「データ通信と制御」カテゴリーアーカイブ

【応用情報・基本情報】
・ネットワークアーキテクチャの考え方,重要性,効果を修得し,応用する。
・伝送方式と回線の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワーク接続装置の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワークにおける代表的な制御機能の仕組み,特徴を修得し,応用する。

データ通信と制御

情報処理技術者試験での学習内容

【応用情報・基本情報】
・ネットワークアーキテクチャの考え方,重要性,効果を修得し,応用する。
・伝送方式と回線の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワーク接続装置の種類,特徴を修得し,応用する。
・ネットワークにおける代表的な制御機能の仕組み,特徴を修得し,応用する。

 

(1)ネットワークアーキテクチャ 基本情報 応用情報

1.ネットワークトポロジ

代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。

用語例:ポイントツーポイント(2 地点間接続),ツリー型,バス型,スター型,リング型

2.OSI 基本参照モデル

ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャであるOSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。

用語例:物理層,データリンク層,ネットワーク層,トランスポート層,セション層,プレゼンテーション層,アプリケーション層

3.標準化の実例

WAN における通信プロトコルの標準化がITU-T において策定されていることを理解する。

用語例:X シリーズ,V シリーズ,I シリーズ

(2)伝送方式と回線 基本情報 応用情報

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

用語例:単方向,半二重,全二重,WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重),回線交換,パケット交換,ATM 交換,フレームリレー,セルリレー,公衆回線,専用線,電力線通信(PLC)

(3)ネットワーク接続 基本情報 応用情報

LAN 内接続,LAN 間接続,LAN-WAN 接続の装置の種類,特徴,各装置の機能が,OSI 基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する。

用語例:リピータ,ハブ,カスケード接続,スイッチングハブ,ルータ,回線接続装置,レイヤ2(L2)スイッチ,レイヤ3(L3)スイッチ,ブリッジ,ゲートウェイ,プロキシサーバ,スパニングツリー

(4)伝送制御 基本情報 応用情報

送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能である伝送制御の仕組み,特徴を理解する。

用語例:データリンク制御,ルーティング制御,フロー制御,ベーシック手順,コンテンション方式,ポーリング/セレクティング方式,HDLC,マルチリンク手順,相手固定,交換方式,コネクション方式,コネクションレス方式,パリティチェック,CRC,ハミング符号,ビット誤り率,SYN 同期,フラグ同期,フレーム同期

(5)メディアアクセス制御 基本情報 応用情報

データの送受信方法や誤り検出方法などを規定するMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)の仕組みと特徴を理解する。また,アクセス制御の目的,アクセス制御手法の代表的な種類と仕組みを理解する。

用語例:TDMA,CSMA/CD,CSMA/CA,トークンパッシング,衝突

ネットワークアーキテクチャ

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

  • 代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。
  • ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャであるOSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。
  • WAN における通信プロトコルの標準化がITU-T において策定されていることを理解する。

用語例:ポイントツーポイント(2 地点間接続),ツリー型,バス型,スター型,リング型、物理層,データリンク層,ネットワーク層,トランスポート層,セション層,プレゼンテーション層,アプリケーション層、X シリーズ,V シリーズ,I シリーズ

LANのトポロジー

コンピュータやプリンタなど、ネットワークを構成する要素をつなぐ形態をトポロジーといいます。

LANの代表的なトポロジーには、バス型、スター型、リング型があります。

バス型
1本の伝送路を幹線として、端末を接続する形態です。各端末から送出されたデータは同じバスに接続されたすべての端末に届けられるので、各端末はそれが自分宛てのデータであれば処理をし、自分宛てのデータでなければ破棄します。
スター型
中央の集線装置に端末を接続した形態です。端末1台に障害が発生しても他の端末には影響しませんが、集線装置が故障すると、それにつながる端末全体が通信できなくなります。
リング型
複数の端末をケーブルで円形に接続する形態です。信号が流れる経路がリング型になっていて、信号は接続された順に機器間を周回します。

