「システム構成要素」カテゴリーアーカイブ

システムの構成

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・システムの処理形態,利用形態,適用領域を修得し,応用する。
・代表的なシステム構成の種類,特徴,システム構成要素間の機能配分を修得し,応用する。
・クライアントサーバシステムの特徴,構成を修得し,応用する。
・システムの信頼性設計の考え方,技術を修得し,応用する。

【ITパスポート】
・システム構成の基本的な特徴を理解する。

(1)システムの処理形態・利用形態・適用領域 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.集中処理システム

集中処理システムの仕組み,特徴を理解する。

用語例:コスト性能比,保守要員の集中化

2.分散処理システム

分散処理システムの仕組み,特徴を理解する。

用語例:分散アーキテクチャ,管理責任,機能配分,水平機能分散システム,水平負荷分散システム,垂直機能分散システム,対話型処理,情報資源の組織への対応性,管理責任,TCO

3.利用形態

バッチ処理,リアルタイム処理などシステムの利用形態の種類と特徴,どのような業務
にどの形態が適しているかを理解する。

(2)システム構成 ITパスポート 基本情報 応用情報

代表的なシステム構成の種類,特徴を理解する。また,システム構成要素間の機能配分,冗長構成によるシステムの信頼性向上,負荷分散によるレスポンス速度の向上などを理解する。

用語例:デュアルシステム,デュプレックスシステム,クラスタ,クラスタリング,タンデム結合,マルチプロセッサシステム,ロードシェアリングシステム,バックアップサイト,ホットサイト,ウォームサイト,コールドサイト,主系(現用系),
従系(待機系),シェアードエブリシング,シェアードナッシング,密結合,疎結合,シンクライアント,ピアツーピア,グリッドコンピューティング,仮想化,VM(Virtual Machine:仮想マシン),クラウドコンピューティング,SaaS,PaaS,IaaS,マイグレーション

(3)ハイパフォーマンスコンピューティング 基本情報 応用情報

高精度な高速演算を必要とするような分野で利用されるHPC ( High Performance Computing:ハイパフォーマンスコンピューティング)の特徴や,HPC を可能にするためのスーパコンピュータや複数のコンピュータをLAN などで結んで,CPU などの資源を共有して単一の高性能なコンピュータとして利用できるようにした構成を理解する。

用語例:大規模並列,アレイプロセッサ

(4)クライアントサーバシステム 基本情報 応用情報

クライアントサーバシステムの特徴,2 層クライアントサーバシステム,3 層クライアントサーバシステムの構成を理解する。また,データベースに対するストアドプロシージャなど,関連技術の特徴を理解する。

用語例:プレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層,クライアント,サーバ,シンクライアントシステム,RPC,ローカル処理の応答速度,コスト性能比,柔軟性,管理責任,サーバへの利用集中

(5)Web システム 基本情報 応用情報

Web システムの特徴,アーキテクチャ,構成,各層間の通信の仕組みを理解する。

用語例:Web ブラウザ,Web サーバ

(6)RAID 基本情報 応用情報

複数の磁気ディスク装置をまとめて一つの装置として扱い,信頼性や速度を向上させる技術であるRAID の種類と特徴,NAS,SAN などストレージ関連技術の特徴を理解する。

用語例:RAID0,RAID1,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID6,ストライピング,ミラーリング,パリティ,チャンクサイズ

(7)信頼性設計 基本情報 応用情報

システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントやヒューマンエラー回避技術など,信頼性設計に関する考え方,どのようなシステム構成,技術があるかを理解する。

用語例:フォールト,信頼性ブロック図,予備切替,並列運転,競合制御,,アクティブ-スタンバイ構成,アクティブ-アクティブ構成,フォールトトレラントシステム,フォールトアボイダンス,フェールセーフ,フェールソフト,フールプルーフ,無停止コンピュータ,UPS

システムの処理形態・利用形態・適用領域

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • 集中処理システムの仕組み,特徴を理解する。
  • 分散処理システムの仕組み,特徴を理解する。
  • バッチ処理,リアルタイム処理などシステムの利用形態の種類と特徴,どのような業務にどの形態が適しているかを理解する。

