛先のポート番号をパケットに書き込んでIPに引き渡します。

IPはそのパケットに宛先IPアドレスを付け、下位のプロトコルに引き渡します。

アプリケーション層のプロトコル

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

HTTP,SMTP,POP,FTP,DNS などの役割,機能を理解する。

用語例:TELNET,DHCP,IMAP,NTP,SOAP(Simple Object Access Protocol)

TCP/IPアプリケーション層のプロトコル

上位のアプリケーション層で働くプロトコルには、インターネットのWWWサービスでHTMLファイルのやり取りに用いられるHTTPや、電子メールのやり取りに用いられるSMTPやPOP3、ファイル転送用のFTPなどがあります。

HTTP(HyperText Transfer Protocol)

Webサーバとブラウザなどのクライアント間でのハイパテキストの送受信のプロトコルです。主に、HTML文書および関連する画像・音声・動画などを受け渡します。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)

メールサーバ間のメール転送のプロトコルで、メールクライアントからメールサーバへの転送(=メールの送信)に用いられます。

POP3(Post Office Protocol)

メールサーバからメールクライアントへのメール受信のプロトコルで、バージョン3のPOP3が主流です。基本的にすべてのメールを一括で受信し、サーバから削除します。

IMAP(Internet Message Access Protocol)

メールサーバにあるメールを受信したり、操作したりするプロトコルです。サーバにメールが残るので容量を圧迫しないように注意が必要です。

FTP(File Transfer Protocol)

FTPサーバとFTPクライアント間のファイル転送プロトコルです。片方のポートは制御用であるため、HTTPよりも効率の良い転送が可能です。

TELNET

TELNETサーバにTELNETクライアントから接続し、コマンドを入力することにより、サーバを遠隔操作するプロトコルです。遠隔地のコンピュータをインターネット経由で操作することが可能です。セキュリティ上、危険なプロトコルであり、利用には注意が必要です。

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)

主に一時的に接続するコンピュータに対して、IPアドレスなどの接続情報を割り当てるプロトコルです。

NTP(Network Time Protocol)

時刻情報を提供し、時計合わせに用いるプロトコルです。NTPサーバから時刻情報を受け取り、NTPクライアントがそのコンピュータの内部時計を合わせます。

 

LAN とWAN のインタフェース

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

イーサネット,無線LAN,ISDN,PRI(Primary Rate Interface:1 次群インタフェース),ATM など,LAN とWAN で使用される代表的なインタフェースの役割,機能を理解する。

用語例:10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,IEEE802.11a/b/g/n/ac

イーサネット

CSMA/CD方式を用いる、LANの世界標準です。IEEE802.3 委員会によって標準化されました。CSMA/CD方式を採用しているので、トポロジはバス型かスター型になります。その仕様を「●BASE▲」で表します。

10BASE-5

Thickケーブルを用いる、低速ですが伝送距離の長いバス型LANです。

  • 太い同軸ケーブルを利用する。
  • 通信速度:10Mbps(低速)
  • 最大伝送距離:500m(長距離)
  • 高コストで引き回し(敷設)が難しいがケーブルが丈夫で伝送距離が長いので工場などに向く。

10BASE-2

Thinケーブルを用いる、10BASE-5を簡易にしたバス型LANです。

  • 細い同軸ケーブルを利用する。
  • 通信速度:10Mbps(低速)
  • 最大伝送距離:185m(やや長距離)
  • 10BASE-5寄りは低コストで引き回しが楽だが、コストパフォーマンスは低く、ほとんど利用されていない。

10BASE-T

UTPケーブルを用いる、安価で扱いやすいスター型LANです。

  • UTP(より対線)ケーブルを利用する
  • 通信速度:10Mbps(低速)
  • 最大伝送距離:100m(短距離)
  • 短距離だが安価で扱いやすく、広く普及した。より高速な100BASE-TXなどに置き換えられつつある。

100BASE-TX

UTPケーブルを用いるファストイーサネットのスター型LANです。

  • カテゴリ5(高速用)のUTPケーブルを用いる。
  • 通信速度:100Mbps(やや高速)
  • 最大伝送距離:100m(短距離)
  • 高速用のケーブルにより、10BASE-Tを高速化した規格。下位互換性があり、急激に普及している。

100BASE-FX

光ファイバケーブルを用いる、ファストイーサネットのスター型LANです。

  • 光ファイバケーブルを用いる。
  • 通信速度:100Mbps(やや高速)
  • 最大伝送距離:20kmなど(超長距離)
  • 非常に高価だが、周囲の電磁波などによる影響を受けない。

1000BASE-TX

UTPケーブルを用いる、ギガイーサネットのスター型LANです。

  • カテゴリ5のUTPケーブルを用いる。
  • 通信速度:1Gbps(超高速)
  • 最大伝送距離:100m(短距離)
  • 100BASE-TXを超高速化した技術で、UTPケーブルよりもシールド付きケーブルが推奨されており、高価。

