「ハードウェア」カテゴリーアーカイブ

【応用情報・基本情報】
・コンピュータの構成部品である電気・電子回路,機械・制御を修得し,応用する。
・構成部品や要素とその実装,組込みシステムを構成する部品の役割,部品間の関係を修得し,応用する。
・最適な構成で設計するための論理設計の留意事項を修得し,応用する。
・組込み機器の開発における消費電力の重要性,関連する技術,動向を修得し,応用する。

ハードウェア

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・コンピュータの構成部品である電気・電子回路,機械・制御を修得し,応用する。
・構成部品や要素とその実装,組込みシステムを構成する部品の役割,部品間の関係を修得し,応用する。
・最適な構成で設計するための論理設計の留意事項を修得し,応用する。
・組込み機器の開発における消費電力の重要性,関連する技術,動向を修得し,応用する。

(1)電気・電子回路 基本情報 応用情報

コンピュータの基本的な論理回路であるAND 回路,OR 回路,NOT 回路などの動作原理,論理回路は,組合せ論理回路と順序論理回路に分類できること,回路ごとの特徴を理解する。

用語例:NAND 回路,XOR 回路,フリップフロップ

(2)機械・制御 基本情報 応用情報

代表的な機械電子制御の実現方法について,その構造や動作原理,各部の働きを理解する。

用語例:オープンループ制御,クローズドループ制御,シーケンス制御,フィードバック制御,PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御

(3)構成部品及び要素と実装 基本情報 応用情報

1.半導体素子

代表的な半導体素子の動作原理,構造,特性,実装を理解する。

用語例:ダイオード, LED , トランジスタ, IC , LSI , VLSI ( Very Large Scale Integration),CMOS,バイポーラ,BiCMOS(Bipolar Complementary MOS),バイポーラメモリ

2.カスタムIC

利用者が要求する回路をIC として実現できることを理解する。

用語例:ASIC(Application Specific IC),FPGA(Field Programmable Gate Array),HDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)

3.システムLSI

組込み分野などで利用され,複数の半導体を組み合わせることによって占有面積を縮小し,システムを小型化し,高速化,低コスト化などのメリットがあることを理解する。

用語例:コデザイン,SoC(System on a Chip)

4.組込みシステムの構成部品

組込みシステムを構成する部品の役割,部品間の関係を理解する。

用語例:プロセッサ,DSP(Digital Signal Processor),センサ,アクチュエータ,メモリ,ASIC,D/A コンバータ,A/D コンバータ,MEMS,診断プログラム

(4)論理設計 基本情報 応用情報

性能,設計効率,コストなどを考慮して,どの構成が最適であるのかを検討し,設計することを理解する。 

用語例:回路設計,タイミング設計,同期式設計,非同期式設計,加法標準形,論理圧縮

(5)消費電力 基本情報 応用情報

ハードウェアの消費電力について,組込み機器の開発における消費電力の重要性,関連する技術,動向を理解する。

用語例:低消費電力化,リーク電流,パワーゲーティング,クロックゲーティング

電気・電子回路

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

コンピュータの基本的な論理回路であるAND 回路,OR 回路,NOT 回路などの動作原理,論理回路は,組合せ論理回路と順序論理回路に分類できること,回路ごとの特徴を理解する。

用語例:NAND 回路,XOR 回路,フリップフロップ

AND/OR/NOT回路の動作原理

コンピュータのデジタル処理は、論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)などの論理演算の組み合わせです。数値の加減乗除も論理演算の組み合わせです。

論理演算は半導体集積回路(IC)で実現されますが、原理としてはダイオード、トランジスタ、抵抗などで構成される電気回路です。電圧の高低を論理演算の真と偽、あるいは2進数の1と0として扱います。

ここではわかりやすいように、トランジスタなどによる回路の代わりに簡単なスイッチを用いて論理演算の原理を説明します。

組み合わせ回路と順序回路

組み合わせ回路:入力された値で出力値が決まる回路。半加算回路、全加算回路など

順序回路:入力値+その時の内部の値とで出力する値が決まる回路。フリップフロップ回路など

フリップフロップ回路

フリップフロップ回路は、二つの論理素子が、入力の真偽を反転して出力し、それを他方の入力としてフィードバックし合うことによって、真または偽の状態を保ち続ける回路です。外部からの入力が真偽を反転させると、反転した状態へ遷移します。

磁気などを用いずに電気だけで記憶することが出来るので、高速の記憶手段として使われます。一つのフリップフロップ回路が1ビットに相当します。

主に主記憶装置やレジスタ、キャッシュなどSRAMに使われている回路。その回路の方式で、RS型、JK型、D型、T型など、多種に渡ります。

例として、最もシンプルなRS型の回路図を示します。

RSという名称は、リセット(Reset)とセット(Set)の2入力の信号名に由来する。 RS型フリップフロップのブロック図と真理値表を示す。

なお、RS型は同時にRとSに入力があると、結果が不定になります。

機械・制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

代表的な機械電子制御の実現方法について,その構造や動作原理,各部の働きを理解する。

用語例:オープンループ制御,クローズドループ制御,シーケンス制御,フィードバック制御,PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御