用語例:コスト性能比,保守要員の集中化、分散アーキテクチャ,管理責任,機能配分,水平機能分散システム,水平負荷分散システム,垂直機能分散システム,対話型処理,情報資源の組織への対応性,管理責任,TCO

 

コンピュータシステムの処理形態

コンピュータシステムの処理形態をコンピュータの配置の仕方で分類すると、集中処理と分散処理に分けられます。

1台の高性能コンピュータに複数の端末をつないでユーザー間で共有し、すべての処理を1台で行う方式を集中処理方式といいます。

対して、複数のコンピュータをネットワークで接続し、演算処理などを分担しながら、全体で処理を進める方式を、分散処理方式といいます。

分散処理の利点

分散処理システムの、1台のコンピュータに障害が発生しても、他のコンピュータが処理を肩代わりできるため、システム全体の保全性が高くなります。

また、処理が分散するため、負荷が一極に集中しにくい構造にできます。

分散処理システムは比較的短い期間で構築できるので、導入コストを安くできます。また、業務や技術の変化に合わせて、システムを部分ごとに入れ替えていける柔軟性があります。

分散処理のデメリット

パソコンのような小型で高性能なコンピュータを使った分散処理システムが広く利用されていますが、以下のようなデメリットもあります。

分散処理システムは、遠隔地にあるコンピュータ同士を接続する場合が多いので、リアルタイムに更新するデータの整合性が取りにくくなります。そのため、障害管理やセキュリティ管理の方法も、集中処理方式に比べて複雑になりがちです。

また、バックアップやバージョン管理といった運用管理の作業も各所で行うため、一括管理できる集中処理に比べて管理コストがかさみます。

シンクライアント

運用管理のコストがかかることを踏まえて、シンクライアントという方法を用いて分散処理を行う場合もあります。

これは、アプリケーションソフトやデータなどはサーバで一元管理し、ユーザが使うパソコンには必要最低限の機能だけを持たせて、運用管理のコストを下げようという方法です。

並列処理

ひとまとめの仕事を幾つかに分割し、複数のCPUやコンピュータに割り当てて同時並行に処理をすすめることで、システム全体の処理効率を上げる形態を並列処理といいます。

コンピュータ内部で行う並列処理としては、一つのCPU内に複数のコアを持たせて、同時並行に演算を行うマルチコアプロセッサがあります。

また、コンピュータそのものを複数設置し、並列に接続して処理を分散する技術を並列コンピューティングといいます。

この並列コンピューティングの一つに、グリッドコンピューティングがあります。グリッドコンピューティングは、遠隔地にある多数のパソコンや大型コンピュータ、ストレージなどをネットワークで結んで、複数のプロセッサに処理を分散し仮想的な高性能コンピュータを作り上げる技術です。

コンピュータシステムの利用形態

処理のタイミングでシステムの利用形態を分類すると、バッチ処理とリアルタイム処理に分けられます。

また、システムとユーザの関係で分類した場合、バッチ処理に対するものとして、対話型処理があります。

バッチ処理

バッチ処理とは、処理すべきデータを貯めておき、まとめて処理することです。一連の処理を自動化して、人手を使わずに一括処理することで効率をあげます。

例えば、日中の業務時間内に作られたデータを、業務が止まる夜間にまとめて自動バックアップする処理などがこれに当たります。その他、月毎に行う給与計算の処理などもバッチ処理の典型的な例です。

リアルタイム処理

一つひとつの仕事を即時に処理することをリアルタイム処理といいます。

例えば、ユーザの操作や状況の変化に応じて素早く処理する必要のある、コンピュータゲームなどがこれに当たります。その他、銀行ATMやPOSレジなどもリアルタイム処理の例です。

対話型処理

対話型処理は、処理のたびにユーザからの指示を受け付け、それに応じた処理結果を返すことを会話のように繰り返すものです。対話型処理には操作性の良さと応答時間が短いことが求められます。