WANのトポロジー

WANの代表的なトポロジーには、ポイントツーポイント型とツリー型があります。

ポイントツーポイント型

2地点間接続ともいいます。1対1で2つの地点を接続する形態で、接続には専用線を用います。

ツリー型

1つの地点を元に、木の枝が分かれるようにLAN間を接続する形態です。

OSI参照モデル

ネットワークアーキテクチャの国際標準で、ISOが策定した7層からなるアーキテクチャです。

OSI参照モデルを用いることで、以下のような利点があります。

  • 大量かつ複雑な通信プロトコルを階層的に整理できる。
  • 各層には明確な役割分担があり、上から下へ(下から上へ)通信データを引き渡していくので、ある層のシステム構成を変更しても、他の層に影響しない。
  • ネットワークの特性や目的に応じて、層ごとに最適な通信プロトコルを選択することが出来る。

それぞれの層には以下のような特徴があります。

物理層

電気信号を扱う層で、データとビットの相互変換を行う。最もハードウェアに近い規約の集合であり、ケーブルやコネクタの形状や特性を定義する。

例:RS-232、電話線、ハブ、リピータ、光ケーブルなど

データリンク層

LANの内側を扱う層で、隣接するコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。データを扱う単位はフレームである。(フレーム:パケットにMACアドレス情報などを付加したモノ)

例:イーサネット、トークンリング、PPP、フレームリレー、ブリッジ(スイッチングHUB)など

ネットワーク層

LANとLANの接続を扱う層で、複数のネットワークをまたがったコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。経路選択(ルーティング)を行う。データを扱う単位はパケットである。

例:IP、ARP、ICMP、ルータなど

トランスポート層

通信の信頼性を扱う層で、通信による誤りが発生した場合の処置内容などを定義する。データを扱う単位はセグメント(パケットのもとになるデータ)である。

例:TCP、UDPなど

セッション層

データ転送のやりかたを規定するためのプロトコルです。コンピュータ間のコネクションや切断などについて規定します。

例:RPCなど

プレゼンテーション層

データの表現方式や形式の変換を扱う層で、圧縮方式や文字コードなどといった、データ表現について規定します。文字や画像、音声、動画などのデータ形式の定義も含まれます。

例:MIME、SSLなど

アプリケーション層

データ通信アプリケーションや通信サービスを扱う層で、最も人間(利用者)に近い規約の集合です。

例:HTTP、DHCP、SMTP、FTPなど

伝送方式と回線

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

用語例:単方向,半二重,全二重,WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重),回線交換,パケット交換,ATM 交換,フレームリレー,セルリレー,公衆回線,専用線,電力線通信(PLC)

伝送方式

データを転送する際の通信方式には、通信方向による違いと転送方式による違いにより分類されます。

通信方法による違いでは、単方向と双方向の2種類にわけられます。

  • 単方向: 一方通行の通信で送信側は送信だけ、受信側は受信だけの通信です。
  • 双方向: 送信も受信も両方向の通信ができます。

双方向はさらに、以下の二種類にわけられます。

  • 半二重: 送信している際に、同時に受信はできません。トランシーバのようなイメージです。一般的に2線式の配線を利用します。
  • 全二重: 送信も受信も同時にできます。電話のようなイメージです。一般的に4線式が利用されています。(受信・送信それぞれに2線ずつ)

転送方式による違いでは、シリアル(直列)とパラレル(並列)の2種類にわけられます。

  • シリアル転送方式:1本の線を利用して1ビットずつ順次転送していきます。USB、シリアルATA、SAS(Serial Attached SCSI)、IEEE1394などに利用されています。
  • パラレル転送方式:複数の線を利用して、同時に複数ビット転送していきます。プリンタ、IDEなどに利用されています。

旧来はシリアル転送方式が低速で、パラレル転送方式が高速でイたが、近年はパラレル転送方式の場合、高速にすればするほど隣接する線からのノイズが問題となり高速転送に支障が出るため、シリアル転送のほうが速度面でも優位となり、現在では高速なシリアル転送方式が多数実用化されています。