制御

制御とは、計測によって得られた入力値を元に、出力値を調整することです。

入力や出力に使われるものは、電圧、電流、圧力、温度、音量、音程などアナログ信号が使われます。

これに対して、入力された値をコンピュータ処理する際には、デジタル信号で扱われますので、必要に応じてA/D変換、D/A変換が行われます。

クローズドループ制御

クローズドループ制御とは、機械を電子制御する方式の一種で、対象を操作して、対象が変化した状態を確認して操作を調整する方式です。

クローズドループ制御の例としては、電気ポットがあります。水を加熱して、所定の温度になったら加熱を止めます。

フィードバック制御

フィードバック制御とは、制御した結果を常に監視して、目標値と比較し、次の制御に反映させる制御方法です。フィードバックとは、ある出力・結果を差し戻して反映させるという意味です。

シーケンス制御

シーケンス制御とは、あらかじめ定められた順序又は手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく電子制御です。シーケンス制御の例には洗濯機があります。洗濯をして、すすぎをして、脱水をします。

オープンループ制御

オープンループ制御とは、制御量の入力値のみを計算する制御方法です。測定値によるフィードバックはせず、外的要因などは一切考慮しません。あらかじめ決められた手順や時間のみで制御する場合に適します。

フィードフォワード制御

フィードフォワード制御とは、外的要因が出ないように必要な反映を行う制御方法です。影響が現れる前に必要な修正を行います。探知機(センサ)を使用することなく、使用機器の精度に頼ります。また外的要因に対して適切な制御を行えるとは限りません。

PWM(パルス幅変調)

パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)とは、パルスの幅を変化させて信号を伝送する方式の変調です。この信号によって機械ので夏や電流を制御します。PWMは空調機などの制御に用いられます。

構成部品及び要素と実装

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

  • 代表的な半導体素子の動作原理,構造,特性,実装を理解する。
  • 利用者が要求する回路をIC として実現できることを理解する。
  • 組込み分野などで利用され,複数の半導体を組み合わせることによって占有面積を縮小し,システムを小型化し,高速化,低コスト化などのメリットがあることを理解する。
  • 組込みシステムを構成する部品の役割,部品間の関係を理解する。

用語例:ダイオード, LED , トランジスタ, IC , LSI , VLSI ( Very Large Scale Integration),CMOS,バイポーラ,BiCMOS(Bipolar Complementary MOS),バイポーラメモリ、ASIC(Application Specific IC),FPGA(Field Programmable Gate Array),HDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)、コデザイン,SoC(System on a Chip)、プロセッサ,DSP(Digital Signal Processor),センサ,アクチュエータ,メモリ,ASIC,D/A コンバータ,A/D コンバータ,MEMS,診断プログラム

半導体

半導体とは、電気を通す物質(良導体)と電気を通さない物質(絶縁体)の中間的な性質を持つ物質です。シリコンやゲルマニウムなどを用いる微量の添加物によって伝導性を調整します。(N型半導体、P型半導体など)

このような半導体の性質を利用した素子や電子部品を半導体素子といいます。ダイオード、トランジスタ、発光ダイオード(LED)、集積回路(IC、LSI)などがあります。

ダイオード

ダイオードは、電流を整流する電子部品です。交流を直流を帰ることなどに使われます。現在では半導体ダイオードが普通です。

整流ダイオード
交流を直流に変える
スイッチングダイオード
高速スイッチとして用いる
ツェナーダイオード
定電圧化、過電流防止に用いる。

トランジスタ

トランジスタは、増幅やスイッチ動作をする半導体部品です。アナログ回路ではラジオ、テレビ、音響機器の増幅回路などに使われますが、デジタル回路では論理素子として使われます。トランジスタは典型的にはシリコンという半導体で作られます。

LED(Light Emitting Diode)

LED(発光ダイオード)はエレクトルミネセンスという原理に基づく、電流を流すと発光する半導体素子です。長寿命で小型軽量なことも特徴で、小さな表示ランプ、照明器具、およびディスプレイ装置などに使われます。

IC(Integrated Circuit)

IC(半導体集積回路)は、抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、電線などの電子素子を半導体だけで全て一体として作った部品です。複数の端子が出ていて、他の部品と接続します。

トランジスタなどの部品を用いるのに比べて格段に小さくすることができ、複雑なCPUや主記憶装置も爪程度の大きさで実現できます。

LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)は、素子の集積度が1000個から10万個程度の半導体集積回路です。