多くのアプリケーションソフトがダイアログボックスを表示してユーザの指示を受け、指示に応じた結果を表示するといった対話型の処理を採用しています。

 

システム構成

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

代表的なシステム構成の種類,特徴を理解する。また,システム構成要素間の機能配分,冗長構成によるシステムの信頼性向上,負荷分散によるレスポンス速度の向上などを理解する。

用語例:デュアルシステム,デュプレックスシステム,クラスタ,クラスタリング,タンデム結合,マルチプロセッサシステム,ロードシェアリングシステム,バックアップサイト,ホットサイト,ウォームサイト,コールドサイト,主系(現用系),従系(待機系),シェアードエブリシング,シェアードナッシング,密結合,疎結合,シンクライアント,ピアツーピア,グリッドコンピューティング,仮想化,VM(Virtual Machine:仮想マシン),クラウドコンピューティング,SaaS,PaaS,IaaS,マイグレーション

コンピュータシステムの構成

システムの信頼性を上げる目的で、一つの仕事に二つのシステムを用意することがあります。デュアルシステムとデュプレックスシステムが代表的です。一つのシステムで処理する形態はシンプレックスシステムといいます。

デュアルシステム

全く同じシステムを2系統用意し、並行して同じ処理を行い、結果の突き合わせを行うことで信頼性を向上させる方式です。

片方の系統で障害が発生しても、故障した側を切り離し、残りの系列で処理を中断することなく稼働できます。

デュプレックスシステム

2系統のシステムを用意し、一方を主系としてオンライン処理を行い、もう一方は待機系としておく方式です。稼働中の主系システムが故障したら、待機中のシステムに切り替えて処理を続けます。

通常、待機系はバッチ処理や開発作業などで利用するため、デュアルシステムよりコストパフォーマンスに優れます。

ホットスタンバイ

デュプレックスシステムのうち、待機系のシステムを常時起動しておき、障害発生時に瞬時に切り替えられる設計をホットスタンバイといいます。

コールドスタンバイ

デュプレックスシステムのうち、待機系のシステムは通常別の処理を行い、主系の障害発生時にはその処理を中断して、システムを再起動してから切り替える構成をコールドスタンバイといいます。

ピアツーピア(P2P)

ネットワーク上のコンピュータに特別な役割を与えず、お互いを対等の関係でつなぐ形態をピアツーピアといいます。

ピアツーピア型のネットワークでは、一つのコンピュータがあるときはクライアントとなって、他のコンピュータの機能を利用し、またあるときはサーバとなってサービスを提供するので、専用のサーバは必要ありません。

ホットサイト

ほっとサイトとは、ハードウェア、ソフトウェア、データ等が主要サイトと同じ状態で作動しているバックアップサイトです。ここでいう「サイト」とはコンピュータシステムやその設置場所の意味です。

準備OKの状態で待機しているので、最も短時間に交代が可能ですが費用が高くなります。

コールドサイト

コールドサイトとは、ハードウェア、ソフトウェア、データの基本的なものは用意されているものの、完全には主要サイトと同じ状態にはなっていないバックアップサイトです。

費用は最も安いですが、交代するには最も時間がかかります。

ウォームサイト

ウォームサイトとはホットサイトとコールドサイトの中間の性質を持つバックアップサイトです。ハードウェア、ソフトウェア、データは主要サイトと似た状態に保たれているものの、交代するには少々の作業を必要とします。

費用も交代に要する時間も、ホットサイトとコールドサイトの中間です。

 

クライアントサーバシステム

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

クライアントサーバシステムの特徴,2 層クライアントサーバシステム,3 層クライアントサーバシステムの構成を理解する。また,データベースに対するストアドプロシージャなど,関連技術の特徴を理解する。

用語例:プレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層,クライアント,サーバ,シンクライアントシステム,RPC,ローカル処理の応答速度,コスト性能比,柔軟性,管理責任,サーバへの利用集中