1000BASE-LX

光ファイバケーブルを用いる、ギガイーサネットのスター型LANです。

  • 光ファイバケーブルを用いる。
  • 通信速度:1Gbps(超高速)
  • 最大伝送距離:5kmなど(長距離)
  • 非常に効果だが、周囲の電磁波などによる影響を受けず、超高速なLANを長距離で安定して利用できる。

 

CORBA

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

CORBA はプログラム言語やネットワークプロトコルに依存せず,異機種分散環境におけるシステム統合の基盤の考え方として利用できることを理解する。

用語例:分散オブジェクト技術,クライアント,オブジェクトサービス,リクエストアプリケーションオブジェクト

CORBA(Common Object Request Broker Architecture)

分散オブジェクト技術の代表です。OMG(Object Management Group)が制定した分散オブジェクト技術の仕様で、ネットワーク上に分散しているプログラム間で相互利用を可能にする規格です。

 

ネットワーク管理

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・ネットワーク運用管理の管理項目,管理方法を修得し,応用する。
・ネットワーク管理のためのツール,プロトコルの機能,仕組み,利用法を修得し,応用する。

(1)ネットワーク運用管理 基本情報 応用情報

1.構成管理

構成情報を維持し,変更を記録する構成管理の管理方法を理解する。

用語例:ネットワーク構成, バージョン, SDN ( Software-Defined Networking ),OpenFlow

2.障害管理

障害の検出,分析,対応を行う障害管理の管理方法を理解する。

用語例:情報収集,障害の切分け,障害原因の特定,復旧措置,記録

3.性能管理

トラフィック量と転送時間の関係の分析などによる,ネットワークの性能の管理方法を理解する。

用語例:トラフィック監視

(2)ネットワーク管理ツール 基本情報 応用情報

ネットワーク管理に利用されているツールの機能,仕組みを理解する。

用語例:ping,ipconfig,arp,netstat

(3)SNMP 基本情報 応用情報

ネットワークを構成する機器を集中管理するためのプロトコルであるSNMP とMIB(Management Information Base:管理情報ベース)を使用したトラフィック解析方法を理解する。

用語例:SNMP エージェント,SNMP 管理ステーション,MIB(Management Information Base:管理情報ベース),get 要求,put 要求,trap 要求

ネットワーク運用管理

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

  • 構成情報を維持し,変更を記録する構成管理の管理方法を理解する。
  • 障害の検出,分析,対応を行う障害管理の管理方法を理解する。
  • トラフィック量と転送時間の関係の分析などによる,ネットワークの性能の管理方法を理解する。

用語例:ネットワーク構成, バージョン, SDN ( Software-Defined Networking ),OpenFlow、情報収集,障害の切分け,障害原因の特定,復旧措置,記録、トラフィック監視

構成管理

構成情報を維持し、変更を記録することです。

  • ネットワーク構成の管理
    • 対象:コンピュータと周辺機器、ネットワーク機器:設定内容、接続図、購入日、リース期限など
    • アドレスの管理:無線LANアクセスポイントへの接続可能なMACアドレスの一覧、ローカルIPアドレスの採番ルールと付与済みアドレスの一覧、サブネットマスクなど
  • バージョン管理
    • ソフトウェア:コンピュータやルータ、ゲートウェイなどのOSやシェルの種類とバージョン、共有しているソフトウェアのバージョンなど
    • ドキュメント:構成管理で作成した文章のバージョンと更新履歴など

障害管理

障害管理とは、不具合の検出、分析、対応を行うことです。

性能管理

ネットワークの性能の分析と監視を行います。トラフィック量と転送時間の関係を分析し、ネットワークの性能を維持管理します。

また、トラフィックの監視も重要です。異常な通信の発見とネットワークの混雑の発生などを察知し、ネットワークのスループットの低下やレスポンスタイムの増大を防止します。

ネットワーク管理ツール

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ネットワーク管理に利用されているツールの機能,仕組みを理解する。

用語例:ping,ipconfig,arp,netstat

TCP/IPのトラブルシューティングツール

TCP/IPのトラブルシューティングには、TCP/IPユーティリティを利用します。主なOSにコマンドとして含まれています。

ネットワークで多いトラブルは、他のコンピュータと通信できないというものなので、TCP/IPユーティリティのコマンドを使用すると、コンピュータや周辺機器のどこで障害が発生しているかを切り分けて特定することが出来ます。

ping

コンピュータや周辺機器が正しく接続されているか(導通可否)と、通信にかかる時間(応答時間)を測定できます。

ipconfig

TCP/IPの構成情報を確認します。正しく設定されている場合には、IPアドレスやサブネットマスクなどの値が表示されます。

arp

ARPテーブルを表示および変更するためのコマンドです。ARPテーブルとは、IPアドレスとMACアドレスの対応情報です。

netstat

TCP/IPの通信状況を表示します。接続しているコンピュータの一覧やルーティングテーブルなどを表示することが出来ます。

 