多重化方式

1本の線を使った通信は通常1対1ですが、同時に複数の相手との伝送を行う場合に多重化という技術を使います。

多重化方式には、主に以下の様なものがあります。

周波数分割多重化(FDM:Frequency Division Multiplexing)
アナログ回線で周波数を細かく分割して、分割された周波数を1対1に割り当てて複数の相手と通信をします。ADSLの基本技術となっています。
時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)
1本のデジタル回線を細かい時間で切り替えて複数の相手と通信します。
波長分割多重化(WDM:Wavelength Division Multiplexing)
光ファイバを多重化する際に、光の波長を変えて同時に送信することによって、複数の相手と同時に通信できます。

 

 

ネットワーク接続

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

LAN 内接続,LAN 間接続,LAN-WAN 接続の装置の種類,特徴,各装置の機能が,OSI 基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する。

用語例:リピータ,ハブ,カスケード接続,スイッチングハブ,ルータ,回線接続装置,レイヤ2(L2)スイッチ,レイヤ3(L3)スイッチ,ブリッジ,ゲートウェイ,プロキシサーバ,スパニングツリー

LAN間接続装置

ネットワークを接続するための装置は以下のように分類されます。

LAN内接続装置
リピータ、ハブ、ブリッジ、L2スイッチ
LAN間接続装置
ルータ、L3スイッチ
LAN-WAN接続装置
ゲートウェイ

また、これらの接続装置はOSI参照モデルの各層に対応しています。

  • 物理層:リピータ、ハブ(リピータハブ)
  • データリンク層:スイッチングハブ、ブリッジ、L2スイッチ
  • ネットワーク層:ルータ、L3スイッチ
  • トランスポート層~アプリケーション層:ゲートウェイ

LAN接続に使われる機器

リピータ

ケーブルとケーブルを接続し、伝送距離を延長するための装置です。減衰した信号を増幅し、信号を整形し送り出します。

ハブ(HUB)

パソコンなどの機器をスター形に接続する集線装置です。数個から数十個のポート(接続口)に各機器からのケーブルを接続し、相互に通信できるようにします。

受信データをすべての接続ポートに転送するリピータハブと、MACアドレスを判断し宛先の接続ポートにだけ送るスイッチングハブがあります。

ハブとハブを段階的に繋いで接続台数を増やすことをカスケード接続といいます。10BASEハブは4段まで、100BASEハブは2段まで可能です。

スター型のトポロジーを取っていることから、通信がハブに集中し、衝突が発生しやすくなっています。

MACアドレス

MACアドレス(Media Access Control Address)はNIC(Network Interface Card)の出荷時に一枚ごとにつけられる固有のID番号です。IEEE(米国電気電子技術者協会)が管理する製造メーカーコード+各メーカーが割り振る製造番号という、世界で唯一の番号なので、MACアドレスによって個々のNICを識別することができます。

MACアドレスは、IPアドレスのようにネットワークアドレスなどは含まないので、ネットワーク層より下のデータリンク層で利用されます。

なお、MACアドレスは48ビット長の16進数12桁で表現され、通常は16進数2桁ごとにハイフンで区切って表現されます。子のうち、上位6桁がIEEEが管理する製造メーカーコード、下位6桁が各メーカーが割り振る製造番号となっています。

例:00-12-34-AB-CD-EF

カスケード接続

カスケード接続とは、ハブやスイッチングハブの多段接続のことをいいます。

ハブでは接続段数に上限があり、10Mbpsタイプでは4段、100Mbpsタイプでは2段です。L2スイッチでは接続段数の制限は理論上ありません。

ブリッジ

同じプロトコルのLAN同士を接続する装置です。LANを流れてきたパケットのMACアドレスを読取り、LAN外に通過させるパケットかどうかを判別します。この機能をフィルタリングといいます。

データは『フレーム』という単位で扱われます。フレームが無限ループすることを防ぐための、スパニングツリーという機能を持っています。

レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)

レイヤ2スイッチは、スイッチやスイッチングハブと呼ばれています。ハブは入ってきたフレーム(パケット)をすべてのポートに転送してしまいますが、L2スイッチはブリッジと同様に、フレームの中にある宛先MACアドレスを判断して、宛先のMACアドレスの接続されたポートにのみ転送します。(ブリッジには一般的に2つのポートしかありませんが、L2スイッチには複数のポートがあります。)