クライアントサーバシステム

ネットワークに接続されたコンピュータが、それぞれファイル管理やWebページの提供などの特定の役割を担い、ネットワーク上で処理を分散する仕組みを、クライアントサーバシステムといいます。

サービスを提供する側のコンピュータをサーバ、サービスを要求する側のコンピュータをクライアントといいます。

サーバの種類

クライアントサーバシステムではネットワーク上に各種サーバ機能とクライアント機能を分散して配置します。

主なサーバ機能には次のようなものがあります。

名称役割
ファイルサーバファイルを集中管理し、ファイルの共有機能を提供する。
WebサーバWebページを格納し、クライアントに公開する。
メールサーバ電子メールの送受信、転送を行う。
プリントサーバ印刷要求をプリントキューに格納し、プリンタの共有機能を提供する。
データベースサーバデータベースを集中管理し、アクセス制御とデータの登録/削除などの機能を提供する。

サーバは一つのネットワーク上に複数配置することができます。また、1台のコンピュータが複数のサーバ機能を持つこともできます。
サーバが他サーバのクライアントとして処理要求を出すこともあります。

2層クライアントサーバ

サービスを提供するサーバとそれを利用するクライアントという形態を2層クライアントサーバといいます。

2層クライアントサーバには、ネットワークに接続されるクライアントの数が増えると、サーバとクライアント間の通信料が増えて、ネットワークの負荷やサーバの負荷が高くなるという欠点があります。

3層クライアントサーバ

ネットワークやサーバに掛かる負荷を減らす手法として、処理全体を論理的に3層構造に分け、データの加工などの一部の処理を別のサーバが行うことで、全体の通信料を抑えるという、3層クライアントサーバという形態もあります。

データ層
サーバ又はホストコンピュータにあるデータベースやファイルなどを指します。
アプリケーション層
データの処理や加工、ホストコンピュータへの接続など、中間の業務処理機能です。3層クライアントサーバシステムにおいては、データベースとクライアントの仲介役を果たします。
プレゼンテーション層
クライアント側の処理で、ユーザからの入力を受け付け、処理要求をサーバに送信し、サーバから戻ってきた結果を表示します。

RPC(遠隔手続き呼び出し:Remote Procedure Call)

遠隔地にあるサブルーチンや手続きを、ローカルなサブルーチンや手続きと同じように呼び出すこと、又はその方式をRPCといいます。

遠隔地にあるサブルーチンや手続きに対して、パラメータを渡して実行し、結果を得るインタフェースが基盤としてあって、プログラムの側は遠隔地にあることを意識しなくても良いようにするものです。

Webシステム

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

Web システムの特徴,アーキテクチャ,構成,各層間の通信の仕組みを理解する。

用語例:Web ブラウザ,Web サーバ

Webシステムの特徴

世界各地のテキスト(文献)がインターネットで結ばれた世界で一つのシステムが、ワールドワイドウェブ(WWW)です。

Webシステムは、WWWの一部としての、特定の目的を持った情報システムで、クライアントサーバシステムの一種でもあります。例えば、インターネットバンキングや通販サイト、SNSなどもWebシステムの一例です。

Webシステムは次のような特徴を持っています。

  1. 閲覧ソフトウェア(ブラウザ)さえあれば、ソフトウェアをインストールしたり、遠隔地のサイトのアドレスを意識したりすることなく、簡単にシステムを利用できる。
  2. 文献システムがWWWの出発点なので、システムの操作説明も、システムへのアクセスも、データの入力も、結果の表示も一体となっており、操作性に優れている。
  3. 文献のリンクと同様に、複数のWebシステムの連携が容易である。例えば、不動産検索のシステムが、物件の場所を示すために地図システムと連携するなどの事例がある。
  4. Webシステムの提供者側は、宣伝、契約、機能提供、料金授受など、全てWWWで済ませることが出来る。

