ITの基礎知識|ITパスポート・基本情報

【応用情報技術者試験】の記事一覧

ジョブ管理

2017.10.19

この記事での学習内容 基本情報 応用情報

一つのまとまった仕事の単位であるジョブと,それを構成するジョブステップの概念,ジョブ管理の手順,ジョブ管理に関連する制御プログラムの役割を理解する。

用語例:ジョブスケジューラ,マスタスケジューラ,セション,省力化,自動運転,システム管理,バックグラウンドジョブ,バッチ処理,cron

ジョブ

ジョブとは、メインフレームコンピュータやサーバに処理させる一連の仕事のまとまりを指し、ユーザから見た仕事の単位となります。一つのジョブはバッチ処理させる幾つかのジョブステップのまとまりで、ジョブ制御言語によって記述されます。
一つのジョブステップはいくつかのタスクで構成されます。タスクはシステム側から見た仕事の単位となります。

ジョブステップ

ジョブステップとは、一つのジョブを構成するより小さな単位です。ジョブとタスクの中間のまとまりです。一つのジョブステップが一つのプログラムの実行に相当します。

ジョブ管理

ジョブ管理はオペレーティングシステムの管理作業の一つであり、ユーザから依頼されるジョブ及びジョブステップの実行を管理します。オペレーティングシステムを構成するジョブ管理プログラムが、次のような処理をします。

  • ジョブの起動
  • ジョブステップの実行順序の管理
  • ジョブの終了の監視・報告
  • 複数のジョブの実行順序の管理
  • 日時指定のジョブの実行や定例的なジョブの反復

なお、ジョブ管理プログラムの構成は下記のようになっています。

  • マスタスケジューラ
  • ジョブスケジューラ
    • リーダ
    • イニシエータ
    • ターミネータ
    • ライタ

マスタスケジューラ

マスタスケジューラは、ジョブスケジューラより上位の制御をするプログラムです。オペレータからの指示をジョブスケジューラに伝えたり、ジョブスケジューラからの状況報告をオペレータに伝えたりします。(ユーザとジョブ管理プログラムとのやりとりを管理する部分)

ジョブスケジューラ

ジョブスケジューラは、待ち行列として並んでいるジョブの実行順序を制御します。

ジョブスケジューラは下記のプログラムから構成されています。

リーダ

ジョブ管理プログラムの最初の処理をするリーダは、ユーザから依頼された一連のジョブ制御分を入力して、解釈するプログラムです。

イニシエータ

イニシエータはジョブに必要な資源を割り振る準備処理をして、プログラムの実行を開始します。

ジョブの実行順序は、下記のようなルールで管理されます。

  1. 原則としてジョブは入力された順序に実行されます。
  2. 優先順位が指定されていれば、それに従います。
  3. 前提となるジョブの正常終了や異常終了に応じて、後継のジョブの実行開始や実行中止が指定されていれば、それに従います。
  4. 開始日時が指定されていれば、それに従います。
ターミネータ

ターミネータは、ジョブが使用した資源を解放する後始末をします。

ライタ

ライタは、ジョブの出力を処理します。例えばプリンタへの出力は速度が遅いので、指定したプログラムの実行中は高速な外部記憶装置へいったん出力して、ライタがプリンタへの出力を引き継ぎます。ジョブの実行とプリンタへの出力を並行処理することによって、コンピュータシステムの効率を向上させます。

ジョブスケジューリング

ジョブ管理プログラムでの、ジョブの処理順序をまとめると、以下のようになります。

  1. リーダが一連のジョブ制御文を入力する。
  2. ジョブスケジューラが、ジョブの実行順序をスケジューリングする。
    1. イニシエータがジョブの開始処理をする。
    2. <ジョブステップとして指定したプログラム群が実行される>
    3. ターミネータがジョブの終了処理をする。
  3. 必要ならマスタスケジューラが、オペレータとジョブスケジューラのやりとりを仲介する。
  4. ライタがジョブの報告を出力する。
この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報OS の機能,構成,カーネル,言語プロセッサなどを理解する。用語例:マイクロカーネル,モノリシックカーネル,ミドルウェア,カーネルモード(スーパバイザモード),特権モード,ユーザモード,非特権モード,コンパイラ,インタプリタ,リンケージエディタ,サービスプログラム,仮想記憶管理,プロセス管理,タスク管理,記憶管理,データ管理,運用管理...

Read more...

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報ソフトウェアの体系におけるOS の位置付けと必要性,汎用機用,パソコン用,リアルタイム用などのOS の種類,特徴を理解する。用語例:システムソフトウェア,UNIX,PC 用OS,オープンOS,リアルタイムOS,VM(Virtual Machine:仮想マシン),互換性オペレーティングシステム(Operating System:OS...

Read more...

情報処理技術者試験での学習内容【応用情報】 ・OS の種類,特徴,機能,構成を修得し,応用する。 ・ジョブ管理,タスク管理,記憶管理などOS の代表的な機能,役割を修得し,応用する。 ・プログラムの形態,性質,OS の動向を修得し,応用する。【基本情報】 ・OS の種類,特徴,機能,構成を理解し,担当する事項に適用する。 ・ジョブ管理,タスク管理,記憶管理などOS の代...

Read more...

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や,初期コスト(イニシャルコスト)やTCO による評価を理解する。また,初期コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別などを理解する。システムの経済性システムを新たに導入するときには、ソフトウェアの開発費用はハ...

Read more...

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報 システムを評価する際の評価項目となるReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を理解する。 MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列システム,直列システ...

Read more...

この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。用語例:レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ,TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp,モニタリング,ギブソンミックスシステムの性...

Read more...

情報処理技術者試験での学習内容【応用情報・基本情報】システムの性能,信頼性,経済性を測るための考え方,評価指標,それらを高める設計の考え方を修得し,応用する。【ITパスポート】システムの性能,信頼性,経済性の考え方を理解する。(1)システムの性能特性と評価 ITパスポート 基本情報 応用情報1.システムの性能指標システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標...

Read more...

信頼性設計

2017.10.18
この記事での学習内容 基本情報 応用情報システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントやヒューマンエラー回避技術など,信頼性設計に関する考え方,どのようなシステム構成,技術があるかを理解する。用語例:フォールト,信頼性ブロック図,予備切替,並列運転,競合制御,,アクティブ-スタンバイ構成,アクティブ-アクティブ構成,フォールトトレラントシステム,フォールトアボイダンス,フェールセー...

Read more...

RAID

2017.10.18
この記事での学習内容 基本情報 応用情報複数の磁気ディスク装置をまとめて一つの装置として扱い,信頼性や速度を向上させる技術であるRAID の種類と特徴,NAS,SAN などストレージ関連技術の特徴を理解する。用語例:RAID0,RAID1,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID6,ストライピング,ミラーリング,パリティ,チャンクサイズRAIDの種類と代表的な特徴R...

Read more...