このため、他のポートが空いているので同時に通信でき、全体の処理能力(スループット)が向上します。また、必要なポートにのみフレーム(パケット)を流すので、他のポートからはデータを見ることができないので、セキュリティの向上も可能です。

ブリッジとの違いは、ブリッジがソフトウェアを使って転送処理を行うところを、L2スイッチは専用のIC(ASIC)を使ってハードウェアで処理を行う部分です。そのため高速に動作できます。

なお、L2スイッチという名称は、後述するL3スイッチとの区別のために名づけられたもので、一般的にはスイッチングハブと呼ばれる機器のことをL2スイッチといいます。(スイッチという名称は、CISCO社製品の名称)

なお、L2スイッチには、カスケード接続の段数制限はありません。

ルータ

プロトコルやネットワークアドレスの異なるLAN同士を接続する装置です。受け取ったパケットのIPアドレスを読取り、宛先への最適な経路を選択して、宛先のネットワークへの中継を行います。この機能をルーティングといいます。

レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)

L3スイッチは、ルータと同じ機能を持っています。ルータはCPUやOSを使って動作していて、ルーティング処理をソフトウェアによって行っています。

これに対してL3スイッチは、ルーティング処理を専用のIC(ASIC)によって処理を行うため、高速にルーティングできることになります。(ただし、ルータも高速なCPUを使うなどして高速化出来るため、L3スイッチが必ずしもルータより高速とは限りません)

ルータと比べて、ポートの数が多数あるのも特徴です。

一般的に、ルータとL3スイッチは下表のような違いがあるとされていますが、それぞれの機能向上によって差異が少なくなっています。

ルータL3スイッチ
ソフトウェア処理が主体ハードウェア処理が主体
それほど高速な処理はできない高速処理
マルチプロトコル対応TCP/IPのみ
WANインタフェースを持つLANインタフェースのみ
ソフトウェアのバージョンアップによって機能追加が容易機能追加は難しい

ゲートウェイ

汎用コンピュータとTCP/IPで接続されたネットワークなど、性質やプロトコルの異なるネットワーク間を接続してデータのやり取りをする装置です。プロトコル変換機能をもち、通信媒体や伝送方式の違いを吸収することができます。

 

伝送制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能である伝送制御の仕組み,特徴を理解する。

用語例:データリンク制御,ルーティング制御,フロー制御,ベーシック手順,コンテンション方式,ポーリング/セレクティング方式,HDLC,マルチリンク手順,相手固定,交換方式,コネクション方式,コネクションレス方式,パリティチェック,CRC,ハミング符号,ビット誤り率,SYN 同期,フラグ同期,フレーム同期

伝送制御

伝送制御とは、データを確実に伝送するためのルールです。送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能で、回線の接続から通信が終了し回線を切断するまでを対象とします。

データリンク制御

相手とのデータを伝送する通信路の確立を行います。この通信路の確立を行うための手順をデータリンク制御と呼んでいます。(データリンク=論理的な伝送路)

ルーティング制御

通信相手との経路が複数ある場合、どの経路を通るか決めることをルーティング制御と呼んでいます。

フロー制御

データ通信において、データを高速に大量に受信相手に送ると、データの取りこぼしが発生する場合があります。これは、受信側が大量のデータを受け取れないことや、途中の経路でデータを転送する機器が受け取れない場合などがあります。この取りこぼしを防ぐようにする制御をフロー制御と呼んでいます。

通信誤りの検出方式

パリティチェック
通信誤り検出用のビットを付加する方式。1ビットの誤りならば検出できる。
CRC
Cyclic Redundancy Check(巡回冗長検査)の略。多項式による計算で求めたビット列を付加する方式。複数ビットの誤りを検出できる。

データリンクの確立方式

データリンクの確立方式とは、送信権の決定方式のことであり、データリンクの確立形態は1対1の接続方式(=ポイント・ツー・ポイント)と、分岐回線方式(マルチ・ドロップ)があり、それぞれ、送信権の決定には、別の方式が採用されています。