Webシステムの基本的な構成

Webシステムの基本的な構成は次のとおりです。WebシステムはWebサーバを中心としたシステムです。

アプリケーションサーバやデータベースサーバの役割はローカルな情報システムと同様です。ワールドワイドウェブへの窓口の部分をWebサーバが担当します。また、簡単なシステムの場合、Webサーバがアプリケーションサーバやデータベースサーバの役割を兼ねることもあります。
なお、Webサーバ側に複数のサーバを置く場合、セキュリティ面を考慮し、Webサーバ以外はWWWに直接接続せず、外部からはアクセス出来ないようにするのが一般的です。

Webシステムの仕組み

Webシステムの処理は次のようにして行われます。

  1. クライアントコンピュータ側で、HTMLなどのマークアップ言語や小さな部品で、説明や簡単な対話操作を処理します。
    これらの処理機構は、閲覧用のWebページと同じように、ブラウザの操作によってWebサーバから送信されます。
  2. Webサーバ側では、PHPやPerlなどのスクリプト言語や部品で複雑な処理を担当します。また、アプリケーションサーバやデータベースサーバへのアクセス処理も担当します。

インターネットとは

TCP/IPという通信プロトコルによって、全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュータネットワークのこと。起源はアメリカ国防省のARPANetと言われている。

WWWとは、インターネットの構成要素の一つで、インターネット上での文書のつながりのことを指している。よって、インターネットとWWWは厳密には別物。また電子メールやWWWはともにインターネットを使ったサービスの一つという位置付けである。

 

RAID

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

複数の磁気ディスク装置をまとめて一つの装置として扱い,信頼性や速度を向上させる技術であるRAID の種類と特徴,NAS,SAN などストレージ関連技術の特徴を理解する。

用語例:RAID0,RAID1,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID6,ストライピング,ミラーリング,パリティ,チャンクサイズ

RAIDの種類と代表的な特徴

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は、信頼性や速度の向上を目的として、複数のハードディスク装置をまとめて仮想的な一つのハードディスク装置に見せかけることです。

RAIDには以下の7つのレベルが定義されています。

レベル特徴
RAID0データを分割して、複数のディスクに分散して保存する。(ストライピング)
一つのディスクにアクセスが集中しないので、速度が向上する。
RAID1同じデータを二つのハードディスクに書き込む。(ミラーリング)
一方が故障しても他方を使用できるので信頼性が向上する。
RAID2データとエラー検出用のハミングコードを複数のディスクに分散して保存する。
実用化はされていない方式。
RAID3データをバイト単位で複数のディスクに保存。
パリティ情報を専用のハードディスクに書き込む。
RAID4データをセクタ単位で複数のディスクに保存。
パリティ情報を専用のハードディスクに書き込む。
RAID5パリティ情報を全てのディスクに分散して記録。
信頼性を向上させつつ、パリティ情報へのアクセス集中を避けて速度を向上させる。
RAID6パリティ情報を二つ生成して全てのハードディスクに分散して保存する。

この内、比較的よく用いられているのは、RAID0、RAID1、RAID5ですが、近年ではこれらの発展形である、RAID10やRAID01という種類も存在しています。

RAID0

RAID0は、ストライピングという方法でデータを複数のディスクに分散して保存する方式で、高速化を重視した方式です。

RAID0の場合、ハードディスクが1台でも故障すると全てのデータにアクセスできなくなるため、信頼性には劣ります。

最低でも2台のディスクが必要で、使用できるディスク容量としては、使用しているディスクの合計となります。

RAID1

RAID1は、同じデータを2つのディスクに書き込む、ミラーリングという方法を用いる方式で、信頼性を重視した方式です。

RAID1の場合、1台のハードディスクが故障しても、もう片方のディスクでデータにアクセスすることができます。

最低でも2台のディスクが必要で、使用できる容量は、使用しているディスクの半分となります。

RAID3

RAID3は、データを複数のディスクに分散し、復旧用のパリティを専用のディスクに書き込む方式で、信頼性を重視した方式です。

RAID3の場合、データディスクのうちの1台が故障した場合は、パリティ情報を使って復元が可能ですが、パリティ用のディスクが故障すると、データの復元が出来なくなってしまいます。

