「システムの評価指標」カテゴリーアーカイブ

【応用情報・基本情報】
システムの性能,信頼性,経済性を測るための考え方,評価指標,それらを高める設計の考え方を修得し,応用する。

【ITパスポート】
システムの性能,信頼性,経済性の考え方を理解する。

システムの評価指標

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
システムの性能,信頼性,経済性を測るための考え方,評価指標,それらを高める設計の考え方を修得し,応用する。

【ITパスポート】
システムの性能,信頼性,経済性の考え方を理解する。

(1)システムの性能特性と評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.システムの性能指標

システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。

用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックス

2.キャパシティプランニング

キャパシティプランニングの目的,考え方,システムに求められる処理の種類,量,処理時間などを検討し,性能要件からサーバやストレージなどの性能諸元を見積り,システムの性能を継続的に把握,評価するという手順を理解する。

用語例:負荷,サイジング,スケールアウト,スケールアップ,容量・能力管理,システムパラメータ,プロビジョニング

(2)システムの信頼性特性と評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.RASIS

システムを評価する際の評価項目となるReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を理解する。

2.信頼性指標と信頼性計算

MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する。

用語例:バスタブ曲線

(3)システムの経済性の評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や,初期コスト(イニシャルコスト)やTCO による評価を理解する。また,初期コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別などを理解する。

 

システムの性能特性と評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。

用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックス

システムの性能評価

システムの性能を数値化して評価するための指標には、次のものがあります。

  • レスポンスタイム: 入力完了から出力完了までの応答時間、内部処理時間やデータ転送時間など
  • スループット: 単位時間あたりのシステムの仕事量
  • ターンアラウンドタイム: 情報がシステムを一巡して返ってくるまでの時間


幾つかのシステムの性能を比較するために、同じ条件下で同じ処理をさせてスループットなどを計測するテスト方式を、ベンチマークテストといいます。

ベンチマーク

ベンチマークとは、異なるコンピュータのハードウェアやソフトウェアの性能を表す指標のことです。

ベンチマークテストでは、特別なプログラムを実行して性能を測定します。高性能コンピュータの性能を測る「LINPACK」、トランザクション処理の性能を測る「TPC」、3次元画像処理性能の性能を測る「3DMark」などがあります。

インストラクションミックスと同様の指標の仲間ですが、インストラクションミックスは使用を基に計算できるのに対して、ベンチマークは主にプログラム実行によって測定します。

TPC(Transaction Processing Performance Council)

TPC(トランザクション処理性能評議会)は、異なるトランザクション処理システムの共通のベンチマークを制定している企業等の団体です。制定されたベンチマークはTPC-A, B, C, D, E などと命名されています。

SPECint(Standard Performance Evaluation Corporation Integer benchmark)

SPECint(標準性能評価法人整数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの整数演算を測定するベンチマークです。

SPECfp(Standard Performance Evaluation Corporation Floating Point number benchmark)

SPECfp(標準性能評価法人浮動小数点数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの浮動小数点数演算を測定するベンチマークです。

モニタリング

モニタリングとは、情報システムの全体が意図通りに運用されているかどうかを把握するために、実行状況を眺めている活動です。次のような事項を監視します。

  • さまざまな処理を効率的に処理しているか
  • 負荷が大きくなって効率が低下していないか
  • サーバやネットワークが停止していないか

キャパシティプランニング

情報システムのニーズによって、情報システムの処理性能や数量などを見積もって、費用や納期を考慮しつつ最適なシステム容量を計画することを、キャパシティプランニングといいます。

情報システムが稼働を開始した後も、利用件数の増加に応じてサーバを高性能のものへ変えたり、外部記憶装置の容量を増やしたり、通信回線の容量を増やしたりすることがあります。

したがって、キャパシティプランニングはシステムの新規開発のときだけではなく、稼働を開始した後も継続的に行われます。

 

システムの信頼性特性と評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • システムを評価する際の評価項目となるReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を理解する。
  • MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する。