コンテンション方式

ポイント・ツー・ポイント方式で採用されていて、送信側が送信要求を出して相手側が送信権を得てデータ転送を行う方式。

ポーリング・セレクティング方式

マルチドロップ方式で採用されていて、全体の制御を行う1次局が、接続されている端末(2次局・従属局)に対して、順番に送信要求を確認していき、2次局が送信データを持っていれば、1次は2次局から送信データを受け取ります。この手続のことをポーリングといい、2次局側が送信を行う場合に行われます。

1次局から2次局にデータを送信する場合に行われるのが、セレクティングという手順で、1次局から送信対象の2次局に受信準備を依頼し、2次局が受信準備を完了したことが通知されると、1次局は2次局に対してデータを送信する。

同期方式

データの送信と受信において、タイミングを合わせるための方式。信号同期ともいい、データの開始位置と終了位置を判別することで正しく送受信するための方式。

調歩同期方式

一文字のデータを伝送するために、開始位置を示すためのスタートビットと、終了位置をしめすためのストップブットを付加する方式です。通信量の20%が同期のためのビットとして使われることになり、効率は良くない方式です。低速な文字データの伝送の場合に使用されます。

キャラクタ同期(SYN同期)方式

通信したい文字列の前後に同期用の文字符号を付加して、同期を行う方式です。この動機方式が用いられるベーシック手順という伝送制御手順の場合、同期用の文字符号をSYN符号と呼ぶため、SYN同期方式とも呼ばれます。文字列の伝送にしか使えず、低速~中速の伝送に使用されます。

*SYN符号以外には、テキスト開始のSTX符号、テキスト終了のETX符号などの基本型伝送制御符号というものが定義されている。

フラグ同期方式

文字列ではない、汎用的なビットパターンを通信する場合に用いられる方式です。フラグシーケンスと呼ばれる、特殊なビットパターンをデータの前後に付加することで、同期を行います。

基本的に、高速な常時接続の回線で用いられることが多く、その場合は通信するデータがない場合は、常時フラグシーケンスが伝送されていることになります。(フラグシーケンスではないビットパターンが来た、というのを同期のタイミングとして使う方式)

主な伝送制御手順

無手順

同期方式には、調歩同期方式を用い、誤り制御は備えていない手順。

ベーシック手順(基本データ伝送制御手順)

テキストデータを確実に伝送するための伝送手順で、同期方式にはキャラクタ同期方式を、誤り制御にはパリティチェック方式を用いる伝送手順です。

HDLC(High-Level Deta Link Control)手順

任意のビットパターンを高速に伝送するための伝送手順で、マルチリンク制御など、複数のデータリンクをまとめて扱えるのも特徴。同期方式にはフラグ同期方式を、誤り制御にはCRC方式を用いる伝送手順です。

パリティチェック方式

パリティチェック方式とは、通信誤り検出用のビットを付加する方式です。

送信するデータを8ビットで区切り、データの中にある1の数をカウントして偶数個なら0(又は1)、奇数個なら1(又は0)をデータの区切りの最後に付加します。この付加した1ビットをパリティビットといいます。

パリティビットの付け方には2種類あり、偶数パリティチェック方式では、パリティビットを含んだデータの1の個数が偶数個になるようにします。奇数パリティチェック方式の場合は、1の個数が奇数になるようにします。

受信側は、転送データが正しいかどうかのチェックに、送られてきたデータの区切り毎にデータ内の1の個数をカウントしてパリティを算出し、付加されているパリティビットと比較して同じかどうかをチェックします。

転送中にデータが誤った場合、付加されたパリティビットと受信側で計算したパリティが違うので、データの誤りを見つけることができます。

1ビットの誤りは検出できますが、複数ビットの誤りは検出することが出来ません。また訂正することも出来ません。

パラレル転送方式の場合に、縦方向(垂直方向)と横方向(水平方向)の両方でパリティを付加することが出来ます。(下図は偶数パリティの場合)