最低でも3台のディスクが必要で、使用できる容量は、使用しているディスク全体からパリティ用のディスクを除いた容量となります。

RAID5

RAID5は、データもパリティ情報も複数のディスクに分散する方式で、信頼性と高速性の両立を狙った方式です。

RAID5の場合、ディスクが1台故障しても、分散させているパリティ情報を使用して復元が可能で、稼働中にディスクの交換ができる「ホットスワップ」という機能を持っている製品もあります。

最低でも3台のディスクが必要で、使用できる容量は、使用しているディスク全体からディスク1台分を除いた容量となります。

RAID01

RAID0の発展形として、「RAID01」という方式があります。これは、RAID0でストライピングしたディスクをさらにミラーリングする、という方式です。

この場合、ディスクが1台故障すると、片方のストライピンググループは使用できなくなりますが、もう片方のグループを使ってデータにアクセスすることができます。
複数ディスクが故障した場合は、故障箇所によって異なり、同一のストライピンググループ内であれば復旧できるが、グループをまたがっていれば、全体がアクセス不可能となります。

最低でも4台のディスクが必要で、使用できる容量は、使用しているディスクの半分となります。

RAID10

RAID1の発展形として、「RAID10」という方式があります。(RAID イチゼロで、RAIDジュウではありません)これは、RAID1でミラーリングしたディスクに対してストライピングを行うという方式です。

この場合、1台のディスクの故障は復旧できますが、ミラーリングしているディスクの組が両方故障すると全体がアクセス不能となります。

最低でも4台のディスクが必要で、使用できる容量は、使用しているディスクの半分となります。

NAS

NAS(Network Attached Storage:ネットワークアタッチストレージ)は、ネットワークに直接接続して使用できる、ファイルサーバ機能付きのハードディスク装置です。

ファイルサーバを構築するのに比べて速度も早く管理が容易です。SANに比べて汎用的で安価な方式です。

SAN

SAN(Strage Area Network:ストレージエリアネットワーク)は、サーバとハードディスクや磁気テープ装置を高速なチャネルで結んだネットワークです。

NASと比較して、専用的でローカルな方式であり、膨大なデータを管理するのに特化しています。

信頼性設計

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントやヒューマンエラー回避技術など,信頼性設計に関する考え方,どのようなシステム構成,技術があるかを理解する。

用語例:フォールト,信頼性ブロック図,予備切替,並列運転,競合制御,,アクティブ-スタンバイ構成,アクティブ-アクティブ構成,フォールトトレラントシステム,フォールトアボイダンス,フェールセーフ,フェールソフト,フールプルーフ,無停止コンピュータ,UPS

フォールトトレランス

コンピュータシステムに障害が発生した時に、正常な動作を保ち続ける能力のことをフォールトトレランスといい、その能力を備えたシステム設計をフォールトトレラント設計といいます。

フォールトトレラント設計

フォールトトレラント設計は、システムの一部を冗長化したり分散処理化したしすることによって、一部に障害が発生してもシステム全体が停止することがないようにする設計概念です。

フォールトトレラント設計には次のようなものがあります。

フェールセーフ
故障時にも、予備の機構を使って本来の機能を維持し、安全な方向に動作を固定してその影響を限定させる設計のこと。
フェールソフト
縮退運転ともいい、故障時にも、障害箇所を部分的に切り離し、システムの機能や処理能力を落としても停止することなく最小限の機能を維持できる設計のこと。
フールプルーフ
「人間は必ずミスをするもの」という前提に立って、ユーザが操作ミスをしても故障しないような設計のこと。
冗長化

冗長化とは、故障に備えるために、設備を必要な量よりも多めに用意することです。具体的にはディスクのミラーリングや、システム全体の二重化などが挙げられます。

フォールトアボイダンス

フォールトアボイダンス(故障排除)とは、システム又はそれを構成する要素の故障の発生を可能な限り排除することです。フォールトトレランスと反対の概念であると同時に、フォールトトレランスと組み合わせて、費用対効果のバランスをとる場合もあります。