VLSI(Very Large Scale Integration)は、素子の集積度が10万個から1000万個程度の半導体集積回路です。

現在では集積度の高い半導体集積回路は珍しくないので、集積度に関わりなくICやLSIと呼ぶのが普通です。

CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)

CMOS(相補型金属酸化膜半導体)は、その名の示すとおりの構造の半導体で、チャネルの異なるトランジスタを一つの半導体に組み込んだ論理回路です。消費電力が低いことや安価であることが特徴であり、携帯機器やノートパソコンに用いられたり、コンピュータの中でも性能よりも低価格を重視する部品に用いられたりします。

 

 

論理設計

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

性能,設計効率,コストなどを考慮して,どの構成が最適であるのかを検討し,設計することを理解する。 

用語例:回路設計,タイミング設計,同期式設計,非同期式設計,加法標準形,論理圧縮

論理回路

論理回路は、論理演算を行う電気回路です。電気信号は連続した信号値を扱うアナログ回路と、電圧の高低で0と1だけを扱うデジタル回路とに区分されます。

論理回路はデジタル回路の類似語であり、0と1のデジタル値について論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)などの論理演算を行うことを特徴に出した用語です。これらの論理演算の素子を回路として組み合わせて、加減乗除を含む高度な処理をします。

コンピュータを構成するCPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、ネットワーク装置のいずれにも、論理回路が用いられています。

論理設計

論理設計は、論理回路を設計することです。狭義には論理演算を組み合わせる部分を設計することを論理設計といいます。

講義の論理設計では、次のような性質を考慮します。

回路設計

回路設計とは、回路を設計することです。論理回路の場合には、狭義の論理設計をしたあとを受けて、狭義の回路設計として、トランジスタ、抵抗、コンデンサの電気的性質を考慮して設計するプロセスを意味します。

  • システム設計:回路全体の構造
  • アーキテクチャ設計:ソフト・ハードの切り分け
  • 論理設計:回路で用いるCMOSの種類
  • レイアウト設計:回路や配線の配置
  • マスク設計:マスクパターンの設計
  • デバイス設計:CMOSの構造、配線の種類等

論理設計上の考慮点

論理設計では、以下のような項目を考慮して設計を勧めますが、全てを満たせるとは限らないので、優先順位を明確にすることが重要です。

  • 機能を高度にする。又は特殊な機能を追求する。
  • 速度性能を速くする。
  • サイズを小さくする。
  • 価格を安くする。また、消費電力などの運用コストを安くする。
  • 発熱量を減らす。
  • 設計・製造の品質、費用、時間を改善する。

素子を小さくして、集積度を上げることは、機能、速度、サイズ、価格、消費電力、発熱などのすべての面で高影響をあたえることが多いです。ただし、対立する場合もあり、高性能製品と安価製品とに設計方針が別れたりします。

論理回路が複雑になると、その設計にはソフトウェア開発と似たような性質が見られ、人間の設計ミス(バグ)が問題になります。一方、設計作業にもデジタル処理という誤差のない情報処理を適用できるので、ハードウェア記述言語(HDL)、正当性の検証、シミュレーションなどによって、品質や生産性を向上させることができます。

HDL(Hardware Description Language)

HDLはハードウェアの動作を記述する言語です。プログラム言語と同じような記述で電子回路を自動設計できます。

  • 回路の動作を文字で記述
  • 論理シミュレーションで動作を確認
  • 構成部品の接続関係を記述したファイル(ネットリスト)に変換

 

消費電力

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ハードウェアの消費電力について,組込み機器の開発における消費電力の重要性,関連する技術,動向を理解する。

用語例:低消費電力化,リーク電流,パワーゲーティング,クロックゲーティング

消費電力

デジタル回路やモーターなどの消費電力は、コンピュータにおいてもその削減が重要な課題です。特に大型のメインフレームコンピュータやサーバコンピュータでは、1台あたりの消費電力が大きく、休みなく作動させるという意味で消費電力の改善が大切です。パソコンの場合は、台数が多いという意味で改善が大切です。また、ノートパソコンの場合は、形態時の消費電力を削減するほど、使用可能時間を長くすることが出来るので、やはり重要な課題となります。

コンピュータ組み込み機器の場合には、消費電力について次のような点を考慮する必要があります。

  • 機器分野が消費電力の削減にしのぎを削っているので、主要な部品とはいえないコンピュータだけが特別扱いを受ける訳にはいかない。
  • 携帯機器の場合には、使用可能時間を伸ばすために、消費電力の削減が必要である。
  • 冷却機器を付けられない機器の場合には、発熱量の削減が必要であり、それが消費電力の削減にもつながる。
  • 機能や速度性能よりも、製造コストやサイズが優先されることが多いので、機能や速度向上をどの程度で見切るかが、消費電力の削減にもつながる。