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コンピュータを用いて、数式を記号的に代数処理する数式処理システムとそのアルゴリズムを理解する。
用語例: 因数分解、微分、積分
「数式処理」とは、数値の代わりに文字列を用いて計算式を記号的に処理することです。数値の代わりに用いる文字列を「代数」と呼びます。
具体的な例としては、計算式を分解して積の形に変換する「因数分解」、時間とともに変化する関数の増減を調べる「微分」、図形の面積や立体の体積などを微小な要素の集まりとして計算する「積分」などがあります。
コンピュータ内部でこのような処理を行うときには、数式処理を行います。
数式処理
コンピュータでは、代数を利用することで数式を記号的に処理することが出来ます。数値のみを扱う電卓とは異なり、コンピュータでは方程式をそのままコンピュータで扱うことが出来ます。
因数分解や、微分、積分の計算を行う際に、数式処理が行われっます。
因数分解
因数分解とは、下図や多項式・行列などといった計算式を分解し、因数(計算式)を積の形にすることです。
因数分解の公式
- a2 ± 2ab + b2 = ( a ± b )2
- a2 – b2 = ( a + b )( a – b )
- x2 + ( a + b )x + ab = ( x + a )( x + b )
- acx2 + ( ad + bc )x + bd = ( ax + b )( cx + d )
- a3 + b3 = ( a + b )( a2 – ab + b2 )
- a3 – b3 = ( a – b )( a2 + ab + b2 )
微分
微分とは、時間の経過に伴って変化する関数の増減の度合いを求めることです。曲線のグラフでは、接線の傾きを求めることに相当します。
例えば、家から駅まで歩く場合を考えます。家から駅まで1時間かけて5キロの道のりを歩いた場合、時速5kmで歩いたことになります。
しかし、実際には常に時速5kmで歩いていたわけではなく、この時速5kmはあくまでも平均時速でしかありません。
このような場合に、実際の歩いた時間と移動距離をグラフに取り、とある時点での歩行速度を求めるような場合に、微分を用います。
なお、ニュートン法で接線の傾きを求める際にも微分が用いられています。
積分
積分とは、図形の面積や体積などを求める方法です。
長方形や三角形であれば公式を使えば面積を求めることが出来ますが、曲線のグラフの一部分のように、曲線で囲まれた部分の面積を求めるといった場合に、積分を用います。
例えば、先述の家から駅まで歩く場合をグラフにした時、横軸に時間、縦軸に速度を表したグラフの場合、積分を使うことで、一定時間に移動した距離を求めることが出来ます。