この記事での学習内容 ITパスポート 基本情報 応用情報
- 入出力インタフェースの種類,転送方式,伝送速度,接続可能台数,用途などの特徴を理解する。
- シリアルデータ転送方式とパラレルデータ転送方式や,周辺装置を接続する際の接続形態(トポロジ)の種類,特徴,使用される機器を理解する。
用語例:USB,RS-232C,IEEE 1394,SCSI,HDMI,PC カード,シリアルATA, Bluetooth,ZigBee,IrDA,NFC,FC(ファイバチャネル)、アナログ,ディジタル,スター接続,カスケード接続,ハブ,デイジーチェーン接続,ターミネータ,ツリー接続
入出力インタフェース
入出力インタフェースとは、コンピュータに周辺機器を接続するためのコネクタやケーブルの形状、伝送に用いる通信規格などを指します。
インタフェースは、コンピュータ本体と周辺装置との通信を整える働きをする部分で、データの転送方式には、シリアル方式のインタフェースと、パラレル方式のインタフェースとがあります。
シリアルインタフェース
1本の信号線を使って1ビットずつ順番にデータを転送する方式です。一度に転送するデータの量は少ないですが、ケーブルやコネクタの構造を単純化出来るので、高い動作周波数での転送速度を上げることが出来ます。
例:USB、LANケーブル、シリアルATA
パラレルインタフェース
複数の信号線を束ねたケーブルで、複数のビットを同時に転送する方式です。一度に転送するデータが多いので、動作周波数が低くてもデータを転送できます。しかし、シリアルインタフェースに比べ仕組みが複雑になること、ケーブルが太く、伝送距離が短いなどの短所もあります。
例:SCSIケーブル、IDE、パラレルケーブル
通信速度
データ通信の速度は「ビット/秒」(bps:bits per second)を単位として表します。「ビット/秒」は1秒間に転送できるデータ量をビット単位で表したものです。
1bpsは、1秒間に1ビットのデータを送ることが出来る速さです。
USB
USBはコンピュータ用の入出力インタフェースとして広く使われている規格です。現在主流であるUSB2.0規格は最高480Mbpsの高速通信が可能です。
USB2.0には3つの転送モードがあり、高速性の求められる外付けハードディスクなどには、480Mbpsのハイスピードモード、プリンタやスキャナなどには12Mbpsのフルスピードモード、低速なキーボードやマウスなどには1.5Mbpsのロースピードモードが使用されています。
*一見、フルスピードモードが最も速いように思えますが、12Mbps=フルスピードモードなのは、旧規格のUSB1.1の規格の名残で、USB1.1の最高速度が12Mbpsであったため。
なお、最近では、転送速度が5Gbpsとさらに高速なUSB3.0という規格も登場し、外付けハードディスクなど対応商品も出てきています。
USB普及の背景
USBが広く使われるのは、プラグ・アンド・プレイやホットプラグインに対応するインタフェースであることも理由の一つです。
ホットプラグインとはコンピュータの電源を入れたままでケーブルの抜き差しができる機能です。
プラグ・アンド・プレイは、接続した周辺機器をOSが自動認識する機能です。
また、USBケーブルを介して周辺機器の電源がコンピュータ側から供給される「バスパワー」にも対応するため、消費電力の小さい機器なら、電源ケーブルを使わずにコンピュータからUSB経由で電源供給を受けて稼働できます。
USBハブ
USBハブを用いると、一つのUSBポートにコンピュータやハブを含めて最大127台までの機器を階層的なツリー型に接続できます。
コンピュータと周辺機器、USBケーブル、USBハブのうち、USB1.1のみに対応する機器が一つでもあれば、USB1.1の最高速度である12Mbpsでしか通信できなくなるため、USB接続する機器の選定には注意が必要です。
IEEE1394
IEEE1394は転送速度が100Mbps以上という高速なシリアルインタフェースで、主にデジタルビデオカメラなどで採用されています。「FireWire」や「i.Link」という名称で商標登録しているメーカーもあります。
最大63台の機器をデイジーチェーン接続(数珠つなぎ)でき、周辺装置同士を直結することもできます。
その他の主なインタフェース
コンピュータに使われる入出力インタフェースには、次のようなものがあります。
名称 | 接続方法 | 特徴 |
---|---|---|
RS-232C | シリアル | 従来からモデム、TAなどの接続に用いられてきた低速なインタフェース。 |
セントロニクス | パラレル | 従来からプリンタなどとの接続に用いられてきたインタフェース。 現在はIEEE1284として規格化されている。 |
SCSI | パラレル | 従来からスキャナや外付けのハードディスクなどに用いられてきたインタフェース。 最大7台までデイジーチェーン接続が可能。 |
IDE/E-IDE | パラレル | 内蔵ハードディスク、CD-ROMなどを内部で接続するためのインタフェース。 別名でATA、ATAPIともいう。 |
シリアルATA | シリアル | IDE/E-IDEの後継として位置づけられる磁気ディスクの高速インタフェース。 ケーブルが細く延長距離も長いため接続がしやすい。 最大転送速度が150MB/秒などと高速である。 |
IrDA | 赤外線 | 赤外線による無線通信インタフェース。 最大4Mbpsの通信速度があるが、通信距離が1m程度と短く、機器を向き合わせる必要がある。 PDAとコンピュータ間や携帯電話同士のデータ交換などに使われる。 |
Bluetooth | 電波 | 2.4GHz帯の電波を利用する無線通信インタフェース。 半径10m以内で最大3Mbpsの通信速度がある。 赤外線を利用するIrDAと違い、機器間に障害物があっても通信できる。 |