この記事での学習内容 基本情報 応用情報
複数のプロセッサを搭載し,高速化や高信頼化を実現したシステムについて,種類,特徴,仕組み,マルチプロセッサシステムを適切に組み合わせた基盤設計を理解する。
用語例:疎結合マルチプロセッサシステム,密結合マルチプロセッサシステム,タンデム結合マルチプロセッサシステム,アレイコンピュータシステム,アムダールの法則,同期, SMP(Symmetric Multi Processing:対称型マルチプロセッシング),クラスタ,トーラス,ハイパキューブ,ハイパツリー
マルチプロセッサシステム
マルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサを有する単一のコンピュータシステムです。マルチプロセッサシステムの目的は処理能力の向上や可用性の向上です。
可用性
システムの一部に障がいが発生しても、使い続けることの出来る性質。
処理効率の向上も重要な要素ですが、24時間365日稼動のシステムを構築するにあたっては、可用性の確保のためにマルチプロセッサシステムが取られていることが多くあります。
マルチプロセッサシステムには、疎結合マルチプロセッサ、密結合マルチプロセッサ、クラスタなどの種類があります。
疎結合マルチプロセッサシステム
疎結合マルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサが通信回線を経由してデータを共有する、マルチプロセッサシステムです。
プロセッサ同士の余分な影響が少ないことや、普通のコンピュータの組合せで実現できるのが利点です。
通信回線を経由するので処理効率は劣りますが、ローカルエリアネットワークの高速化によって処理能力が向上しています。
密結合マルチプロセッサシステム
密結合マルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサが主記憶装置を共有するマルチプロセッサシステムです。複数のプロセッサは共通バスを経由して接続されます。
始めからマルチプロセッサシステムとして設計する必要があり、プロセッサ間の独立性も低いですが、バス接続なので処理効率が良いのが特徴です。
クラスタ
クラスタは、一つのシステムとして処理を実行するひとまとまりの複数のコンピュータ群です。
疎結合マルチプロセッサや密結合マルチプロセッサはプロセッサ同士が対称的な構成ですが、クラスタは対称性は問われません。
この技術の一つの発展形が、最近のトレンドである『クラウドコンピューティング』であり『グリッドコンピューティング』です。
機能分散の意味合いを持たせる場合もあり、可用性の向上、負荷分散を狙ったものなど、色々なケースがある。単に複数のコンピュータを連携させて、一台の高性能なコンピュータであるかのように動かす、というのがクラスタ構成のポイントです。