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伝送方式と回線

2017.11.17

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

用語例:単方向,半二重,全二重,WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重),回線交換,パケット交換,ATM 交換,フレームリレー,セルリレー,公衆回線,専用線,電力線通信(PLC)

伝送方式

データを転送する際の通信方式には、通信方向による違いと転送方式による違いにより分類されます。

通信方法による違いでは、単方向と双方向の2種類にわけられます。

  • 単方向: 一方通行の通信で送信側は送信だけ、受信側は受信だけの通信です。
  • 双方向: 送信も受信も両方向の通信ができます。

双方向はさらに、以下の二種類にわけられます。

  • 半二重: 送信している際に、同時に受信はできません。トランシーバのようなイメージです。一般的に2線式の配線を利用します。
  • 全二重: 送信も受信も同時にできます。電話のようなイメージです。一般的に4線式が利用されています。(受信・送信それぞれに2線ずつ)

転送方式による違いでは、シリアル(直列)とパラレル(並列)の2種類にわけられます。

  • シリアル転送方式:1本の線を利用して1ビットずつ順次転送していきます。USB、シリアルATA、SAS(Serial Attached SCSI)、IEEE1394などに利用されています。
  • パラレル転送方式:複数の線を利用して、同時に複数ビット転送していきます。プリンタ、IDEなどに利用されています。

旧来はシリアル転送方式が低速で、パラレル転送方式が高速でイたが、近年はパラレル転送方式の場合、高速にすればするほど隣接する線からのノイズが問題となり高速転送に支障が出るため、シリアル転送のほうが速度面でも優位となり、現在では高速なシリアル転送方式が多数実用化されています。

多重化方式

1本の線を使った通信は通常1対1ですが、同時に複数の相手との伝送を行う場合に多重化という技術を使います。

多重化方式には、主に以下の様なものがあります。

周波数分割多重化(FDM:Frequency Division Multiplexing)
アナログ回線で周波数を細かく分割して、分割された周波数を1対1に割り当てて複数の相手と通信をします。ADSLの基本技術となっています。
時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)
1本のデジタル回線を細かい時間で切り替えて複数の相手と通信します。
波長分割多重化(WDM:Wavelength Division Multiplexing)
光ファイバを多重化する際に、光の波長を変えて同時に送信することによって、複数の相手と同時に通信できます。