フォールトアボイダンスと実現する手段として、高信頼部品の採用、高信頼設計、および品質管理の徹底などがあります。

 

 

システムの評価指標

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
システムの性能,信頼性,経済性を測るための考え方,評価指標,それらを高める設計の考え方を修得し,応用する。

【ITパスポート】
システムの性能,信頼性,経済性の考え方を理解する。

(1)システムの性能特性と評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.システムの性能指標

システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。

用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックス

2.キャパシティプランニング

キャパシティプランニングの目的,考え方,システムに求められる処理の種類,量,処理時間などを検討し,性能要件からサーバやストレージなどの性能諸元を見積り,システムの性能を継続的に把握,評価するという手順を理解する。

用語例:負荷,サイジング,スケールアウト,スケールアップ,容量・能力管理,システムパラメータ,プロビジョニング

(2)システムの信頼性特性と評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

1.RASIS

システムを評価する際の評価項目となるReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を理解する。

2.信頼性指標と信頼性計算

MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する。

用語例:バスタブ曲線

(3)システムの経済性の評価 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や,初期コスト(イニシャルコスト)やTCO による評価を理解する。また,初期コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別などを理解する。

 

システムの性能特性と評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。

用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックス

システムの性能評価

システムの性能を数値化して評価するための指標には、次のものがあります。

  • レスポンスタイム: 入力完了から出力完了までの応答時間、内部処理時間やデータ転送時間など
  • スループット: 単位時間あたりのシステムの仕事量
  • ターンアラウンドタイム: 情報がシステムを一巡して返ってくるまでの時間


幾つかのシステムの性能を比較するために、同じ条件下で同じ処理をさせてスループットなどを計測するテスト方式を、ベンチマークテストといいます。

ベンチマーク

ベンチマークとは、異なるコンピュータのハードウェアやソフトウェアの性能を表す指標のことです。

ベンチマークテストでは、特別なプログラムを実行して性能を測定します。高性能コンピュータの性能を測る「LINPACK」、トランザクション処理の性能を測る「TPC」、3次元画像処理性能の性能を測る「3DMark」などがあります。

インストラクションミックスと同様の指標の仲間ですが、インストラクションミックスは使用を基に計算できるのに対して、ベンチマークは主にプログラム実行によって測定します。

TPC(Transaction Processing Performance Council)

TPC(トランザクション処理性能評議会)は、異なるトランザクション処理システムの共通のベンチマークを制定している企業等の団体です。制定されたベンチマークはTPC-A, B, C, D, E などと命名されています。

SPECint(Standard Performance Evaluation Corporation Integer benchmark)

SPECint(標準性能評価法人整数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの整数演算を測定するベンチマークです。

SPECfp(Standard Performance Evaluation Corporation Floating Point number benchmark)

SPECfp(標準性能評価法人浮動小数点数指標)は、標準性能評価法人(SPEC)によって制定された、異なるコンピュータの浮動小数点数演算を測定するベンチマークです。

モニタリング

モニタリングとは、情報システムの全体が意図通りに運用されているかどうかを把握するために、実行状況を眺めている活動です。次のような事項を監視します。

  • さまざまな処理を効率的に処理しているか
  • 負荷が大きくなって効率が低下していないか
  • サーバやネットワークが停止していないか

キャパシティプランニング

情報システムのニーズによって、情報システムの処理性能や数量などを見積もって、費用や納期を考慮しつつ最適なシステム容量を計画することを、キャパシティプランニングといいます。

情報システムが稼働を開始した後も、利用件数の増加に応じてサーバを高性能のものへ変えたり、外部記憶装置の容量を増やしたり、通信回線の容量を増やしたりすることがあります。

したがって、キャパシティプランニングはシステムの新規開発のときだけではなく、稼働を開始した後も継続的に行われます。

 

システムの信頼性特性と評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

  • システムを評価する際の評価項目となるReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を理解する。
  • MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する。

