【基本情報技術者試験】は【IPA】(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している【国家試験】で、2001年春季から実施されている試験です。
IPAが制定している【ITSSスキル標準】ではレベル2に相当する試験となっています。
IPAが実施している【情報処理技術者試験】の中では【エンジニアとしての入門レベル】に当たる試験となっており、1969年~2000年秋季まで実施されていた【第二種情報処理技術者試験】に代わるものとしてスタートした国家試験です。
試験の内容・難易度的にもほぼほぼ【第二種情報処理技術者試験】の後継と位置付けられる試験ですが、それまでさらに上級の【第一種情報処理技術者試験】の範囲となっていた、【情報科学分野】や【コンピュータシステム】も出題範囲となりました。
従来は大学などの大規模試験会場での一斉試験でしたが、令和2年度以降はCBT(Computer Based Test)方式が導入され、指定の試験会場で年2回の指定期間内で受験できるようになっています。
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基本情報技術者試験の概要
以下、IPAのサイトより引用。
引用元:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
対象者像
高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者
業務と役割
基本戦略立案又はITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、上位者の指導の下に、次のいずれかの役割を果たす。
(1) 需要者(企業経営、社会システム)が直面する課題に対して、情報技術を活用した戦略立案に参加する。
(2) システムの設計・開発を行い、又は汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、信頼性・生産性の高いシステムを構築する。また、その安定的な運用サービスの実現に貢献する。
期待する技術水準
1 情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
1. 対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
2. 上位者の指導の下に、情報戦略に関する予測・分析・評価ができる。
3. 上位者の指導の下に、提案活動に参加できる。2 システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
1. 情報技術全般に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
2. 上位者の指導の下に、システムの設計・開発・運用ができる。
3. 上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる。
4. 上位者の方針を理解し、自らソフトウェアを開発できる。
受験費用と申し込み方法
2022年4月1日受験より
7,500円(税込)
申し込みは、下記のサイトから利用者登録を行い、試験会場と日程を選択して申し込む。
基本情報技術者試験情報 | プロメトリック (prometric-jp.com)
試験時間・方式
- 午前試験:80問・150分・多肢選択式
- 午後試験:11問中5問選択・150分・多肢選択式
なお、2023年4月以降は下記の方式に変わる予定です。
- 科目A試験:60問・90分・多肢選択式
→現行の午前試験に相当 - 科目B試験:20問・100分・多肢選択式
→現行の午後試験に相当
大問を5問選択だったのが、「情報セキュリティ」「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」を重点とした、小問20問という構成に変わります。
これに伴って、個別のプログラミング言語の出題はなくなります。
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管理人の見解
ということになっており、冒頭に紹介した通り、ITエンジニアを目指す方の登竜門とも位置付けられる試験になっていますが、合格率は直近2年を除けば、10%台〜20%台という難易度の高い試験でした。
ただ、直近2年(令和2年度・3年度)は合格率が40%台〜50%弱にまで跳ね上がっています。
とはいえ、下記のような要因から、難易度が下がっているのかどうかは判断がつかないところです。
- CBT方式で過去問題も非公開となり、以前の試験との比較ができない
- 方式変更+コロナ禍の影響なのか、受験者数自体が以前より減少
- ステイホームで受験者の学習時間が増えた?
なお、主催している団体が同じで試験範囲もかなり近いものがあるため、【ITパスポート】と比較されることが多いですが、【ITパスポート】がITの利用者側に寄った試験であるのに対して、【基本情報技術者】は明確に技術者向けの試験になっているため、より専門的な知識が問われるものになっています。
非常に試験範囲が広いため、職業としてITエンジニアの道に進んだとしても、職務の内容によっては、学習した内容を活かしきれないことも考えられますが、いろいろな業務をこなすための基礎になる知識が問われる試験ですので、トライする価値は十分にあると言えるでしょう。
勉強方法
管理人は【第二種情報処理技術者試験】【基本情報技術者試験】双方に合格しており、対策講座の講師経験もあります。
その経験を踏まえると、IPAの【情報処理技術者試験】のうち、【応用情報処理技術者試験】までは【テキスト+過去問】というのが王道ではないかと思います。
市販のテキストは多数の出版社から毎年出版されているので、基本的にはその時点の最新年度のものを購入するのが良いでしょう。
CBT方式が導入されて以降の過去問の公開はされていないのですが、それ以前の過去問は公式サイトで公開されているため、過去問を使った学習が可能です。
ただ、【基本情報技術者試験】の午後試験は【アルゴリズム】や【プログラミング】の問題が出題されるため、知識を丸暗記するだけでは対応できません。問題を読み解き、考えて答えを導き出す力が問われます。(多肢選択式ではあるので、勘で当たる可能性もありはしますが…)
もちろん、公開されている過去問には午後問題も含まれていますので、それで対策は出来ますが、同じ問題が出てくるわけではないので、しっかりとした基礎知識を身につけた上で、その場での対応力が問われます。午後の過去問は知識を覚えるためのものではなくて、『考える力』を鍛えるためのトレーニングと認識して取り組むのが良いでしょう。