ITの基礎知識|ITパスポート・基本情報

システムの性能特性と評価

2017.10.18

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。

用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックス

システムの性能評価

システムの性能を数値化して評価するための指標には、次のものがあります。

  • レスポンスタイム: 入力完了から出力完了までの応答時間、内部処理時間やデータ転送時間など
  • スループット: 単位時間あたりのシステムの仕事量
  • ターンアラウンドタイム: 情報がシステムを一巡して返ってくるまでの時間


幾つかのシステムの性能を比較するために、同じ条件下で同じ処理をさせてスループットなどを計測するテスト方式を、ベンチマークテストといいます。

ベンチマーク

ベンチマークとは、異なるコンピュータのハードウェアやソフトウェアの性能を表す指標のことです。

ベンチマークテストでは、特別なプログラムを実行して性能を測定します。高性能コンピュータの性能を測る「LINPACK」、トランザクション処理の性能を測る「TPC」、3次元画像処理性能の性能を測る「3DMark」などがあります。

インストラクションミックスと同様の指標の仲間ですが、インストラクションミックスは使用を基に計算できるのに対して、ベンチマークは主にプログラム実行によって測定します。

TPC(Transaction Processing Performance Council)

TPC(トランザクション処理性能評議会)は、異なるトランザクション処理システムの共通のベンチマークを制定している企業等の団体です。制定されたベンチマークはTPC-A, B, C, D, E などと命名されています。

SPECint(Standard Performance Evaluation Corporation Integer benchmark)

SPECint(標準性能評価法人整数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの整数演算を測定するベンチマークです。

SPECfp(Standard Performance Evaluation Corporation Floating Point number benchmark)

SPECfp(標準性能評価法人浮動小数点数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの浮動小数点数演算を測定するベンチマークです。

モニタリング

モニタリングとは、情報システムの全体が意図通りに運用されているかどうかを把握するために、実行状況を眺めている活動です。次のような事項を監視します。

  • さまざまな処理を効率的に処理しているか
  • 負荷が大きくなって効率が低下していないか
  • サーバやネットワークが停止していないか

キャパシティプランニング

情報システムのニーズによって、情報システムの処理性能や数量などを見積もって、費用や納期を考慮しつつ最適なシステム容量を計画することを、キャパシティプランニングといいます。

情報システムが稼働を開始した後も、利用件数の増加に応じてサーバを高性能のものへ変えたり、外部記憶装置の容量を増やしたり、通信回線の容量を増やしたりすることがあります。

したがって、キャパシティプランニングはシステムの新規開発のときだけではなく、稼働を開始した後も継続的に行われます。