用語例:バスタブ曲線

システムの信頼性

システムの信頼性を評価する指標に「RASIS」があります。RASISとは、下の表に上げる各キーワードの頭文字を取ったものです。

Reliability(信頼性)故障や障害の発生しにくさ、安定性を表します。
Availability(可用性)稼働している割合の多さ、稼働率を表します。
Serviceability(保守性)障害時のメンテナンスのしやすさ、復旧の速さを表します。
Integrity(保全性・完全性)障害時や過負荷時におけるデータの書き換えや不整合、消失の起こりにくさを表します。
Security(機密性)情報漏えいや不正侵入などの起こりにくさを表します。

システムの稼働率

システムの信頼性を数値的に評価する基準として、MTBFやMTTR、稼働率が使われます。稼働率はシステムの全稼働時間に対する、正常に動作している時間の割合です。

MTBFとMTTR

MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)
故障から次の故障までの時間の平均値です。システムが正常に稼働していた時期を指します。
MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)
修理にかかる時間の平均値です。システムが停止していた時期を指します。

全稼働時間を「MTBF+MTTR」とし、全稼働時間のうち正常に稼働した時間(MTBF)の割合を稼働率として求めます。

稼働率やMTBF、MTTRはRASISの尺度となる値です。

MTBFが長い:停止しにくく「信頼性」の高いシステム
MTTRが短い:復旧が速く「保守性」の高いシステム
稼働率が高い:「可用性」の高いシステム

直列接続の稼働率

いくつかの装置やシステムを組み合わせて構築したシステム全体の信頼度は、個々の装置などの稼働率から求めることができます。

二つ(又はそれ以上)のサブシステムが直列の状態で連結している構造のシステムでは、いずれかのサブシステムが停止するとシステム全体の機能が停止してしまいます。この場合、システム全体の稼働率は各サブシステムの稼働率をかけ合わせた値となります。

並列接続の稼働率

二つ(又はそれ以上)のサブシステムが並列の状態で連結している構造のシステムは、いずれかのサブシステムが停止しても、残りのサブシステムで処理と代行できるため、システム全体の停止を避けられる構造です。この場合、システム全体の稼働率は以下の式で求めます。

バスタブ曲線

バスタブ曲線とは、システムの故障率曲線のことで、機械や装置の時間経過tに伴う故障率y(t)の典型的な変化を表す曲線のことです。形状が浴槽(バスタブ)の底の曲線に似ているためバスタブ曲線と呼ばれます。

時間経過により、初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期の3期に分けられます。

  • 初期故障機には、故障率が高い状態から始まって、次第に故障率が減少して、安定した状態へ移ります。主に製造上の欠陥による故障が起きます。
  • 偶発故障期には、故障率は時間経過にかかわらず、ほぼ一定です。故障は主に偶発的に起きます。
  • 摩耗故障機には、故障率は次第に増加して寿命に達したと判断されます。故障は主に摩耗などによっておきます。

ソフトウェアの場合「摩耗」というのはイメージしにくいですが、技術の陳腐化による保守性の低下や、セキュリティホールの発覚など、摩耗機に顕在化するリスクも存在します。

システムの経済性の評価

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報

システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や,初期コスト(イニシャルコスト)やTCO による評価を理解する。また,初期コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別などを理解する。

システムの経済性

 

システムを新たに導入するときには、ソフトウェアの開発費用はハードウェアの購入設置費用といった初期コストがかかります。

また、導入後には設備維持費や光熱費、人件費、リース料などの運用コスト(ランニングコスト)がかかります。

システム導入を検討する際には、ランニングコストを含めた総保有費用(TCO:Total Cost of Ownership)を試算して、費用対効果を検討する必要があります。

リースとレンタル

・リース
 数ヶ月~数年の長期の賃貸契約
 期間あたりの費用は安い
 基本的には中途解約は出来ない
 修繕費などの維持管理コストは貸した側が負担する

・レンタル
 数日程度の短期の賃貸契約
 期間あたりでは割高
 修繕費用は借りた側が負担する