この垂直パリティと水平パリティを使うと、1ビットの誤り検出と訂正ができ、複数ビットの誤りも検出できます。

コネクション方式

通信相手ときちんと手続きを踏んで、通信路の確立を行ってから通信する方式です。

確実にデータをもれなく抜けなく送りたい場合に使用します。

コネクションレス方式

相手との通信路の確立を行わないで、送信側側が勝手にデータを送りつける方式です。データが多少ロスしようと、高速に伝送したい場合に利用されます。

マルチリンク手順

マルチリンク手順とは、複数の回線を束ねて相手と高速に通信をする技術です。例えば、ISDNの2本の64kbpsのデータ用チャネル(Bチャネル)を束ねて128kbpsで通信できます。

伝送制御手順同期方式誤り制御通信速度通信路の確立
無手順調歩同期方式なし低速コネクションレス方式
ベーシック手順キャラクタ同期方式パリティチェック低~中速コネクション方式
HDLC手順フラグ同期方式CRC高速コネクション方式

メディアアクセス制御

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

データの送受信方法や誤り検出方法などを規定するMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)の仕組みと特徴を理解する。また,アクセス制御の目的,アクセス制御手法の代表的な種類と仕組みを理解する。

用語例:TDMA,CSMA/CD,CSMA/CA,トークンパッシング,衝突

MAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)

複数のコンピュータがネットワークに接続されていてデータを転送する際に、データが正しく送れるようにデータ伝送路を正しく利用する手順が必要になります。この制御方式をメディアアクセス制御といいます。

データの送受信方法や、誤り検出方法を規定したもので、OSI参照モデルのデータリンク層に対応し、MACアドレスという、ネットワーク接続機器に一意に割り振られたアドレスで通信相手を認識します。

TMDA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)

無線通信において、複数の利用者で回線を共有する方式です。携帯電話などで利用されていた通信方式で、一つの周波数を短時間ずつ複数の通信者で共有して利用する形態です。

近年の携帯電話(第三世代以降)は、符号化の方式を工夫して多重化する方式の、CDMA方式(Code Division Multiple Access)が用いられています。

CSMA/CD(搬送波感知多重アクセス/衝突検出)

シンプルで高速な制御手順で、バス型・スター型のLANで用いられる方式で、イーサネット(Ethernet)が採用しているメディアアクセス制御方式です。

CSMAは一つの伝送路で複数のノード(端末)のアクセスを可能とするために、送信したいノードは他のノードが伝送路を使っていないかどうか、伝送路を確認します。もし使っていれば伝送路にデータが流れているのでしばらく待ってから、もう一度確認して使っていなければデータを送信します。

もしこの時、他のノードも同時に送信すると衝突してしまって、データが重なって壊れてしまい、使えなくなってしまいます。子の衝突を検出することで、送りたいデータを再送信します。

  • CS(=Carrier Sense):搬送波感知。通信前に、一度受信し、通信中のホスト型にあるか確認。
  • MA(=Multiple Access):多重アクセス。複数のクライアントは同じ回線を共用し、他社が通信していなければ、自分の通信を開始する。
  • CD(Collision Detection):衝突を検知し、再送信する。なお、待ち時間はランダムに取られる。

*CSMA/CD方式は、通信量が多いと、待ちや再送信が多発し、効率が非常に悪くなる。

CSMA/CA(搬送波感知多重アクセス/衝突回避)

『衝突』の検知を行うことが物理的に不可能な、無線接続において使用される方式で、CSMAの部分は、CSMA/CDと同じ。

CA(=Collision Avoidance):衝突回避。搬送波感知を行った段階で、通信中のホストを検出した場合、待ち時間の間隔を徐々に短くしながら、待って再送信を行う方式。

トークンパッシング

トークンリング方式やFDDI(Fiber-Distributed Data Interface)が利用しているメディアアクセス制御方式です。

トークンと呼ばれる送信権がネットワークを流れていて、このトークンを取り込んだノードがデータを送信できる方式です。データを送信すると、送信したノードは、ネットワークにトークンを流します。これで、誤って同時にデータを送信してしまう衝突を防ぐことが出来ます。