ITの基礎知識|ITパスポート・基本情報

ネットワークアーキテクチャ

2017.11.17

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

  • 代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。
  • ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャであるOSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。
  • WAN における通信プロトコルの標準化がITU-T において策定されていることを理解する。

用語例:ポイントツーポイント(2 地点間接続),ツリー型,バス型,スター型,リング型、物理層,データリンク層,ネットワーク層,トランスポート層,セション層,プレゼンテーション層,アプリケーション層、X シリーズ,V シリーズ,I シリーズ

LANのトポロジー

コンピュータやプリンタなど、ネットワークを構成する要素をつなぐ形態をトポロジーといいます。

LANの代表的なトポロジーには、バス型、スター型、リング型があります。

バス型
1本の伝送路を幹線として、端末を接続する形態です。各端末から送出されたデータは同じバスに接続されたすべての端末に届けられるので、各端末はそれが自分宛てのデータであれば処理をし、自分宛てのデータでなければ破棄します。
スター型
中央の集線装置に端末を接続した形態です。端末1台に障害が発生しても他の端末には影響しませんが、集線装置が故障すると、それにつながる端末全体が通信できなくなります。
リング型
複数の端末をケーブルで円形に接続する形態です。信号が流れる経路がリング型になっていて、信号は接続された順に機器間を周回します。

WANのトポロジー

WANの代表的なトポロジーには、ポイントツーポイント型とツリー型があります。

ポイントツーポイント型

2地点間接続ともいいます。1対1で2つの地点を接続する形態で、接続には専用線を用います。

ツリー型

1つの地点を元に、木の枝が分かれるようにLAN間を接続する形態です。

OSI参照モデル

ネットワークアーキテクチャの国際標準で、ISOが策定した7層からなるアーキテクチャです。

OSI参照モデルを用いることで、以下のような利点があります。

  • 大量かつ複雑な通信プロトコルを階層的に整理できる。
  • 各層には明確な役割分担があり、上から下へ(下から上へ)通信データを引き渡していくので、ある層のシステム構成を変更しても、他の層に影響しない。
  • ネットワークの特性や目的に応じて、層ごとに最適な通信プロトコルを選択することが出来る。

それぞれの層には以下のような特徴があります。

物理層

電気信号を扱う層で、データとビットの相互変換を行う。最もハードウェアに近い規約の集合であり、ケーブルやコネクタの形状や特性を定義する。

例:RS-232、電話線、ハブ、リピータ、光ケーブルなど

データリンク層

LANの内側を扱う層で、隣接するコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。データを扱う単位はフレームである。(フレーム:パケットにMACアドレス情報などを付加したモノ)

例:イーサネット、トークンリング、PPP、フレームリレー、ブリッジ(スイッチングHUB)など

ネットワーク層

LANとLANの接続を扱う層で、複数のネットワークをまたがったコンピュータ、機器間のデータ送受信を定義する。経路選択(ルーティング)を行う。データを扱う単位はパケットである。

例:IP、ARP、ICMP、ルータなど

トランスポート層

通信の信頼性を扱う層で、通信による誤りが発生した場合の処置内容などを定義する。データを扱う単位はセグメント(パケットのもとになるデータ)である。

例:TCP、UDPなど

セッション層

データ転送のやりかたを規定するためのプロトコルです。コンピュータ間のコネクションや切断などについて規定します。

例:RPCなど

プレゼンテーション層

データの表現方式や形式の変換を扱う層で、圧縮方式や文字コードなどといった、データ表現について規定します。文字や画像、音声、動画などのデータ形式の定義も含まれます。

例:MIME、SSLなど

アプリケーション層

データ通信アプリケーションや通信サービスを扱う層で、最も人間(利用者)に近い規約の集合です。

例:HTTP、DHCP、SMTP、FTPなど