SNMP

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ネットワークを構成する機器を集中管理するためのプロトコルであるSNMP とMIB(Management Information Base:管理情報ベース)を使用したトラフィック解析方法を理解する。

用語例:SNMP エージェント,SNMP 管理ステーション,MIB(Management Information Base:管理情報ベース),get 要求,put 要求,trap 要求

SNMP(Sinple Network Management Protocol)

SNMPとは、ネットワークに接続された通信機器を管理するプロトコルのことです。

  • TCP/IPネットワークにおいて、ネットワーク管理を可能とします。
  • ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御します。
  • 監視対象にSNMPエージェントを置き、SNMP管理ステーションから監視します。

SNMPエージェント

SNMPエージェントとは、SNMPで監視される側に必要な仕掛けのことです。

  • 監視される側(PC、スイッチ、ルータなど)の仕掛けであり、SNMP管理ステーションとの情報交換を行います。
  • 管理用のデータベースであるMIBが組み込まれており、収集した情報を効率よく蓄積・管理できます。
  • SNMP対応機器にはあらかじめ組み込まれています。

SNMP管理ステーション

SNMPで監視する側の仕掛けであり、SNMPエージェントとの情報交換を行います。管理・監視する対象のMIBに基づき、適切な設定を行うことが出来ます。

MIB(Management Information Base:管理情報ベース)

SNMPエージェントに組み込まれている管理情報データベースのことです。

 

 

ネットワーク応用

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・インターネットで利用されている電子メールやWeb などの仕組み,特徴,機能を修得し,応用する。
・イントラネットとエクストラネットの仕組み,特徴を修得し,応用する。
・ネットワークOS の仕組み,特徴,機能を修得し,応用する。
・代表的な通信サービスの種類,特徴,機能,留意事項を修得し,応用する。
・モバイルシステムの仕組み,特徴を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・インターネットの基本的な仕組みとサービスの特徴を理解する。
・通信サービスの特徴,伝送速度などを理解する。

(1)インターネット ITパスポート 基本情報 応用情報

1.電子メール

電子メールシステムはメールサーバとメールクライアントで構成されており,送信したメールはメールサーバからメールサーバへリレー方式で配送される仕組みであること,電子メールシステムの特徴,機能を理解する。

用語例:SMTP,POP3,IMAP4,MIME,base64

2.Web

WWW はインターネット上で提供されるハイパテキストのシステムであり,Web サーバとクライアント(Web ブラウザ)を利用してアクセスすること,Web ページはHTML,XML などのマークアップ言語で記述され,ハイパリンクで簡単に別のページを参照できることや,Web アプリケーションシステムの仕組み,特徴,機能を理解する。

用語例:HTTP,CGI,cookie,URL,セッションID

3.ファイル転送

FTP サーバとクライアントの仕組みやWeb への組込み方式の仕組み,特徴,機能を理解する。

用語例:アップロード,ダウンロード,TFTP(Trivial File Transfer Protocol)

4.検索エンジン

Web の環境で利用される代表的な検索エンジンの仕組み,特徴を理解する。

用語例:全文検索型,ディレクトリ型,ロボット型

(2)イントラネット 基本情報 応用情報

インターネットの技術を企業内ネットワークの構築に応用したイントラネットの仕組み,特徴,機能を理解する。

用語例:VPN,相手固定接続,プライベートIP アドレス,NAT

(3)エクストラネット 基本情報 応用情報

企業のイントラネットを相互接続したエクストラネットの仕組み,特徴,機能を理解する。

用語例:EC(Electronic Commerce:電子商取引),EDI

(4)ネットワークOS 基本情報 応用情報

ネットワーク管理や通信サービスの提供を専門に行うソフトウェアであるネットワークOSの仕組み,特徴,機能を理解する。

用語例:ピアツーピア形式,クライアントサーバ形式,NetWare

(5)通信サービス ITパスポート 基本情報 応用情報

代表的な通信サービスの種類,特徴,機能,利用条件,サービス選択上の留意事項を理解する。

用語例:専用線サービス,回線交換サービス,パケット交換サービス,フレームリレー,セルリレー,ATM,IP 電話,ADSL,xDSL,FTTH,衛星通信サービス,国際通信サービス,広域Ethernet,IP-VPN,ベストエフォート

(6)モバイルシステム 基本情報 応用情報

1.モバイル通信サービス

モバイル通信サービスの種類,特徴,サービス選択上の留意事項を理解する。

用語例:移動体通信事業者,仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator),LTE,VoLTE,キャリアアグリゲーション,SIM カード

2.モバイルシステム構成要素

モバイルシステムの構成要素,特徴,機能を理解する。

用語例:基地局,フェムトセル,携帯端末(携帯電話,スマートフォン,タブレット端末ほか),テザリング

3.モバイル通信技術

無線LAN も含め,無線通信で用いられる基盤技術の特徴を理解する。

用語例:ハンドオーバ,ローミング,MIMO,省電力化技術(間欠受信,ドーマント(プリザベーション)ほか)