用語例:バスタブ曲線

システムの信頼性

システムの信頼性を評価する指標に「RASIS」があります。RASISとは、下の表に上げる各キーワードの頭文字を取ったものです。

Reliability(信頼性)故障や障害の発生しにくさ、安定性を表します。
Availability(可用性)稼働している割合の多さ、稼働率を表します。
Serviceability(保守性)障害時のメンテナンスのしやすさ、復旧の速さを表します。
Integrity(保全性・完全性)障害時や過負荷時におけるデータの書き換えや不整合、消失の起こりにくさを表します。
Security(機密性)情報漏えいや不正侵入などの起こりにくさを表します。

システムの稼働率

システムの信頼性を数値的に評価する基準として、MTBFやMTTR、稼働率が使われます。稼働率はシステムの全稼働時間に対する、正常に動作している時間の割合です。

MTBFとMTTR

MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)
故障から次の故障までの時間の平均値です。システムが正常に稼働していた時期を指します。
MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)
修理にかかる時間の平均値です。システムが停止していた時期を指します。

全稼働時間を「MTBF+MTTR」とし、全稼働時間のうち正常に稼働した時間(MTBF)の割合を稼働率として求めます。

稼働率やMTBF、MTTRはRASISの尺度となる値です。

MTBFが長い:停止しにくく「信頼性」の高いシステム
MTTRが短い:復旧が速く「保守性」の高いシステム
稼働率が高い:「可用性」の高いシステム

直列接続の稼働率

いくつかの装置やシステムを組み合わせて構築したシステム全体の信頼度は、個々の装置などの稼働率から求めることができます。

二つ(又はそれ以上)のサブシステムが直列の状態で連結している構造のシステムでは、いずれかのサブシステムが停止するとシステム全体の機能が停止してしまいます。この場合、システム全体の稼働率は各サブシステムの稼働率をかけ合わせた値となります。

並列接続の稼働率

二つ(又はそれ以上)のサブシステムが並列の状態で連結している構造のシステムは、いずれかのサブシステムが停止しても、残りのサブシステムで処理と代行できるため、システム全体の停止を避けられる構造です。この場合、システム全体の稼働率は以下の式で求めます。

バスタブ曲線

バスタブ曲線とは、システムの故障率曲線のことで、機械や装置の時間経過tに伴う故障率y(t)の典型的な変化を表す曲線のことです。形状が浴槽(バスタブ)の底の曲線に似ているためバスタブ曲線と呼ばれます。

時間経過により、初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期の3期に分けられます。

  • 初期故障機には、故障率が高い状態から始まって、次第に故障率が減少して、安定した状態へ移ります。主に製造上の欠陥による故障が起きます。
  • 偶発故障期には、故障率は時間経過にかかわらず、ほぼ一定です。故障は主に偶発的に起きます。
  • 摩耗故障機には、故障率は次第に増加して寿命に達したと判断されます。故障は主に摩耗などによっておきます。

ソフトウェアの場合「摩耗」というのはイメージしにくいですが、技術の陳腐化による保守性の低下や、セキュリティホールの発覚など、摩耗機に顕在化するリスクも存在します。

システムの経済性の評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や,初期コスト(イニシャルコスト)やTCO による評価を理解する。また,初期コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別などを理解する。

システムの経済性

 

システムを新たに導入するときには、ソフトウェアの開発費用はハードウェアの購入設置費用といった初期コストがかかります。

また、導入後には設備維持費や光熱費、人件費、リース料などの運用コスト(ランニングコスト)がかかります。

システム導入を検討する際には、ランニングコストを含めた総保有費用(TCO:Total Cost of Ownership)を試算して、費用対効果を検討する必要があります。

リースとレンタル

・リース
 数ヶ月~数年の長期の賃貸契約
 期間あたりの費用は安い
 基本的には中途解約は出来ない
 修繕費などの維持管理コストは貸した側が負担する

・レンタル
 数日程度の短期の賃貸契約
 期間あたりでは割高
 修繕費用は借りた側が負担する